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富野由悠季の名言


名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 19:09:05.90:HTvqD41e
ガンダムの生みの親などとして有名な人だけど、他のどのアニメ監督より面白発言が多い人だと個人的に思う。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:05:30.75:BCbr4wcr
247 名前:胎動編(4)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:32:14 ID:???
追加1 その異種格闘技というのはスタッフの間の黙契と言えるんでしょうか?
    (ここの追加質問はすべて上に言ったアニメ制作会社の社長が質問したもの)

それほど身体的、観念的なことではありません はっきり言って、技術の違いです
たとえば僕の場合...ガンダムの場合では、僕の頭の中にあったメカニックの線とか、キャラクターの線は、
安彦くんのもっているやさしい線ではありませんでした
僕は極めて通俗的な趣味しか持っていませんので、ロボットモノとかメカモノであったら、もうすこし硬い線で書くべきだと思っていました
ですから、安彦くんのキャラクターとか安彦くんが書いたメカの線を見たときに、僕は「違うな」と思っていました
しかし、彼の線の絵が持っている上手さというものには根本的に、尊敬の目をすべきものからできたので、自分の好みを全部捨てました
そういう組み合わせとか、コラボレーションが必要なんだなというふうに思っています
つまり、1監督、1演出家の、その自分の好みでもし作品を作ってしまうと、狭くなってしまうというのはそういうのだと思います
これはあくまで技術と趣味の違いを一緒にするという作業です
この言い方をすると、この最近20年くらいというのは、皆一面的にというのは、同じ体質の演出家、シナリオライター、アニメーターがあったから、
することは全部同じだと言うこともできます。

ですから、異種格闘技という意味をもう一確認しおけばいいというのは、違う趣味の集まりがスタジオのコラボレートを豊かにするものと思っていただきたい
そして、そのような組み合わせから出来上がった作品のほうが、広く広く色々のお客さん・観客を集められることができるのではないかと思っています
異種格闘技の根本的な意味はこの部分にあります
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:05:40.45:BCbr4wcr
248 名前:胎動編(5)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:40:41 ID:???
追加2 これはスタッフの間によるプラス効果、または互いに火花を散らしてると言えるでしょうか?

火花を散らしているレベルはかなりレベルが低いです
つまり、火花というのは、同じレベルにいるから散り合ってできたものなんです
安彦くんと僕の場合には、趣味の根本的な違いはこのくらいが違ってました(両手でいっぱいの距離を取って)
火花は散りあうようがありません それを認めるんです
この距離はかなり、かなり苦しいんです

もう少し易しい例を思い出しました
シャアがマスクをつけたキャラクターをした時に、本当にあの原稿を破り捨てようと思ったんです
だけど、この作品は子供に見せるマンガなんだからという理由につけて、あのキャラクターを我慢して認めた
で、その結果を認めれば30年に立ったら、このように税金を使って頂いて台湾に呼んで貰えるようになったのは、
とても幸せだなと感じます(みんな笑い)


追加3 作品を作る時に、商業的な妥協というのはあるでしょうか?
    (この質問は愚問だと言っていい ましてアニメ制作会社の社長さんの口から出ていればなお更だと思うが、
     これもウチのアニメ産業の問題ゆえのことでしょう)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:05:47.58:BCbr4wcr
もちろんしています たとえばガンダムでさえその妥協の産物です 大体僕はあの三原色で塗り分けられているガンダムなんて大嫌いです
物語を作る立場にいたときに、宇宙で使う兵器が、えっと、三原色を使うことは、ありえないです
全身白でなければ、今の技術でいえば、宇宙空間で使うということは実を言うとかなり危険なんです
それを承知しているのは僕の立場です
が、安彦は平気で色をつけます(みんな笑い) それで、平気で色を塗っていくんだけど、
安彦くんがスタッフにこのことについて聞かされた時に、スポンサーがなんとしても「三原色を使え!」と言ってきた時に関して、
だったらこういう塗り分けしかないだろうという戦いは、彼がやってくれたわけです

それで、もっと商業的な妥協といえば、30年前ガンダムのキャラクターでさえ、線が多いといって、アニメーターから毎日毎日毎日毎日やられてました
だけど、15年前にすると、倍くらいのキャラクターを平気で動かすアニメーターが出てくるです
で、実際に、あのー、ガンプラと言われている分野の、形だったり、色だったりを見た通り、時にとても素敵なガンプラも出てくれば、
とても劣悪なガンプラも出てくるということが、本当にぐちゃぐちゃになってしまうっていうのがそれは世の中ですから、
そういうものに対していちいちいちいち腹立っていたら、こちらが死にますから、腹を立てないで努力してください
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:02.92:BCbr4wcr
249 名前:胎動編(6)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:44:11 ID:???
追加4 アニメのキャラを作る時に、実在のモデルはあるでしょうか?

えっと、質問の本当の意味が分かりません ただ、アニメという絵を使ってる物語には、基本的にフィクションで、
全部がフィクションであろうほうが理想的だというふうに思っています
ある性格的な面が、モデルがあったりするということは当然あります それは、性格を表現するという、劇を作るための姿勢
ただこのテーマについてこれ以上今ここでお話し続ける気はありません ちょっと時間がかかると思います


質問5 台湾のアニメ産業はご存知の通り長い間でずっと下請けがメインですから、作品そのものを商品化する、
    あるいはグッズを売るという日本みたいに成熟の概念を持つようになったのはついここ数年のことです
    で、監督から見れば、果たして台湾のオリジナルコンテンツを作ることはあり得るでしょうか?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:06.76:BCbr4wcr
成熟していた結果というのは、すでに日本であらわれているわけで、それはもう、だらしのない作品のオンパレードになってしまったわけです
ですから、日本に学ぶべきはもうあるとは思いません そして発展中の、新興の環境では実を言うと、学ぶべきものはないわけです
ところが、そこで何かを作ろうと思っている人たちは、実を言うと、学ぶべきものはないために、緊張感があります
その緊張感こそ、作品を作る一番重要なことですから、“範”を求める必要はないと思っています

具体的な例を一つだけ申し上げますと、概ねの映画監督の作品が処女作がかなりいいけれども、
その後の作品が処女作を越えるモノがほとんどないという事例でも分かるとおり、前例に倣うという必要はあまりないと思います
モノを作るというのはそういう意味ではかなり厳しい!ものだというふうに思っています
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:18.17:BCbr4wcr
250 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:49:18 ID:???
  ふう...しばしここまでか
  あと1/25の講演のヤツもやりたいが、上の  >137はかなり詳しいから、
  講演の部分についてはあくまで補足だけをするつもりです

251 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:50:24 ID:???
  おつかれです
  おもしろい!

252 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:52:14 ID:???
  乙!
  すごいな

253 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:55:48 ID:???
  乙
  御大の喋り方にそっくりだよ

254 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 00:55:56 ID:???
  お疲れ様ですw ありがとう!

  こんな質問の流れの中で、新作は・・・という話にはならないなw

255 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:01:50 ID:???
  >253
  ほとんど御禿の肉声に沿った文字起こしですから

  >251
  ここまで半分ですよ?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:26.03:BCbr4wcr
256 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:04:04 ID:???
  いやトミノのしゃべりはこんなわかり易くないだろ
  かなり意訳しているはず

257 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:06:13 ID:???
  乙です。

  確かに日本のマンガ、アニメはもう成熟しきってるから、
  これからブレイクスルーな作品が出てくることは難しい。無いことはないだろうけど。
  かといって日本を越えるマンガ、アニメ大国ってのが出てくるとも思えん。
  少なくとも今の世界じゃな。

258 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:07:58 ID:???
  (´・ω・)台湾の人乙です。まんま富野の口調ですね。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:36.23:BCbr4wcr
259 名前:胎動編(7)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:10:26 ID:???
質問6 監督はご著書「∀の癒し」の中で人間のセックスには、オスとメスが同居していると仰ったんです
    いわゆる男性の女性性というのは、「∀ガンダム」のロランの中で少し覗けるような気がしますが、
    その女性の男性性について、監督はどう表現するのでしょうか?

ものすごく簡単な答えしかありません 女は男を支配しているという現実があるわけですから、あの女の子はホント女ですか?
支配というスキルを持ってることは、実を言うと、今まで男が持つことで、極めて男なスキルだと思います
ですから、そのスキル今持つようになった女というのは、果たして女と言えるでしょうか?

えっと、ご質問の意図がこの回答にないことは十分承知しております あのー、質問の趣旨に近い回答でいえば、∀の中、∀ガンダムの中のロランが描いたこと、
まったく同質の部分における女性性の中にまったく同じように同居してると思いますので、実を言うと、あのー、答える必要ないと思っている質問です
そういう意味では、あのー、我々は純粋に、あのー、オスとかメスに完全に分化している人という、
ピュアな!分化をしているキャラクターのほうが少ないのではないかと思っています
というのは、年を取れば取るほど実感しています


ここまで用意してあった質問は全部済ませたので、(観客による)追加戦に入ります


追加5 どういう経緯でガンダムを作りたくなるのですか?
    (この人はガンダムファンでもない富野の名でも知らない一般なノミネートされた人らしい)

すみません、特にお話するような話はありません あくまでもおもちゃ屋さんが、テレビのスポンサーになれるように成長して遂げるからです
人型の巨大ロボットの物語を作ってくれという時代が、この30年前にあって、そして僕はたまたま3本目の、ガンダムという企画ができたので、
少しSF的に、映画になるような作品を作りたいなというふうに思って、
おもちゃ屋さんの要請を多少外れるような物語であってもやってみたいということでガンダムを作りました
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:42.90:BCbr4wcr
えー、ですから今の事例で実は分かり頂きたいことがあります 自分自身が作りたい作品ではなかった、
その時代の要請を受けて、それの上で自分のやりたいものを重ねてきてという作品を作ること
つまり、どういうことかと言いますと、芸術者というのは、絶えず見えない明日に向かって、何かのリアクションを持てるだけのこと

言ってしまえば、アイデアを蓄えて修業を続けて、あとはチャンスを待つしかない
つまり、こういうことです よっぽと才能ある人でない限り、出資者に出会うことができないことです
この3年間日本の文部省の下にある文化庁主催のメディア芸術祭の審査委員をやってる時もそう思ったが、現れる才能というのはかなり若い年から現れる
現れない我々のようなスタッフがオファーが来るまでアイデアを蓄えるという、ようするに、我慢し続けるしかない我々の立場はこういうものだと思っています
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:52.17:BCbr4wcr
260 名前:胎動編(8)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:17:33 ID:???
追加6 ユーチューブみたいなものは誰も見てないと仰ったが、日本ではニコニコというユーチューブと似てるサイトがあります
    これはさらに字幕の機能が追加してて、とても生き生きしています
    僕の観察では、ニコニコではたくさん”クリエイター”がいて、ユーチューブもそうですけど、その中には色んなアイデアが擦り合って、
    たとえばニコニコではロックマンという作品の中のBGMが改編されて、コミケで売られるようにもなった
    僕はその中では商業の価値がある!と見出したけど、果たしてアニメやゲームの製作者がこれらの中で良い未来を築けるでしょうか?
    (これはあるゆとり君による質問です。ゆとりを貶して申し訳ないが、この形容詞しか思いつきません)

もちろん新しい媒体が出てるという意味が、その部分に当然います 一人もいないとは思いません
そして、今仰るような現象が現れていることも承知しております
大事なことはこういうことです
皆さん方いまが作れた作品か発表されているプラットホーム、あれはもう結果論でしかない

映像で何かをやるかというと、つまりエンターテイメントとしてやって見せるのか、学術的に正確な表現というものを貫こうとするのか、
それから政治的なプロパガンダを正確的に与えるためのモノを映像戦を見せるのかということです
そして、今ニコニコを含めてユーチューブの上で作れた作品で、それなりに認知をされているというものが、20年後でも認知されるのか?

つまり、自分の作家性とか自分の思いを世間に向かって、普通の人々に向かってどれだけ伝えたいのか伝えたくないのか、志をどれだけ高く持ってるのかということ
おそらく、今崇められる短編な作品もしくは今圧倒的に売れている歌曲、なんでもいいですが、思い出してください
20年間語り継がれるような作品であるものはどれだけあったのか?
それから、今の皆さん方が次の20年、3...50年に向かって、語れる作品を作りたい!!!と思うのか、とりあえず今の気休めの作品を作りたいのか、
これらの違いというのは、作るべき作品の形を変えていきます
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:06:58.78:BCbr4wcr
そういう意味では、ネット社会の問題は一つだけ皆さん方に覚えといていただきたいことがあります
たかが...グーグルでさえ9年目(10年目?)ですが、ユーチューブは何年ですか?
ということでは、お分かりになるとおり、それは全人生を賭ける媒体になっているんだろうか?
当然、明日のことは分かりませんから、ユーチューブの中で、ニコニコ動画の中で生きる選択も当然あります
ですから、それが悪いこととは言いませんが、先ほど言ったとおりです それは現在まで現れている結果!なんです
皆さん方、ここにいる皆さん方が現在が結果だけ追っていくようなスタッフだ、と、は、思えません

できれば、アジア系からグーグルとウィキペディアを潰すようなソフトを植えられていただきたいというのは、
アジア人の一員である僕の、これは、あのー、願いです
この産業革命以来300年、もういい加減そろそろ白人たちを黙らせて、私たちのものを作るとは思いませんか?という、これも志だと思います
それで、もうお分かり通り、台湾の人は大陸との関係も同じとおりです アイツらを黙らすために、戦争なんかやらないですもん
特に、今ネットが持っている価値そしてスキル、どういう風に使っていたら
結果を出すのか、ホントにこれは僕からの願いです
そして、今の日本はちょっと堕落しすぎていますので、東京に任せられないというのが東京人の僕の実感でもありますので皆さん方に願いしたいです。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:07:10.60:BCbr4wcr
261 名前:胎動編(9)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:21:45 ID:???
追加7 台湾は海島国家で熱情や生命力溢れている土地で、町中で走ってる車を見ても分かるとおり、
    実にエネルギーいっぱいの人たちなんです 特にこの場はたくさんの若いクリエイターたちがいて、
    何か作品に通して伝えたいことを表現したいにもかかわらず、独立製作や弱小スタジオのために、その製作規模はやはり限られています
    いったいどういう形や方法に通して自分の表現したいモノをより成熟かつ完成的になれるでしょうか?

それは答えられません 答えられるんならば、自分がとっくにやっていたと思います
映像の仕事が面倒くさいことが、組織を作ってなければ、組織を経営しなければ、作品は作れない
組織が経営されていく上で、作品が出来上がっていく

それで、作品というのは実を言うと、組織で絶対に作れないです
スタジオワークということを言いました 当然、何人かの才能が一緒になって、作っているというふうを考えるときに、それもいいでしょうが、
究極的なところで言えば、やはり一人の優れた才能がコアになければなりません
ところが、この才能と組織はどうしでも、どうしでもいい形で、経営されることが少ない!

日本で成功例があります
スタジオジブリの仕事で、クリエイターである宮崎駿監督と、それから製作者である鈴木プロデューサー
まさにその両輪の組み合わせで、この十数年をやって来れました
直接お二方からお話を聞いたわけではないんですが、あのー、この1、2年間、これから十年ジブリは持つかどうかということについて、
大変厳しいと思ってる風聞も多少お聞きました
つまり、宮崎作品程度に固有な作品を作ったにしても、グーグルに勝てないです
そして、できたらアニメ作品というのが、CG作品というのが、映画というのが、ただ一ソフトで世界制覇というのが、たとえばスピルバーグ監督でさえできるとは思えません
ですから、今とても無理だよとても無理だよっていう話をしているんですが、一つだけ聞き逃していきたくない視点があります
お隣、皆様方のお隣に、宮崎・鈴木のようなパートナーを組めるような人があったら、ジブリくらいは簡単になれるんだよ、2、3年ちょっとで
少なくとも、映像作品を作って、ビジネスをやってることでいえば、ジブリ程度の成功が、それほどひどいものだと思えない
まして、ジブリのようなプロダクションがもし二つ三つができたら、おそらく、たとえば台湾でできたら、かなり大きいなパワーになることは事実だと思います

そういう意味では、今この台湾で、このような皆さんがこういうふうに一つの場所にいられるということはきわめて象徴的なことだと思います
さっきのジブリの話でも、後ろ向きで捉えていただきたくはない
(続く)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:07:18.94:BCbr4wcr
262 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:27:45 ID:???
  ああーすげー
  涙出かけた、てか出た
  これが富野だよなぁ

263 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:30:10 ID:???
  ゆとりに対する回答が良いなぁw

264 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:33:17 ID:???
  >>言ってしまえば、アイデアを蓄えて修業を続けて、あとはチャンスを待つしかない
  つまり、こういうことです よっぽと才能ある人でない限り、
  出資者に出会うことができないことです
  この3年間日本の文部省の下にある文化庁主催のメディア芸術祭の審査委員を
  やってる時もそう思ったが、現れる才能というのはかなり若い年から現れる
  現れない我々のようなスタッフがオファーが来るまでアイデアを蓄えるという、
  ようするに、我慢し続けるしかない我々の立場はこういうものだと思っています

  ここいいなあ。宮崎駿が本で書いてたことと同じだな。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:08:53.92:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:09:13.33:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:09:17.26:BCbr4wcr
265 名前:胎動編(10)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:35:47 ID:???
(上に続く)
(ちなみに、追加7の質問はまた社長さんの番です)

重要なのは、さっきほどの初めての質問で答えるとおりです
このジャンルで一番増えたのは、実を言うと、どうしでも描きに興味が行ってしまう自分の性癖というものを治して、
つまり動く絵を使って、イメージを使って、作品を作るというのはどういうことかという本当の意味が分かってくれる人が、
そうですね、3人出てくれば、ジブリは3つ作れるわけですから、そういう勉強をして頂きたい
そしてそれは天才でなくてもできるはずなんです
(ごめんなさい、この段だけはどうしでも纏まらなかったので、監督が言ってたままで書かざるを得なかった)

ちょっと前の話に戻して、一番前の映像作品を作る時の価値になるモノのことをもう一度話させてください
文学的な素養と、演劇的な素養と、それに音楽的な素養のことも当然入りますが、
皆様方が絵柄を拘ると同じように音楽を意識すぎるからあえて避けています
ですから、文学的のことと、演劇的の素養というものを身につけてくださいという言い方をします
一つ間違って困ることがあるというのは、専門家を呼べばいいと思うかもしれませんが、専門家を絶対!!呼んではいけません
どうしでかと言いますと、文学に傾倒しすぎている人が作る映画というのはどういう失敗をしてるのか、映画史はもう繰り返しました
それから、演劇人が作る映画というのは、果たしてどれだけ売れるのか?それらは例え名作といわれてもヒットしないこの事例も本当に多いです
それから、この十年で知ったことでありますが、パソコンの業界で辞書を編纂するという仕事を、一番初めに辞書編纂をするとか、
漢字の先生を連れてくるようなことで、辞書を編纂したんです それが、今皆様方が電子辞書を見ているソフトは、専門家が入ってないそうです
全部パソコン屋がやっています(ここ通訳さんはハイテク技術者と訳するってのはちょっと笑える)
そういう意味で、動く画像の演劇性、文学性を僕も要求はしますけれども、そこで偏ってしまった作り方をした瞬間に、
映画にもならなければアニメにもならない どこでもない芸術作品が出来上がります その無駄な参与だけはしないように気をつけてください
どういうことかというと、動く映像を使わせているのがこういうことです
文学と演劇と、それから映画を作りたい、映画的なことが好きだという3つの要素の真ん中に!置ける才能というのをディレクターに持ってこなければいけないってこと
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:09:26.30:BCbr4wcr
もしそういうことができるとなると、ユーチューブで公開してるよりも一般公開したくなる
何としでも映画館で放映したくなるような作品が作れるようになります それは保障します
そういう意味では、一般公開できるのはライブみたいなものです パソコンのモニターで見てるよりも気持ちよくなる
ライブの気持ちがいいですよ これは本当経験してください
そして、おそらく、当たり前の人だったら、ライブ感覚というのはとても好きなはずです

(ここで通訳さんはちょっと”ライブ感覚”を”映画館で映画を見る快感”と誤解してるようで、御大と耳打ち)
それもそうですけど、あのー、本当は、えっとー、まあ、映画館で見るのを言っていいんです
(ちょっと補足しますと、御大が言ってるライブ感覚というのは、おそらく作り手と観客の交流を含めてもっと皮膚感覚的なことだと思う)

(続く...)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:10:03.14:BCbr4wcr
266 名前:胎動編(11)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:37:32 ID:???
で、そういう時に、つまり初日は必ず舞台に出て、観客に必ず挨拶してください
そのライブ感覚は、よほど、よほど変な人でない限り、みんな好きなんですよ
で、その理由がご存知ですか?
(ここで観客に問いかける)
(社長さん:それは評価されるからですか?)
いや、そんな難しいことじゃない!
みんなが僕、私を見てくれるというだけで、私は気持ちがいいもん
そういう意味では、この理由があります つまり、人間というのが社会的な動物だからです
そういうことでは、社会的な動物である前に動物であるために、同種類の動物の、つまり、接触がセクハラにならない限り、迫りあってってのは気持ちがいい
で、その理由があるんですよ その理由、も、あるんですよ
はい、どういう理由だ?
それは時々皆様方は若いうちは見逃すんです
我々は生まれるまではお母さんのお腹の中にず〜といるんです だから同属のお肌の触れ合いが嫌いわけがない
それを嫌うようになったら、警戒するようになったものは、セクハラという言葉を覚えたり、敵か嫌いな奴という言い方も出てくる
そして、今お話していることは、ぼくは上手にお話できたと思います
ドラマを作る核というのはここにあります
物語の核にいつもこれを置いとけば、普通の人と、かなり!かなり変なルックスを持ったフィルムでも、人々がきっと見てくれます
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:10:21.07:BCbr4wcr
267 名前:胎動編(12)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:45:15 ID:???
追加8 アニメ演出家である同時に小説家、作詞家でもある富野監督が、
    自分のその小説家と作詞家の一面を意識したことがありますか?
    (これは最後の質問になります。ここで手を挙げたのは僕なんですが、当然一番聞きたいのは
    新作の話なのですが、マイクを取った瞬間、突然御禿と50人のプレッシャーに負けてチキンしちゃって、
    ついに新作の話を聞けなかった ごめんなさい 自分もかなりショポンしてる...orz)

それほど明確な、色を出してるという、あのー、自信がありません だけど、こういうことを気をつけることがあります
作詞ということ、それから小説を書くということ、それからアニメを演出すること、実はこの3つは根本的に媒体が違います
そうすると、媒体の、つまり伝える方法は根本的違うならば、その媒体の違いにあわせた表現をしたいというふうに意識するだけです

一見これは当たり前の考え方なんですが、この十...んー、まー、あの、これを一緒にする人がいます
どういう一緒にするかというと、自分の作品の、たとえば、タイトルが先にある、内容が先にあるために、小説にしようが、アニメにしようが、詞を描く上であろうが、
同じ形でなければならないと思い込みすぎている作家というのはかなりいるんです

で、いま一般論的にこういう言い方をすると、おそらく皆さん方が想像付かないです 媒体が違うんだから、表現が違ってきたというのは当たり前だというふうに思うわけです
だけども、繰り返しますが、自分が作り手になったときに、アニメも小説も詞も同じにしたいという欲望!欲!は間違いなく働いてます
それで、僕自身はガンダムをやり、30年前からそういう現象があることも知っていましたから、それを使い分ける努力をしました
どころが、最近そういう意味でいう具体的に悪い例がまた知りまして、本当にガツンとしています
日本の漫画家、日本の漫画雑誌編集者が、ついにアニメのプロデューサーにこういうことを言うようになりました
「この漫画家のコマ割りはアニメになったときのカット割りを想像しているので、カット割りを変更しては困る!」という、この二年くらい顕著になってきたのです

今、この中で3分の1くらい(の人)がこの意味を分かっていないようですが、その意味は説明しません
もう媒体が違う!!漫画とアニメの媒体が違うんだから、そんなことはありえないんです!ありえないんです!
ついに、東京で漫画雑誌専門の編集者がついにそういうことを言うようになってきたというのは、この2、3年です その2年以来かなり顕著です
こいつらもほとんど僕の立場で言えばキチガイみたいなもんで、あいつらをブチ殺せ!

(質問がすべて終わったあと)
どうも、本当にありがとうございました!
(最後は拍手の嵐の中、疾風のように去る御大)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:10:29.26:BCbr4wcr
268 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:46:52 ID:???
  これで全部です
  しかし、一時間のイベントでさえこの長さならば、2時間の講演になると...俺死ぬわ

269 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 01:48:59 ID:???
  おつかれさまです。
  日本のファンでもここまでやってくれる人は、滅多にいませんよ!
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:10:43.54:BCbr4wcr
171 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/27(日) 01:55:53 ID:???
ttp://gnn.gamer.com.tw/0/29210.html
これは見た?ちょっとした動画がある

431 名前:発動編…にはならない補足(1)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 23:15:38 ID:???
  1/25の講演の前に、>171の富野作品紹介映像が流された 
  監督とアアコさんも一番最初の列のVIP席に座って一緒に見た
  で、僕はちょっとした訳があって、そのVIP席にも座っていただいて、しかもなんと御大とアアコさんの隣に!
  なので、映像が流してる最中、僕は幸いにも監督とアアコさんを近く観察することできた
  そのときの状態についてちょっと紹介したいと思います

  で、>171で示したとおり、流す順番はトリトン〜ライディーン〜ザンボット3〜ダイターン3
  〜ガンダム〜イデオン〜ガンダムT〜ガンダムU〜ガンダムV〜IDEON〜ザブングル〜ダンバイン
  〜エルガイム〜Z〜ZZ〜逆シャア〜F91〜V〜ブレン〜地球光、月光蝶〜キンゲ
  〜リーン〜Z1、Z2、Z3なのですが、
  惜しいことに、ガーゼィはやっぱり黒歴史のままですし、ブレンの裸はやっぱり出てこない
  あと、各作品もわずか20秒くらいしか流されないから、
  オープニングのテンポの“妙”は観客に伝えられませんでした
  これは個人の一番残念でならないこと まあ、全部流したら30分以上もかかるからしかたないか

  で、映像開始
  始める頃、御大はずっと画面を見つめて、とても真剣な様子

  そして、アアコさんは何故かトリトン見て笑う 御大は何の表情もないのに…

  ザンボットもダイターンもガンダムもスルーした監督、IDEON見てちょっと微笑む
  そして、ザブングル〜ブレンまで二人ともまるで表情なし

  で、一方、観客の反応といえば、やっぱり”懐かしい”と”おお、これもか!”というのが多いらしい、
  僕の隣のアニメ関係者か政府のなに部長もちょっと感心してる様子

  突然、事態発生!!

432 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 23:20:00 ID:???
  何が発生したんだw
  続きwktk
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:10:50.90:BCbr4wcr
433 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 23:38:43 ID:???
  いったい何が起こったんだ?(((( ;゚Д゚)))ガクガクブルブル

434 名前:発動編…にはならない補足(2)[sage] 投稿日:2008/01/28(月) 23:41:07 ID:???
  この前に、先に>171の映像を見てください
  ブレンの後は∀ですが、これについて、御大は依然反応なし
  次は地球光と月光蝶、これらはAfter allで繋がっている
  次は当然キンゲです >190さんの言ったとおり、
  キンゲはやっぱり観客に大受け あちこちで笑い声が聞こえる

  でも、トミノの反応はそこから始まったのではなかった

  地球光でフラット降下、ロラン月に吼える、核爆、ディアナとキエル、
  そして月光蝶の宇宙戦もまったく反応しなかったトミノですが、
  キエルとハリーのキスシーンを見て、

  突然笑い始める それもいかにも照れくさい笑い方
  挙句に、手で顔を掩い、指の隙間から映像を見ながら笑う アアコさんはちょっと横目でトミノを無表情で見る

  さらにキンゲのモンキーダンスを見て、また大笑いをするトミノ
  今度はなんか何か可笑しいものでも見たような表情でアアコさんと共に笑う 実に微笑むシーンでした
  トミノのこの一面を見た後こそ、>148の言うことは初めて理解するようになる気がしてならない

435 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 00:00:00 ID:???
  >171の動画の中の、「コレだけがカッコイイと思うなぁ〜!!」のポーズって何のやつだっけ?

436 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 00:14:51 ID:???
  あと講演自体ですが、これは監督と通訳さんが別々話しているので、
  文字起こしはおそらく可能だと思います
  ですが、もう>137のようなとても詳細かつトミノ信者っぷりなレポートがあるから、
  ゆっくりやってて、またいつか書き込むつまりです
  今回はこのような拙いレポートを見てくださって真にありがとう 
  互いに助け合う心でまた何時か交流しましょう
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:11:06.66:BCbr4wcr
437 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 00:19:31 ID:???
  そんなところまで観察できるポジションに座れたとはうらやましい限りです

438 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 00:22:00 ID:???
  >435
  それは>152でも書いたとおり、
  「監督作品のオープニングの中で、いつも手を振るう仕舞があるのはどうしてですか?」
  に対する実演です
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:11:10.74:BCbr4wcr
439 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 00:43:07 ID:???
  >225
  >台湾の人のリーンの翼の捉え方ってどんな感じだろ?
  リーンのDVDはウチで売ってないので、概ねの人は大森氏のダムエー連載から(あとACE...)

  あと、ちょっと自分の意見を述べれば、
  >それから政治的なプロパガンダを正確的に与えるためのモノを映像戦を見せるのかということです
  にちょっとグッとした 最初に頭に浮かぶのはもちろんアレなんです(あるいは○BS粋)
  果たしてアレのことを言ってるかどうかは知りませんけど、
  政治的なプロパガンダをやってるアニメは記憶の限りではそんなにいないはず

  >この1、2年間、これから十年ジブリは持つかどうかということについて、
  >大変厳しいと思ってる風聞も多少お聞きました
  これも一見みんな知ってることですが、やっぱり業界の中でもそう思うらしいかな...?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:11:20.53:BCbr4wcr
461 名前:『だから僕は・・・』-アニメ新世紀宣言の篇-[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 10:09:00 ID:???
 名古屋、小田原に廻った日の二十一日ほど前の二月十日、
  『機動戦士ガンダム』の納品試写が築地の松竹本社の試写室で行われた。

 「違うな、ということがようかく分かりました。」

 試写の後、松竹の重役がそうおっしゃってくれた。
 その意味はこうだ。ロボット物、メカ物、アニメというひとつの固定概念からみたときに、『ガンダム』は違う、ということなのである。
 それがどう違うのかは人さまざまの捉え方があり、『ガンダム』で示した僕の方法論だって、違うといわれる部分の十分の一、百分の一しか捉えてはいまい。
 ただ、かすかに“違う““違った“ということを、この『ガンダム』というフィルムが内包していることは事実だろう。
 しかし、我々制作スタッフと、テレビで『ガンダム』を知り支援してくれたファンは、その違いを知っていたはずだ。
 若くて固定概念にとらわれない感性は、率直に『ガンダム』の核(コア)になる部分を見抜いてくれていた。そして、この映画化を現実のものしようと意図してくれた。
 そして、映画化というイベントがいま始まったのである。映画化というイベントが行われるとき、これは成功させなければならない。
 だが、興行は水ものであるといわれ、我々自身、映画化からどのような結果を得るとあ知らない。だから我々もアマチュアのように唯々諾々と映画化の
 事実だけを喜んでいられないのであった。『ガンダム』がやろうとしていることの、本当の意味は何なのか?
 制作した当事者たちは、僕を含めてよく分かってないのだ。ただ、僕が、『ガンダム』でやろうとしたことは、本当のドラマ作りを考えたということである。
 
 フィクション世界のオリジナルに挑戦してみた。だから、チビを相手にしなかった。多少、ドラマを知るべきヤングにターゲットをあてていた。
 過去にもいろいろなスタッフがそういう目的を設定してメカ物、ロボット物を創ってはきたが、世間は認めようとはしなかった。だから認めさせたいのだ。

 映画化に当って、日本サンライズに宣伝担当として助っ人にきてくれた野辺さんが、その僕らのスタッフの思いを端的に表現してくれた。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:11:29.67:BCbr4wcr
465 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 11:23:25 ID:???
 『だから僕は・・・』-アニメ新世紀宣言の篇-A

「それは間違いではないのです。ですからアニメ新世紀宣言なのです」

「なんだ?そりゃ?」

「ファンたけに、『ガンダム』を史っている人だけに知らしめるためにファンを動員するではないのです。ファンの力を借りるのです。
集まってもらう。それによってアニメが分化しはじめたということを、世間に知らしめるのです。そのためには、一度でよいのです。
イベントを仕掛けなければ、マすコミも世間も『ガンダム』を黙殺します。他のロボット物でドラマがあったことを認めさせた作品がありますか?
そのために宣伝担当として、新宿で新世紀宣言をやらせてもらいます。マイナー志向を主張なさるのは、ご自身が傷つくことを恐れているからだと思われます。
自身を持てとは申しませんが、『ガンダム』を成功させなければ、またアニメはチビの ものというレッテルを貼られます」

「仰々しいのよね、そんなの。実体のないイベントなんて罪悪です」
安彦君は、はっきりと怒っている。僕だってそうだ。だいたい本当のイベントを行うのなら、イベントらしい内容を持たせて、集まって
くれた人に対して損でなかった、きてよかったと思わせなければならない。

「中味なんてないんでしょう?せめて声優さんの全部を集めるとか、実物大のガンダムを動かしてみせるとかしてやらなくちゃ、イベントじゃあない」
「だいたい『ガンダム』は、イベントなんてものが必要な作品じゃあないんだ。作品がある。それだけでいいんだ」
僕と安彦君は抵抗した。

「承知しております。しかし、ファンが集まってくれるというだけよいのです。それがイベントそのものの内容です。ファンにはポスターをやるということで、
釣りました。申しわけないと思います。しかしです。これをやらなければ、世間は分かってくれません。マすコミはとり上げてくれません」
「大手新聞がとりあげてくれる動員数なんて不可能でしょ?」
「『ガンダム』は力をつけてございます。ファンは分かってます。集まってくれます」

野辺さんのいうことは分かる。しかし、そうなのか?そんなことのためにファンを使ってよいのか?

「『ガンダム』は押しつけのドラマではございません。受け手がいかに感じ、いかに考えてゆくかのドラマになっております。これは、私が宣伝を担当する
に当って、ビデオ・テープを拝見させていただきまして率直に感じたことであります。日本サンライズも、おふたり方も、いかように私を批難して
くださっても結構です。が、仕掛けなければ、ならんのです。将来のアニメのため、とあえて申しあげます」
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:11:44.66:BCbr4wcr
466 名前:『だから僕は・・・』-アニメ新世紀宣言の篇-B[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 11:26:00 ID:???
二月二十一日は大阪に呼ばれ、翌日の新宿での新世紀宣言のイベントのために羽田に帰ったのは夜の九時半頃か。 松竹の宣伝担当の大田さんの出迎えを受けた。
 
「新宿松竹の方に若い人が、三百人集まってくれてます」
 
「いまですか?」

「はい。ファンはスゴイです。分かってますよ」

そうかきてくれたか。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:05.99:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:09.53:BCbr4wcr
野辺さんのいった通りだ。となれば、僕はますます青くなった。ファンが集まってくれればくれるほど、実体のない舞台がどういうものか恐れるのだ。
申しわけないと思う。ホテルに直行した僕は、野辺さんから明日のスケジュールを聞くが、基本的に中味がない事については企画のときからかわって
はなかった。ことに、午前中の新宿松竹での舞台挨拶と試写会は良いとして、午後の新宿の東口広場で行う“新世紀宣言大会“なるものは、虚無に等しい。
そんなことに、小学生から中、高生、大学生やら一般の人までが集まってくれたとしたらどうするのだ? ファンがいる。
それによって力を示す。その力とは何か?こういった年代の受け手がアニメにいることの事実認識をさせることによって、将来、少しでも
アニメの分野を広げさせてゆかねばならない、という要求のデモ。 これは、一人の制作者、一人の演出家、一人のアニメーターでできるこではない。
そんなことを正面きってやれば、圧殺されるのが大人の世界なのである。それでは、新しい事象は芽吹かないのである。だからといって....
そのために僕に何ができるのだ?これらファンの代弁者として、本当のことをいってゆくしかない。それが一番正しいのならばピエロをやろうと決心したのである。
他に中味はない。いくらきらびやかに舞台を飾っても、もしそれがすべて擬似イベントなら虚しいだろう。しかし、ポスターに釣られただけで集まったは
しない。ことに徹夜覚悟のファン、熊本、鹿児島、長崎からきてくれたファンが、たかが一枚のポスターに釣られてくるものか。
ファン一人一人の胸のなかにある主張、何かをいいたいのだけれど、どういってよいのか分からない。どこに向かっていったらよいか分からない、
そんな “つかえてもの“を腹に、胸に持った若者たちだから集まってくれるのだ。そんなものがない人は集まりはしない。ならば、そこでの当事者たる僕は、
本当の事を言って、それが少しでも大人たちの耳に聞こえるようにわめけばよいのではないか?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:26.13:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:31.62:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:35.34:BCbr4wcr
二月二十一日午前七時には、東口広場からの列は大カードに至ったという。二千人はいよう。午後一時開始の“大会“のために、である。
僕はますます確信する。大人たちからにわまれて、場合によっては仕事からスポイルされるかも知れぬ。しかし、本当の事を話そう、と思いつつホテルから
新宿松竹へと向かった。しかし、仕事をスポイルされた時、僕は亜阿子と二人の娘をどうやって食べさせていけるか分からなかった。そんな不安が脳裏をよぎった。
テレビ・アニメあっての生活である。映画は一回限り。やとわれ監督が一生食べられるだけのギャラをもらえるわけではない。印税が入るといったって、
朝日ソノラマ版の『ガンダム』だけである。五年も十年も食べられるわけでないのだ。生きているという事は、一生の事なのである。何年分の一生なのか?
子供が一人前になって、結婚するまで最低二十年か?建て前だけしゃべっている方が、生活する上では無難なのだ。本当のことをいうと傷つき、腹を立てられ、
怒りを買う。口を封じられるかも知れない。もう中年の僕が、まだ白山中学校のときの風紀委員みたいでよいのだろうか?本当のことを言うということは、
大人の世界では分別のない言動といわれる事も多々ある。しかし、事実、若者が集まってくれている。その若者たちが集まったという本当の意味を把握してもらう
ためには本当のことをいうしかない。だから、まず、僕は新宿松竹で言った。

「君たちには申しわけないが、ダミーなのだ。我々になにもできないから、集まってもらった。そして、この人の数が何を訴えかけているのかを、大人たちに
分かってもらうためには集まってもらうしかなかったのだ。本当は『ガンダム』のことではないのだ、いいたいのは。が、ともかく、今日は『ガンダム』
の名のもとに若者が集まった。一体『ガンダム』ってアニメはなんなのだと大人たちが思い、一度でいい、『ガンダム』を観ることによっていまのヤングが、
ティーンエイジャーが、いかに真面目に物事を把え、考えているか知ってもらわなければならないのだ。」

そんなことをしゃべった。しゃべりながら、上手にしゃべれないものだと歯がみし、もっとアピールしたいと部分がありながら
言葉にならないもどかしさが口惜しかった。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:45.80:BCbr4wcr
467 名前:『だから僕は・・・』-アニメ新世紀宣言の篇-C[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 11:26:59 ID:???
そして・・・。
新宿駅の東口。十二時二十五分に僕は司会のチャコ(白石冬美)さんと入った。地下道を抜けて舞台近くに出る。
一万五千人という。実数はわからないが、少なくとも一万枚のポスターが午前十時すぎになくなり、舞台直前の人垣が揺れて、主催者たちが青くなって叫んだ。

「繰り上げよう。一人でもケガ人が出たら、警察が入って散会させられる」

それは事実なのだ。
だいたい新宿駅周辺は、一九六〇年代の安保闘争以来集会は禁じられている。僕は漠然と官憲の弾圧という言葉を思いうかべつつ、アニメという低俗な文化活動の
一環(一般の大人たちはそう思ってる)としてのこの集まりに、国家権力の介入の隙を作らせてはならないと本能的に思った。ひとつの人の波が大きく揺れて、
五、六人の骨折者を出せば、以後の集会は“危険なもの“として散会を命ぜられるだろう。社会とはそういうものだ。主催の責任者の首もとぼう。

「動くな!ケガ人を出しちゃあならない」

僕は予定を三十分くり上げて、十二時三十分に舞台に立った。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:12:52.92:BCbr4wcr
一万人が狭い所に集まったことによって、イベントは成立したのである。あとはいかに一時間ほどのあいだこの事実を定着させて、事実としての認識を大人たちに示すか
どうかにかかっているのである。アニメは今、ティーンエイジャーの支持が発生しつつあるのだということを示すために・・・・・。
警察が入ったら、イベントは社会的事件となって弾劾されるのである。その紙一重の瞬間に、人を集めたことの行為と発想の意味が変わる。つまり、あのとき五、六人の
負傷者が出てしまったら・・・・・・・。

“アニメ・フィーバー、ここまで至る!重軽傷続出。過激なアニメ宣言戦争のいけにえにされた若者たち!“

こうなって活字化され、その瞬間から『ガンダム』は、事件の首謀者として叩かれるのである。そのときは、大半の新聞は大々的もとりあげよう。
それは宣伝になっていい?冗談ではない。文化の目指す方向は、事件の積みあげではない。だからこそ、一般に分かりにくいのである。新しい文化現象が確実に開花しつつ
あるという事を知らしめる為には、地道に活動し、働きかける以外ないのである。その為には、時には力として、形ちして示す必要があっても、事件にしてはならないのだ。

行く末は・・・・・・・?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:13:13.44:BCbr4wcr
文化という言葉は、アニメにとっては仰々しく聞こえ、気恥ずかしい。しかし、映画だってそうではなかったのか?その発生のときはくだらないもので、科学の好奇心を満たす
だけのマジックであった。それがいつか記録性を持ち、ドラマ世界を創り、ピンク映画から学術映画、幼児物、漫画等々と分化して、映画を創るという行為を破廉恥なことと
いう人はいなくなった。漫画だってそうだ。戦後三十五年、いまは大人向けの漫画雑誌まであって、漫画という言葉を超越するような作品がその地歩を築いてきた。
コミックスの読者の年齢は四十歳までにあがっているのである。映画にしろ漫画にしろ、これらが文化的行為でなくてなんであろう。
テレビ・アニメによって育てられたアニメもいつしか十八年。いつのまにかアニメという言葉が定着して、漫画映画と呼ばれなくなった。名作物といわれるアニメが、“漫画“で
はあるまい?昔話的な作品が“漫画“ではあるまい?まして、メカ物が漫画なのか?そうはいいきれまい?アニメは漫画。漫画は幼児の物。そして低俗。すでにそんなふうに
考える時代は終わりつつある。アニメのなかにはいろいろなジャンルが発生しはじめて、分化が始まっているのである。にもかかわらず、大人たちのなかには未だ『ガンダム』
のイベントに対して“チビッ子“が集まったと報道する部分が存在するのである。それは、制作者たちの集団の中にもいる。大人という種族こそ、硬直化した思考の持主たち
といえるから・・・・・・・。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:13:25.02:BCbr4wcr
468 名前:『だから僕は・・・』-アニメ新世紀宣言の篇-D[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 11:27:42 ID:???
事実を見せられても分からない人々がいるのは仕方のないことなのだ。だからといって口をつぐんではいられない。それは、人にとって不幸なこと、危険なことと
思えるからだ。だから、僕はなりふりかまわず、信じてきたことをやろうとした。スポイルされるかも知れぬという不安をいつもかかえながらも、与えられた場を、
与えられたチャンスを、最大限に利用させてもらおうと試みるようになってきた。殊に、『ガンダム』によって・・・・・。
それが一体、なんのためだったのかは知らない。妻子を養うためとは断定できない。亜阿子と二人の娘には申しわけないが、そんなもののためではない。
では、なんのために?分からない。が、ひとついえることがある。自分の生きてきた道程で、それぞれの人たちの生き方を見せてもらった。
それらの人々が必死で生きながら、みんな何かを求めていて、求めきらないようにみえる。人の生とはそんなものなのかも知れぬ、と思う。
ならば、僕に何ができる、というのではない。諸君たちの行動が示してくれた力をも含めて、人は一人一人、大きく生きたいと願っているのだろう。
人は率直に認め合ってゆきたいと欲求しているのだ。にもかかわらず、人の悟性と感性はそんな本能的な率直さを忘れさせる。我があるからだろうな、きっと・・・・・。
それは、人の辛さだ。

だから、いつの日か、たとえそのとき僕が敗残者になっても、辛さのなかにも“生きてきた“という実感を得たいと思ったのだ。
そのためには時は、ピエロもやってみようと思うのだ。しかし、そういう僕も、決して、理想を抱いてアニメの世界に入ったのでもない。
ただ成り行きだけで、アニメをやった、やらせてもらった、というのが正しい。

故郷を忘れ、捨てたい、という衝動をたえず抱きながら・・・・・・・。

それが僕だった。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:13:34.43:BCbr4wcr
478 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 17:41:58 ID:???
富野氏にとって、「100万人に伝わる表現方法」が“ロボット物”というジャンルだった。
ロボット物という手法の上に、自分が求める人間性を求める物語要素やテーマを少し加える
という形で表現していった。自分が求める映画表現への想いやテーマ、物語をそのまま
出していたら、今、台湾まで私の名前が伝わると言うことは“絶っっ対”になかった」と、
富野氏は“絶対”というところを体を折り曲げるほど力を入れて主張する。

どのようなツール、手法を使っても、100万人に通じる、世界が、人類が興味を持って
もらえる所にピンポイントで合致すれば、100年でも1000年でも作品は生き残る。
「僕がロボット物を利用したように、ゲーム的なもの、インターネット的なものを
ツールとして利用してください」と富野氏は会場を見わたし話しかけた。

「雑誌のインタビューなどで知っていると思いますが、僕はあまり『ロボットもの』
というものが好きではない。だけど、“鋼弾之父”と紹介されると、感動してしまう。
この監督はホントにロボットものが好きだよねえと(他人事のように)感動してしまう。
だけど基本的には、嫌いです」。矛盾していながらも富野氏のキャラクタと人物像が
伝わる。微妙なニュアンスが楽しい富野氏の言葉だ。

「我々は生き物なので、デジタルに屈服せずに、デジタル的なものを全て拒否していただきたい
という根本的な想いがある。しかし住みやすい土地ではなかった所で生まれた一神教が
もたらした文化としてデジタルという文化も“やむなし”と思うところもある。
我々多神教のアジアの人間は、二元論の文化に寛容でなくてはならないと思っている」と、
再びエキセントリックな言葉で富野氏はカルチャミックスに話を戻し、
そして“台湾”に住む来場者へと主題を向けていく。

台湾は豊かで寛容なアジア的基盤の上に、多様な文化や政治が流れ込む、特異な体験を
している人々が住む土地だ。日本は文化として“爛熟”しまっていている。爛熟した文化は
これから100年、厳しくなる地球環境の上で人類がどう生き残るかという命題に直面する
時代において評価されにくい。その点極めて現実的な問題に直面し続けている台湾の人々が
発信するコンテンツこそ、これからの時代の“指針”になるのではないか。富野氏の言葉に、
会場はしんと静まりかえった。次の瞬間富野氏は「基調講演はここまでで、質問に移りたい
と思います」と、極めて重いテーマを来場者に投げかけてマイクを置いた。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:15.13:BCbr4wcr
477 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 17:41:27 ID:???
■ 宗教観や人類の未来からケータイ小説までスケールと話題が交錯しつつ提示されていく“もの作り”

いきなりテーマを変更するという言葉で会場にインパクトを与えた富野氏は、その流れのまま
「アニメや漫画、ゲームに限らず情報やデジタルで、コンピュータで発信されるもの、
西洋文化から生み出されたこれらのもので、我々はこれからも創作活動やビジネスなど
様々なことをしなくてはならない。我々はこうした1と0、善と悪、二元論がはっきりした
欧米の一神教世界を、アジアの多神教世界に重ね合わして行かなくてはいけない、
と感じました」と語った。

富野氏の言葉は、宗教や資本主義社会、クリエイター、作品の作り方、浮世絵から見える
歌麿のすごさや、大陸からの文化の繋がりなど様々な例にジャンプしながら、
「どのように作品を作っていくか」への模索へと話を進めていく。「最初期のアニメは
低俗な人々が作っていた」、「深夜アニメは自分の主張を聞いてもらいたいために作る
日記のようなものだからつまらない」など過激な言葉を随所に織り交ぜていった。

通訳に「直訳してください」と念を押す所など、自分の過激な言葉を楽しみながら、
それでも会場を見回し、真摯な態度で語りかけていく。基本的には強くテーマを模索する
富野氏の言葉に会場はぐいぐいと引き込まれていった。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:29.12:BCbr4wcr
「自分の好きな物を自由に取り込んでいくことで魅力的な作品を生み出したアニメ業界は、
組織が大きくなったり、社会に認識されることで、才能が集まり、競争が激化していく。
その中で“天才ではなく普通の人”がどう生き残っていくのか、そこに『カルチャミックス』
の意味が見えてくる」と、富野氏は語る。若いクリエイターの作品を見ていく上で
「自分の生まれ育った文化を改めて見つめ直すことはとても難しく、それを自分の
オリジナルとして作品の中に昇華させていくことはさらに難しい」という。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:33.01:BCbr4wcr
自分たちの文化のどこが優れていて、オリジナリティを見いだすためには「自分が考えた
このカッコイイ構図は自分のオリジナルの物だ」という考え方は捨て、自分の後も連綿と
続いていく“その次”を考えて作品を作っていくことだという。その姿勢こそが続いていく
作品を生み出す。その上で富野氏は、「Taipei Game Show 2008の出展者や、作品、来場者、
“ヘソ出しのコンパニオンのお姉さん”を見て、台湾ではカルチャミックスは
しっかり進んでいると感じた」という。

ここから富野氏の話は「もの作り」へフォーカスを合わせていく。ものを作る上で我々は
何をしていかなくてはいけないか。自分は何を問いかけ、自己を主張したいか。自分の
心からの叫び、自分固有だと考える気持ちをそのまま作品に作り上げることができるような、
“日記風”のコンテンツを作品にすることができるのは限られた天才しかできない。

「ケータイ小説」や「Youtube」作品から大ヒットに繋がった作品はあるが、それは
ツールがメジャーになる過程で天才が作品を生み出したと言うだけで、ツールを使う
全ての人が作る日記的コンテンツが全て高い評価を受けるわけでは決してない。

「我々が作品を作る上、技能を行使する上で必要なのは、『わかって欲しい』と思うこと
ではないでしょうか」と富野氏は会場に語りかける。日記風作品は限られた3人の人には
伝わるかもしれないけれど、1万人、100万人の人には伝わらない。100万人に通じる
言葉の使い方、表現をしなくては自分の主張は、作品は絶対に伝わることはないという。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:41.61:BCbr4wcr
478 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 17:41:58 ID:???
富野氏にとって、「100万人に伝わる表現方法」が“ロボット物”というジャンルだった。
ロボット物という手法の上に、自分が求める人間性を求める物語要素やテーマを少し加える
という形で表現していった。自分が求める映画表現への想いやテーマ、物語をそのまま
出していたら、今、台湾まで私の名前が伝わると言うことは“絶っっ対”になかった」と、
富野氏は“絶対”というところを体を折り曲げるほど力を入れて主張する。

どのようなツール、手法を使っても、100万人に通じる、世界が、人類が興味を持って
もらえる所にピンポイントで合致すれば、100年でも1000年でも作品は生き残る。
「僕がロボット物を利用したように、ゲーム的なもの、インターネット的なものを
ツールとして利用してください」と富野氏は会場を見わたし話しかけた。

「雑誌のインタビューなどで知っていると思いますが、僕はあまり『ロボットもの』
というものが好きではない。だけど、“鋼弾之父”と紹介されると、感動してしまう。
この監督はホントにロボットものが好きだよねえと(他人事のように)感動してしまう。
だけど基本的には、嫌いです」。矛盾していながらも富野氏のキャラクタと人物像が
伝わる。微妙なニュアンスが楽しい富野氏の言葉だ。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:48.23:BCbr4wcr
「我々は生き物なので、デジタルに屈服せずに、デジタル的なものを全て拒否していただきたい
という根本的な想いがある。しかし住みやすい土地ではなかった所で生まれた一神教が
もたらした文化としてデジタルという文化も“やむなし”と思うところもある。
我々多神教のアジアの人間は、二元論の文化に寛容でなくてはならないと思っている」と、
再びエキセントリックな言葉で富野氏はカルチャミックスに話を戻し、
そして“台湾”に住む来場者へと主題を向けていく。

台湾は豊かで寛容なアジア的基盤の上に、多様な文化や政治が流れ込む、特異な体験を
している人々が住む土地だ。日本は文化として“爛熟”しまっていている。爛熟した文化は
これから100年、厳しくなる地球環境の上で人類がどう生き残るかという命題に直面する
時代において評価されにくい。その点極めて現実的な問題に直面し続けている台湾の人々が
発信するコンテンツこそ、これからの時代の“指針”になるのではないか。富野氏の言葉に、
会場はしんと静まりかえった。次の瞬間富野氏は「基調講演はここまでで、質問に移りたい
と思います」と、極めて重いテーマを来場者に投げかけてマイクを置いた。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:14:59.95:BCbr4wcr
479 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/01/29(火) 17:42:28 ID:???
■ ユニークなパフォーマンスで来場者を魅了する富野氏。言葉からあふれる制作へのつきぬ精力

続いて行なわれた質疑応答は、会場の多くの人々が積極的に手を挙げる活発なものになった。
富野氏はその勢いに笑顔を見せ、質問の時間を延長するように運営に提案する。
その言葉を通訳すると、会場は富野氏に大きく拍手をし、そしてさらに勢いよく質問の手を挙げた。

質問の内容そのものは残念ながら中国語のために細かくはわからなかったが、富野氏の答えは、
「ツールに頼るほど作品はつまらなくなる」といった作品論から、「バイストン・ウェル
(富野氏の創作した架空世界)は自然が神であり、あえて名前をつけなかった」、
「ニュータイプは子供に夢を与えるため、人の世の問題を超えるかもしれない理想を求めた
概念で、単純な超能力者とは違う」といった作品に焦点を当てたものなど様々
富野氏の視点が明らかになった。

質問に答える富野氏は「対象や商売を考えて作品を作っていく危険性」を提示していく。
多くの人々に受けいられる作品は、そういった枠を超えて伝わっていく物だ。その為に
自分の中に根深く縛る常識を越えていかなくてはいけない。規制の価値観から1つ頭を
出したものがヒットを生み出す。「今までと似たようなもの、同じようなもので
ヒットを生み出すことができると思っている人は、アホです」。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:07.91:BCbr4wcr
富野氏のファンが集まる会場では日本語を理解する人も多いようで、通訳される前に
富野氏の言葉に笑い声が上がっていた。これは要所でわかりやすく過激な言葉を使ったり、
手や表情で大きく自分の意見を印象づける演出家であり、脚本家であり、なによりも
「監督」である富野氏のサービス精神が会場で存分に発揮されていたためだろう。

手の動きは「芸能の基本だ」として富野氏はマイクを離してポーズをとって見せた。
ミュージカルを思わせるキャラクタのアクションは富野氏の作品の特に
オープニングで取り入れられている表現だ。

質問者が深刻な顔で質問し、富野氏が最も力を入れて語ったのは、「スポンサーと
クリエイターの関係」である。儲けを生み出すため、売れるための作品を求めるスポンサーと、
自分の求める作品を作りたいと考えるクリエイターは「作品」を生み出す上で不可欠な存在
ながらも、ある点では大きく対立する。富野氏自身、自らの志向する作品を作る環境を求めて
プロダクションを作ろうとして、断念したという。

富野氏はこの問題は普遍的なもので、クリエイターは一生この問題を抱え、問い続けて
いかなくてはならないと語る。歴史上の偉大な音楽家や画家すらパトロンとの問題を
抱えていた。資本家と作品を生み出す人は「違う人種」であることをまず心に
刻まなくてはならない。作品を作ることのみを目的とする人にとっては違法コピーすら
「『自分の作品を1人でも多くの人に見てもらうための手段』としていくらやってもかまわない」
という想いを富野氏は語った。しかし、「それを主張する評論家に単純に同調したり、
尻馬に乗るのも考えさせられる」と釘を刺した。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:15.24:BCbr4wcr
「シンボリックに表現できるアニメの可能性はまだまだ現場の人々が気がついていない、
自分を含めて考えていきたい」、「人類はまだ1万年くらいは続いて欲しい」など富野氏の
言葉からは現在も積極的に作品に取り組み続ける旺盛な精力を持つ人物であることを
感じさせられた。「バイストン・ウェルは認識論で構築されている世界」など、富野氏の
独特の言葉の選び方と価値観をきちんと翻訳した台湾スタッフの努力が会場の一体感に
大きく貢献していたように感じた。

富野氏はアニメ史に名を刻む作品を生み出しただけでなく、現在もトップクリエイター
として注目を集め続けている人物だ。今回の講演は、現役のクリエイターであり、
「もの作りの先輩」として富野氏が、台湾の人々だけでなく、ものを作ることを志す
全ての人に向けて発したメッセージであると感じた。メッセージを受け取った人々が
彼の提示した未来をどう受け止め、新しい作品を作っていくか、とても考えさせられた。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:33.59:BCbr4wcr
【斧谷稔】大富野教信者の会part67【井荻麟】
ttps://anime3.5ch.net/test/read.cgi/x3/1203351636/

156 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/22(金) 17:12:20 ID:???
  2007年夏の台湾の漫画コミットというイベントで、朴のインタビュー
  せっかく見つけたから、ちょっと翻訳してここに貼っとく
  ただし、かなりいい加減な翻訳なのでご注意ください

  Q:ガンダムシリーズの富野監督は朴さんの声優界入りのきっかけとなる方なんですが、
  二人の間は何か特別な思いはあるんですか?富野監督についてどう思いますか?

  A:私にとって富野さんは父のような人です。
  たまにお尻を触られるけど(笑)、でも、本当に親切な方なんですよ。
  いつも私のことを心配してくれるし、舞台劇に出演してるときも必ず見に来る。
  それで、「朴は痩せすぎてる。もっと太ってなきゃ」と言って、強引で私を焼肉に行く(笑)。
  私の目から見れば、富野さんはホントにヒューマニティが溢れる天才で、大変素晴らしい方なんです。
  とても尊敬します。

157 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/22(金) 17:15:09 ID:???
  気持ち悪いな
  もうちょっと罵倒しろ

158 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/22(金) 17:15:54 ID:???
  あ、「行く」じゃなくて「連れて行く」 すまん
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:43.93:BCbr4wcr
211 名前:(01)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:35:57 ID:???
(講演台の向こうに立って、写真参考)

 あのー、このスタイルじゃいやですね。

(聴衆、笑う)

えー、大陸風に、あのー、威張ったスタイルでお話するのは、とっても嫌なキャラクターです。

(聴衆、大笑う)

(舞台の中央に移動)

 ですので、この形でお話しするのが良いと思います。
が、今日のテーマ、おそらく事前に紹介のとおり、カルチャーミックスが次の時代を作る...えー、
カルチャーミックスが次の時代を通るという、そういうタイトルに絞めましたので、多少、あのー、固いのテーマの話になります。
 ところが、そのような予定したテーマでお話にしようと思ったのですが、この間、昨日と会場の方を見させて頂きました、
特にノミネートされたコミックス、えっと、あのアニメのそのショート・ショートの作品を見させて頂きまして、予定を変更せざるを得ませんでした。
テーマにしていましたカルチャーミックスということについて言えば、大雑把に言ってしまうと、こういうことです。
異文化を重ね合わせた作品を作っていくということが、今後100年の、えー、アーティスチックなワーキングにとって、とても大事なことだというふうに考えていました。

212 名前:(02)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:39:05 ID:???
 このことは現在のゲームのことを含めてそうですし、実はその、パソコンで作り上げられたネットワーク社会、それから、えっと、
いわゆるデータといわれている、その、まあ、情報なのですけれども、その情報のようなものが...
このように技術が手に入れることができたのは、西洋文化の結果だと思います。
我々はこのように開発された技術を使って、今後の芸術活動、それと情報活動、それからビジネスそのものも展開してなきゃいけないわけです。
で、そのためには、欧米の一神教の文化に対して、我々アジアの文化を重ね合わせていくということはとても大事なことだというふうに思いました。
 つまり、文化を重ねあわせる、つまりカルチャーミックスをしてゆくという考え方をより具体的に、鮮明に持っていくことによって......
マイクロソフトとマイクロソフトの端末であるウィンドウズにも勝てるのではないかという意味と考えたわけです。

(聴衆、ちょっと笑う)

 アップルの名前が挙げなかったのは、皆さんが分かるとおり、まだ穏やかに、えっと、我々が使わせてもらう技術として大切にいきましょう(笑)。

(観客、笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:51.08:BCbr4wcr
213 名前:(03)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:48:36 ID:???
 ただ、一神教の資本主義文化の中で競争が続いてるわけですから、アップルがどうなるかっていうことも、
当然視野に置いていかなければいきません。
 そして、実際に僕自身はアニメを作る立場の人間ですので、作品、つまりどのようなお話を作るかということについても、
カルチャーミックスというものを意識していかなければいけないというふうに思います。
 そして、えー、50年、40年前の時代でいえば、漫画とか、漫画映画というものは、とても低俗な文化だと思われていましたし、
そういうものを作りたいと思っている作家たちも、基本的は低俗の人々の集まりでした。直訳してください。

(通訳、ちょっと困った様子)
(観客、笑う)

直訳してください。

(観客、大笑う)

 低俗の人たちであったために、西洋だ、東洋だ、それから自分たちの文化だ、他人の文化だ、そういうこと一切考えないで、
自分の好きなものをこうやって取り込んで、作品を作ってきたわけです。
それがまさに、漫画という文化、レベル低い文化だと思われていたからそういう作業が行われていました。
このことは実はとても大事なことです。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:15:59.02:BCbr4wcr
214 名前:(04)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:50:56 ID:???
 だからこの数年後、その経験から言うのですけど、まさか僕が、お国の税金を使って、
地球の反対側まで旅行できるなんてことは,思ってもみませんでしたね。いや、やらされています(笑)!

(聴衆、大笑う)

 そして、この事実を、この事実の意味を分かれば、カルチャーミックスの意味を特別に説明する必要ないというふうに思います。
 ところが、モノを作る、それから組織が大きくなる、それから政府機関から公認されるという行為は、
ひょっとしたら人間の一番アーティスチックな感覚とか、センスというものを摘み取られる、それからその能力を低下させることかもしれません。
 えー、このことについての説明はこれ以外しません。が、もうひとつ別の説明があります。つまり、社会的に認められる職業になったとき、産業になったときに、
何か起こるということでいえば、今皆さん方が直面してるとおりです。
圧倒的に競争者が多くなった、それから、かなり凄い才能が入り始めて、40年前のように、馬鹿の集団では無くなってしまったという不幸です。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:06.87:BCbr4wcr
215 名前:(05)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:52:45 ID:???
 ですから、えっと、天才は別として、普通の能力を持った人が、この世界に生き残るための方法はどういうところにあるかというと、
カルチャーミックス論を含めての、その一番本質的なことをきちんと認識し、実際できる自分というキャラクターを作る、しかない、ということです。
 そうしますと、具体的にカルチャーミックス論に関して言えば、えー、昨日見せていただいたこっちのノミネートされたアニメの作品などを見て、
とても良い部分と悪い部分というのを二つを一瞬にして、見つけることが出来ました。
 どういうことかと言いますと、自分たちの文化の身に備えている文化的な基準を以って、他の文化のいいところを取り入れろというふうに言いたいのですが、
自分たちを育った文化を正確に認識するということは、とても難しいということが分かりました。
 そしてもうひとつは、自分の文化、持っている文化を現代のお客さん、観客、マーケットに対して提供していく、
自分アーチストであるんだからということで、それをオリジナルに、新しいものにして、
再生産、新しいものをリメイクして、再生産するという行為、アクション、行動、表現というのはなお難しいことも分かりました。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:13.50:BCbr4wcr
216 名前:(06)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:55:22 ID:???
 えー、その実感を持ったのは、その、あの、昨日見た短編の中で、えー、台湾もしくは朝鮮のフィルム、あの、我々の身体性みたいな表現が、
2年前見た別の作品とものすごく似ていたりして、必ずしもオリジナルな表現というふうに見えないという事実、事実がそういうことを僕が改めて学びました。
 えー、僕自身、えっと、日本人ですので、えっと、う、浮世絵というのは見慣れたつもりでいましたが、
たとえば、歌麿の美人画が、どのように優れているのかということを、つい最近まで知りませんでした。
 それについては、最近NHKの番組で、えー、歌麿とその前の代の、えー、(鳥居)清長という美人画の違いというものを、
現代の役者を使って、同じようなポーズを取らせて、写真で撮影していて、そのポージングが持っている意味が、
清長の時代、歌麿の時代ではこういう違いだよという解説をしてもらって、初めて歌麿の凄さっていうのは分かったりします。
 そして、そのときには、清長の美人画の描き方は、清長のオリジナルだというふうに思いました。
ところが、二日前に故宮美術館(注:正確は博物院)で大陸からこちらに流れてきている、
特に水墨画、それから風俗画といわれている人々の、特に、あのー、女性の姿、男性の姿、長い着物を着ている姿、そのシルエットの描き方が、
清長以前のものであろうということが分かりました。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:22.95:BCbr4wcr
217 名前:(07)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 11:59:55 ID:???
 えー、清長についてのこと、人物画のことについて、こういうふうに理解してください。
我々のシルエット、身体のシルエットは8頭身とか9頭身ではないのですが、
水墨画ではとうの昔に、とても背の長い(高い?)スタイルのに、10頭身のシルエット昔から描いていたということです。
 この話をどういうふうに理解するかというと、特に若い人に、自分たちがこういうふうにカッコいいキャラクター、
こういう風なカッコいい描き方をオレのものだと思うバカなことはやめてほしいです。

(聴衆、笑う)

 我々作り手がやらなければいけない使命というのは、間違いなく、今日までの結果を刈り取ることではないのです。
なぜならば、我々の行動、行為、アクションというのは、今始めにということは、今初めの次!に向かって、表現をするということのはずです。
その次というのは、ビジネス論で言えば、来年、再来年、10年後、20年後に向かっての表現のはずなんです。

 はい。で、これからお話することは、初めに予定したカルチャーミックスが次の世代を通るなんとかという趣旨を外れます。
 えー、確認しますが、すでに、この、今回の会場でも見られているデジタルコンテンツフォーラムの中で参加している
企業の商品、それから作品、それからゲームのタイトル、それから実際に、えー、
お客さんに対してサービスしてくださっているヘソ出しのきれいなお姉様方を含めて、のものを見ていると、
もう古い視点での話をする必要はないと思ったからです。
えー、その、カルチャーミックスは台湾では確実に進んでるというふうに認識しております。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:30.55:BCbr4wcr
219 名前:(08)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:15:22 ID:???
 モノを作る、作品を作るという視点に立ったときに、我々は、私は、俺は何をすべきか、
何をしなければいけないかという話に進ませていただいきます。
何かモノを作りたい、モノが作れる私、俺、こういうものを世間に分かってほしいと思ってる私、俺という主体、の問題です。
 自分自身も若いときがあったから想像もつくのですが、私が持っている、俺が持っている
不満、苦しみ、辛い、世間に対して分かってくれというふうに思っている不安っていうのは、自分が苦しむものであるために、
これは自分固有なものだというふうに思いすぎているアーチストが多すぎるということです。
 そのために、何が起こるかというと、日記のような作品を撒き散らしても平気だというような制作スタッフ、それから企業というものが現れます。

(通訳:にっき、のような作品?)

(富野:日記。日記。ようするに自分の思いのたけだけをグダグダグダグダ言ってるだけ。)

ですから、今の日本の深夜アニメっていうのはつまらないです。

(聴衆大爆笑)

 そして......皆さん、笑いことじゃないですよ。皆さん方のその作品の中すでにそれが始まっています。
つまり、表現のスタイルを結局どっかのコピーをやってるんだけれども、自分のオリジナルと思っている作品がノミネートの中にもありました。

(富野、とても真剣な顔)

(会場、一転静まり返る)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:51.22:BCbr4wcr
220 名前:(09)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:18:15 ID:???
 ユーチューブを使っていれば気が済むようなヤツは作家ではないという言い方をしたい。

(聴衆、忍び笑う)

 ところが、昨日それについての反論はすでにありました(注:前のレポートに参考)。
「ユーチューブから入って、それが商売になってんだからいいじゃねえか」という言い方なんです。
事実、日本でも、ケータイ電話で読める小説が具体的、プリントしてしまったら、あの、ようするに10万部単位も売れるという現実も
この1年間違いなく出てきています。
 それについて、当たり前なんでしょ!って言います。100万の人間が使っているツールがあったとすれば、
100万人の中では1人や2人の天才がいるわけですから――いや、もっといるかな――これを利用して、金を儲けしようとするようなヤツは当然出てきます。
ですから、そういういくつかの成功例があるのは当然のことです。
 ゲームでも、ようするにネットゲームがあるということは、ようするに数人、数十人、数百人、
場合によってはそのゲームワールドの中で一ヶ月の中でゲームを、ようするに点数を争いようなゲームもあるでしょう?
私はゲームのことをまったく知りませんので、あるのでしょうとしか言えません。
 そういう世界での、ようするに何人かの人々のコミュニティというのが成立して、それなりの、その、
インターネットのコミュニティ、つまり電脳コミュニティっていうのは、それはある部分可能性として存在するのは想像付きますし、
その部分のビジネスになるということも想像付きます。
 しかし、私、我々が今日、現在まで、今日現在まで、モノを作る、つまり、アートをするというのは、技能を行使するということです。
技能を行使して、それはいったいどういうつもりでやっているかというと、自分自身のその存在を作ったもの、表現したものに通して、
第三者の人、他の人々に分かってほしいと思うことじゃないでしょうか?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:16:59.35:BCbr4wcr
221 名前:(10)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:22:24 ID:???
 自分の痛みを、自分の辛さを分かってくれという自分固有の、固有の思いを第三者に伝えるときに、日記風のように表現している限り、
その日記風の表現を認めてくれる人、気が付いてくれる人しか読んでもらえません、見てもらえません。
あたしの悩みを皆さんが分かってくださいよ!!というときも、皆さんが分かってくださいよ!!という表現は、
100万人、1万人の人にあまねく伝われるような表現をしない限り、1万人の人にも、100万人の人にも伝えられないわけです。
 つまり、作品を発表する、それから表現をすることという根本的な意味は、100万人に伝える言葉遣い、100万人に伝える
表現の仕方、方法、スキルで持って、アピールしない限り、絶対に伝われないことです。
 僕の場合には、ですから現在のユーチューブにあたるものが、ロボットモノというジャンルだったんです。
そしてロボットモノの、漫画、の上に、少しはこのような物語性、少しはこのような人間のドラマ性があっていいのじゃないかというものを付き加えたんです。
 それを僕自身が持っている程度の物語の作り手としての作家性とか、それから、映画というのはこういうふうに演出したらいいのではないか、構成したらいいのではないかという、
僕自身の好みだけでもし作っていたとしたら、現在の富野由悠季という名前が台湾で聞こえてくるようになるような作品[ママ]になることは絶!!!対になかったです。

(体を折り曲げるほど強調し、ひょっとして今日一番力入れたところかもしれません)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:17:07.67:BCbr4wcr
222 名前:(11)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:25:45 ID:???
 ですから、ユーチューブから入ってもいいんです。問題なのは、ユーチューブから入って、20年、50年生き残る、それからまた、
ユーチューブのシステムが、別のものに塗り換わっても、それでも乗せられるような、たとえばメッセージとかコンセプト、
うーん、えー、もっと分かりやすく、デジタルではなくて、はっきりしっかりしたハードコンテンツを持っていれば、
100年まで生き残れます。この、今の理屈をお分かりになったら、ユーチューブのところにもうひとつ「ゲーム的な」っていうものも
付き加えていいのではないかというふうに思います。
 この話の一番根本的なことはどういうことかといいますと、どのようなツールを使おうか、それから、ジャンルを使おうが、
最終的に、100万人の人々は何に一番興味を持っているのかということなんです。
で、その人々っていう大衆が、世界の人類が一番興味を持っているところにピンポイント撃てば...撃てれば、
皆さん方が作ったものは100年でも1000年でも残りますよ、という話です。
 ですから、僕の場合にはロボットモノという作...アニメの作品、ジャンルを利用させてもらいました。
皆さん方は今「デジタルコンテンツ」というとても妙な言葉遣いを使う世界に暮らしてるわけですから、
このデジタルコンテンツのツ...というツールを利用してください、ゲーム的なものを利用してください、
ユーチューブ的なものを、インターネット的なものを、ウィキペディア的なものを利用してください。
僕の場合には、ですから、ロボットモノというアニメのジャンルが、僕にとってのツールだったんです!ツールだったんです。
 えー、アニメ関連の、んー、雑誌とか、雑誌の中での僕の発言を、あの、ご存知の方がお分かりのとおりですが、
ですから僕は基本的にロボットモノというジャンルそのものがあまり好きではありません。
が、このように自分の、あの、オープニングを見せられて、本当に感動してます。
「この監督は好きだよねー」というふうに、本当に感動してます。

(通訳:ロボットモノが好きですか?)

 はい。だけど、基本的は嫌いです。

(聴衆大爆笑)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:17:42.24:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:17:49.48:BCbr4wcr
テスト
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:17:53.58:BCbr4wcr
223 名前:(12)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:39:21 ID:???
 です。そのことを皆さん方が、皆さん方もつまり忘れないでほしいです。我々は動物なんです。
デジタル的なものにすべてのものを、感覚から、フィルムから、生活感覚までデジタル的なものに全部屈服するのが、
我々人間なのかと問うたときに、それは絶っっ対!!に嘘なので、デジタルなものを一切拒否していただきたい!という根本的な思いがあります。
コンピューター技術が基本的に、一神教の文化から発したものであったとすれば、発したものであったとすれば、善悪しかないですもん。
つまり、他者は、異教徒として、排撃してきたのはアイツらです、という言い方があります。
すみません、あのー、異教徒の宗派に属している人に関して本当に申し訳ないです。

(聴衆ちょっと笑う)

 これは、あの、あまり冗談ではなくて、あの、あ、冗談ではなくてというのは、どういうことを言いたいかといいますと、
つまりなぜ一神教が生まれたのかというと、やっぱり文化的な背景、文化的な背景というよりも気候的な背景です、というのを理解すれば、
それをやむなしというふうに思います。そういう意味で、中東もそうですし、ヨーロッパ大陸もそうですが、
近代我々が教えられているほど、たとえばヨーロッパが住みやすい土地ではありませんで、し、た。
ですから、一神教の人々に対して、えっと、アジア的な宗教論を持っている人々は、寛容でなければいけない、というふうに思います。
 その、今の話も実はその、んー、カルチャーミックスの話です。そして、アジア人、アジアの気候風土が持っている、
かなり豊かな風土というものが、中世まで残っていたかもしれないというところで育まれた我々の感覚論、感性論というのは、
今後21世紀、22世紀、つまり地球が温暖化して、そしてエネルギーが枯渇していくかもしれないというところ...
という時代が入った地球というのが、みんなが分かり始めたときに、どういうふうに生きなければならないかという、
一番コアなものを体験的に持っているのがアジア人であるし、それから政治的にも極めて特異な土地であったこの台湾というところで、
すでにこの50年、この特異な生き方というものを皆さん方が体験なさっております。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:11.40:BCbr4wcr
224 名前:(13)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:41:45 ID:???
 ですから、一神教の人々が急かされて作り上げてしまった現在までのツールが、これは利用しましょう。
今から作り直していくってのは時間の無駄だからです。これは利用しましょう。利用しながら、
皆さん方が文化論として見直さなければいけないのは、先人の光を求める必要はないのです。
皆さん方が作るしかない!!!!です。
 そして、現在の日本というのは、まだまだその、うん、まあ、文化的にも政治的にも、爛熟してしまって、
今グチャグチャになっているような土地柄です。そのようなところから爛熟、成熟文化というものが生まれるかもしれませんが、
それが少なくとも100年200年続く文化論として、発祥するというふうにはちょっと今は思えません。
爛熟期に生まれた文化というのは、また、次の爛熟期に評価されるまで、またずるを得ないです。
ところが、これから100年という、時代っていうのは、えっと、爛熟の時代じゃなくて、
地球上の人類がいかに生き残らなければならないかというコンセプト、コンテンツを一番大事にしなければいけない時期なので、
極めてリアリスティックな、えー、物語、というものを要求されていると思います。
そういうものを満たす風土としては、台湾というのは、とても特異な経験をした土地であるために、そこから発信されるものが、
ひとつの“指針”になっていくのではないかというふうに思っています。

 えー、というところで、基本的に基調、基調講演は終わらせて頂きます。
あとは、質問を答えるという形で行こうと思います。いかがでしょうか。

(司会頷く)

 はい、では質問を受け付けます。

225 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 12:56:58 ID:???
  また規制を食らったので、ちょっとここまで
  後半は質問部分です

226 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 13:40:16 ID:???
  乙

227 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 14:34:59 ID:???
  期待してる。
  富野の話は毎度毎度勉強になるもんなあ

228 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 15:39:13 ID:???
  >「この監督は好きだよねー」というふうに、本当に感動してます。
  >(通訳:ロボットモノが好きですか?)
  >はい。だけど、基本的は嫌いです。
  こういうツンデレっぷりはいかにも富野だよなw
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:19.22:BCbr4wcr
235 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:12:34 ID:???
また後半を投下します 質問の翻訳はかなりいい加減なので、
意味分からないならどうか教えてください
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:25.09:BCbr4wcr
236 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:17:34 ID:???
Q1:
 富野監督こんにちわ。10年前のインタビューを拝見させていただいたんですけれども、監督はその中でアニメ漬けの社会は健全な社会ではないと仰って、
監督自身はそれを感じたときに、自分の作品の中でアニメにハマるなというメッセージを入れたとのことです。
アニメ製作者にとって、これは珍しいことだと思いますので、もう少し詳しく説明していただけないでしょうか?

A1:
 いえ、あの、特殊な考え方ではありません。むしろ、それをまず危機感として感じたのは、僕にとっては、
Zガンダムの作品の時にそれを感じましたので、いつまでもアニメを見ているのではないというのを、
基本的なテーマにして、あの作品を作りました。
 そして、今の話でも、実は話しています(注:今日の講演でも、実はその話をしています)。
ツール、つまりパソコンを使うのがカッコいい、CGを使うのがカッコいい、
だからカッコいいまんまで使ればいいだろうと思っているようなオペレーターが多すぎるから、
つまらない作品ができるんだ。それから、ハリウッドでCGを多用すればするほど、
つまらない作品になったという証言もこの5年の間皆さんがいっぱい見てるんです。
だから、ツールに騙されていけない!その次に何を付き加えなければいけないのかという意味での!映画の特性を挙げます。
その映画の特性を、あまりにも知らなさ過ぎるスタッフが、現場に入って来ているから、つまらなくなるですよ!という話です。
では、あの、映画の特性はどういうことかという話は、えっと、別の時間を受けるか、別の時間を取らないと話せませんので、これ以上話しません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:32.98:BCbr4wcr
237 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:21:37 ID:???
Q2:
 富野監督は先ほどカルチャーミックスの重要性を仰ったけれども、
監督は一体どういう観客に向かって、作品を作って、自分を伝えたいのでしょうか?

A2:
 先ほど僕は観客を100万人というふうに言いました。
人は選べません。人種も選べません。1人でも多くの人に伝わる物語を作りたいし、
せっかくお金をかけて作るならば、3人にしか伝わらないお話を作っても、つまらないじゃないですか。
それだけのことです。
 そして、今のような質問が出てくる理由が、ものすごくよく分かっています。
質問者自身も自覚していないでしょう...いや、自覚してないはずです。
ところが、雑誌の編集、それからテレビ、あらゆる媒体で視聴対象とか購読対象とか、
それからセールスの重点をかけるのはどこの年代のヤツなんだといった話をいっっっぱい!!聞いているために、
観客を決めなければいけないなんじゃないかと思っているんです。
が、映画の特性というのが、それを乗り越えられる特性があるんだということを、
とーーにかく!関係者も普通の人も分かっていない!そういうことです。
 ですから、あの、自分が生活の中で身につけてしまった常識とか、既成概念というものは、
我々自身が思っている以上根深いものなんです。ですから、
そこから脱出して新しいものを創っていくという作業は、本当に大変なことです!!だから、
固有の才能を持った人、とか、あるヒット作品というのはすごいというのは、それを脱しているからです。
そこから脱して、新しいものを作れるから、あ、作ってみせるからなんです。ですから、
僕にとってはクレヨンしんちゃんも、あの、ポケモンも、それからなんとか...あ、ドンキーコングも、
それからマリオおじさんも、やっぱりすごいキャ...すごいものだなと思います。
それは、既成の文化論、カルチャー論からちょっと頭を出したところにいるからです。
が、そのことを分かって頂かないで、似たようなものを作って商売になると思っているなれば、それはアホです。

(聴衆、笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:43.53:BCbr4wcr
238 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:24:48 ID:???
Q3:
 監督は先ほど一神教のツールを利用して自分のコンテンツを作ろうと仰ったけれども、現在の我々の文化は西洋文明の侵略に受けて、
もう衰退していくと思いませんか?それともほかの何かを感じてたんでしょう?

A3:
 えっと、どのような意味で衰退という言葉を使っているかは分かりません。しかし、たとえばその言葉を使ったということは、
現在までの、我々が、えっと、知っている、うーん、認識論にとらわれすぎているというふうに思います。
どういうことかといいますと、文化論や宗教論を取り上げた瞬間に、勝ち負けであったり、それから、うーん、勝ち負け論、
それはどちらが強い、強くないみたいなことに絶えずにものを考えるクセがついているからです。
ですから、衰退という言葉が出てくるんだというふうに思います。
そして、そのようなモノの考え方とか、価値観にとらわれているから我々は、
ファンタジーといわれている世界の物語でも、勝ち負けを描いてしまうんです。
 カンだけでお話しますと、100年後の観客が勝ち負けにまったく興味を持たない、
観客になってるかもしれないという可能性まで考えれば、衰退論というのは、聞ける単語ではないということです。
衰退しているならば再構築をすればいいだけのことですし、勝ちに乗った、乗っているならば、
それで勝手にはしゃいでいればいいんです。勝ちというのは100年続きません。
中国の文化でも、一つの王朝が続いた最長でも350年ですから。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:19:49.92:BCbr4wcr
239 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:28:58 ID:???
Q4:
 監督は小説版『逆襲のシャア』の巻末で、もともとはMSを否定する、
機械を否定するというコンセプトを入れたかったんですけど、ビジネスの都合で出来なかったと言いました。
で、後の『∀ガンダム』は人間の関係性をとても丁寧に描くかわりに、MSの戦闘をあまり描かないとしたんですが、
果たしてそれはその原因なんでしょうか?

A4:
 えっと、ここでお話していること、当然その言上に則ってるものですから、
質問者の仰る、ご指摘のとおりです。

(あまりあっけない返事なので、しばしの沈黙のあと、爆笑)

(富野、ちょっと困った様子で)お、おかしい?

(聴衆、再び大笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:01.31:BCbr4wcr
240 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:32:05 ID:???
  とりあえずここまで

241 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 19:48:53 ID:???
  超乙

  しかしやっぱり富野かわいいな

242 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 21:22:32 ID:???
  つまり
  アレやられちゃうとアニメでやれる事が無い
  とか、新しい事する奴が…
  とか、俺達の時代ではパロディしかできない

  とか、言ってる奴はアホちゃう?って話だな
  アニメの地位向上運動見たいなのはもう30年前にやったし
  とりあえずは成功して他の映画やら小説やらの物語見せるコンテンツと同じく
  大人も見るコンテンツになってんのに未だに内輪根性の奴はどーしようもないなと

243 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 21:49:23 ID:???
  乙乙。

244 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 22:02:59 ID:???
  昔さ、富野ってロボットアニメに関してはスペシャリストがいたよな。
  そういうのって大概個人的には不幸だったんだよな
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:10.60:BCbr4wcr
245 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 22:23:30 ID:???
  >そういうのって大概個人的には不幸だったんだよな

  ここも改変しないとおかしいと思わないセンスを
  恥ずかしいと感じて今日は帰ってくださいと、誤解を恐れずに言います

246 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 22:34:35 ID:???
  まぁアニメの革新みたいなの期待され続けて
  一時期参っちゃったのは不幸だったと思うけれど

247 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 22:41:04 ID:???
  >242
  読み直せ
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:23.12:BCbr4wcr
248 名前:(18)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:19:18 ID:???
Q5:
(こいつは明らか御大の話を誤解して、かなり挑戦する態度で物事を言う。このモノ分らず屋の代わり、にみんなにお詫びを申し上げます)

 こんにちわ。すみませんが、オレはあなたがいう馬鹿の一人です。
オレはゲーム会社に勤めてるんですが、この産業の競争は誰の想像よりも激しいものなんです。
あなたさっきが言った映画でもアニメでもゲームでも、一般向けなわけですから、
いくらあなたが「ツマラン」とか「無意味」とか喚いても、売れるものは売れる。
つまり、商業の考量が最優先の限り、オレたちの声は決してトップに届かない。
ヤツらは金を儲けることしか考えていないから。ですから、我々のアイデアはなかなか出せないってのもそのせいだ。
あなたさっきが言ってたユーチューブのほうが、また作品を見てる観客数が見れるし、名誉も金も儲けるから、
我々にとってまたモチベーションになれると思います。
先生はこれについてどう思います?

A5:
 あの、とても、とてもよく分かる悩みで、この悩みは、えっと、
少なくともこの業界に隣接している人にとっては一般的な悩みだというふうに思いますので、3人だけにしか伝わらないお話ではありません。
僕自身も似たような、つまり出資者、スポンサーと自分との関係を考えたときに、同じようなことを感じました。
ですから、自分でプロダクションを立ち上げてでもというふうに...思った時期もあります。
が、基本的な能力論と、それから僕自身が決して働き者ではなかったので、プロダクションを立ち上げることを断念したという時期もあります。
 この解決については、基本的にあ、り、得、な、いと思います。それで、あり得ないことが実はまさに人の世、人の世の中なのです。
ですからこれはかなり一般的に敷延できる問題なので、その悩みは――申し訳ありません――抱えてください。
それで抱えて、それを作品にすることで、吐き出して、なんとか自分がうつ病にならないよう努力してください。

(聴衆、笑う)

 とにかく、資本投下をしなければ、作りおおせることができないのが、動画の作品、映画の作品の欠点でもあります。
当然ゲームもそうでしょう。つまり出資者の存在と、それから、モノを作るスタッフ...まあ、
アーティストという立場の人々とは、基本的に合わない人種だということは、認めざるを得ません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:29.29:BCbr4wcr
249 名前:(19)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:21:37 ID:???
 ただ、美術史を見ても分かるとおりですけれども、やはりパトロンがいて、ようするに、芸術家、作家...えー、絵描きであり、彫刻家であるという人々。
それから王権という国家論があったために、その宮廷のお抱え音楽師がいるわけです。つまり、
我々が知っている著名なアーティストというのは、すべてそういうパトロンがいて、暮らしてきたわけです。
つまり、モーツァルトでさえです。その、何月何日までに楽曲を書かねばならないという宿命にいたし、
気に入らなければ別のところに行かなくちゃいけなかったという遍歴しなければならなかった。
逆に言えば、ヨーロッパ中旅行ができて、お金も儲かるというふうに評価されている立場も素敵なものかもしれません。
だが逆にいうと、一つの場所で暮らせなかったという絶対的に不利な立場に立っていたというのも、アーティストでもあります。
これは演劇、オペラ、あらゆる芸能者の宿、命、でもありました。そして、日銭稼ぎもしなければいけないというのも芸能者でした。
これは出資者とは根本的に違う人種です......すみません、長くなっちゃいました。簡単に要約してください(笑)。

(聴衆、笑う)

 このテーマの話はえんえんとできますので、ここで打ち止めとさせていただきますので、
質問者の方には本当に申し訳ありません、病気にならないように頑張ってください。

(聴衆、大笑う)

250 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:29:39 ID:???
Q6以下、基本的4gamerでは省略した部分で、一応未出となっております
なお、補足として、前スレやwatch impressのレポートも参考してください
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:36.56:BCbr4wcr
251 名前:(20)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:31:12 ID:???
Q6:
 監督は何でガンダムシリーズの中で「ニュータイプ」という要素を投入したんですか?
人類の未来を踏まれて考えたモノですか?それとも別の何かを感じたんですか?

A6:
 あのう、基本的に、物語を作るという人々は、僕に限らず、夢を見ている部分があるというふうに思います。
それから、テレビ漫画という媒体で作品を発表させてもらったわけです。
そうなりますと、まず子供たちを絶望するような物語を作りたくなかったんです。
だからニュータイプという言葉を作ったんです。
 そして、その次にあるものが、その前の質問者が言ってたように、
人の世というのはこれくらいに異常の部分がであれ、嫌な部分であれ、そういうものも乗り超えられる能力というのを、
我々人類が手に入れられるのではないか、そういうニュータイプ論というものが、
考えてもいいではないかという本当の夢物語をニュータイプという言葉の中に付け出しました。
ですから、簡単に超能力者というふうに規定することは避けたわけです。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:48.57:BCbr4wcr
252 名前:(21)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:33:19 ID:???
Q7:
 監督はいつもオリジナリティの重要性を述べていますが、現在のコミケなどの同人作品はパロディや2次モノをメインコンテンツにしていますし、
この前台湾にもいらっしゃった村上隆でも「コピーのコピーのコピーの挙句、そのコピーもいつかオリジナルになる」(注:かなりデタラメな翻訳ですみません)と言いました。
監督はこれについてどう思いますか?

A7:
 モノを作ってみたいとか、表現をしたものを人に伝いたいというのは、おおむねの人の持っている欲求ですし、
いま我々が手に入れてる技術では、コピーは簡単に作れる技術でもあります。
ですから、それを行使して、あ、使いたくなるのが当たり前ですから、いくらやっても構わないというふうに思ってます。
 そして、村上隆さんがそういうことを仰ってることも承知しておりますが、村上隆という、彼の特別な立場で、の発言であって、
それが、その発言に乗って踊らされる、我々はどうこうするかどうかというのはまったく別問題です。
ですから、村上隆が言った、言っているからいいのではないかという論を取るか取らないかという問題は、
間違いなく受け手である我々大衆が判定すべきことであって、ま...あの顔を見たら、それだけ嫌いになります(笑)。

(聴衆、大笑う)

村上さーん、どうもすみませーん!

(聴衆爆笑)

 えっと、村上さんについて付き加えれば、イデオンのファンであったということも承知しておりますので、
とても困ってます(笑)。

(聴衆再び大笑う)

(ここで監督の鶴の一声で、時間を15分延長、舞台の下から拍手の嵐)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:20:56.52:BCbr4wcr
253 名前:(22)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:36:27 ID:???
Q8:
 『聖戦士ダンバイン』や『リーンの翼』の舞台となるバイストンウェル世界の概念はとてもユニークだと思います。
それも監督が仰ったカルチャーミックスでの宗教論の影響に受けて作ったものなんですか?

A8:
 えっと、世界観を作ってる段階で、そういうこと...えー、特に宗教的なフィーリングが、ヒントになってることは事実です。
が、実際に創作していくという段階で、机上の宗教的なフィーリングを取り入れることが、正しいのか正しくないのかということは考えました。
あのー、前と同じお話をしたとおりです。ですから一神教という問題を考えるときに、
一神教という考え方、もし絶対神があるとしたら、当然異端も落とさなければいきません。
ところが、アジア人の一員である自分としては、やはりそれを取ることができなかった時に、
バイストンウェルワールドというものを、人の認識論というレベル、そのフラップな認識論というレベルで構築されてる世界だというふうに考えました。
 ですから、範囲というものをバイストンウェルの場合に設定したときに、自然そのものは神なんだ、という以上の決め方をしなかったということです。
つまり、その部分に固有名詞を設定した瞬間に、一神教になってきますから、フィクションの名前を付けることさえ避けました。
 ただ、ある地域の人たちが、その、自然そのものを固有名詞を使って、呼んでいるかもしれないという想像もしています。
ただ、えー、現代の段階で言えば、それ以上の作り方、えー、作りこみをしていないというふうに記憶していますが、間違いでしょうか?
今ひとつ覚えないのですが、なんとなく神の名前を作ったような気がしないでもないが(笑)。

(聴衆、笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:06.98:BCbr4wcr
254 名前:(23)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:45:12 ID:???
Q9:
 監督の作品のオープニングはいつも手を伸ばす表現を使っていますが、これは何かを表現したいのでしょうか?

A9:
 もちろんです!芸能の基本は(手を振る、以下動画参考)。

(聴衆、笑う)

 ですから、手の表現を使わなければならない、ならなくなるんです。
一番原理的なことをひとつだけ示しますので、マイクは離しますので、通訳よろしくお願いします。

 この手付きは、少なくとも日本では幽霊なポーズです。

(聴衆、笑う)

 で、これは銭をくれ!金をくれ!みんなのハートをくれ!

(聴衆、大笑い+拍手)

 あのー、今は、今のかたちは本当に原理原則です。
そうしますと、その原理原則に則って、どういうバリエーションを付けっていくか、どういう組み合わせを付けていこうかで、
あのー、本当、あのー、幾多の表現ができるわけですから、これだけカッコいいと思うな(決めポーズをする)!!!

(聴衆大爆笑)

(通訳終わったあと)

(照れ笑いながら)です。

(余談ですが、監督の口から「原理原則」を聞いたとき、何故かものすごくジーンとする。
 「ああ、これが生原理原則…」みたいに)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:15.25:BCbr4wcr
255 名前:(24)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:47:27 ID:???
Q10:
 さっき監督はずっと人の未来やこれからの走向を言い続けましたけれども、もっと具体的に言えば、
監督はいったいどういう概念を示したいのでしょうか?

A10:
 えっと、難しいコンセプトはありません!あと1万年くらい人類に生き残ってほしいということです。
そのために、我々一般人も、それからトップに立つ人も、
何かを考えなければいけないかということをもう少し鮮明的にしなければならないと思って、というだけです。
そのために、実を言うと、アニメとかコミックという表現媒体は、むしろ実写を使わないために、
シンボリックにロジックを伝えることができるという、実は有利さを持っています。
その、むしろ有利さを、またその関係者とか現場の人たちは使いきるという能力を持っていないということはとても残念だと思っていますので、
自分も含めてがんばっていきたいというふうに思っています。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:35.80:BCbr4wcr
256 名前:(25)[sage] 投稿日:2008/02/23(土) 23:51:15 ID:???
Q11:
 アメリカについて質問したいと思います。監督はさっき日本のアニメはテーマ性を重視していると言いましたが(注:言ってません)、
アメリカのディズニーは「エンジョイ・エブリィボディ」をテーマし、さっき監督が言ってたバカなCGアニメ映画に使って、実写映画の粋をさえ超えまして、
テレビにもテーマパークにも進出してたんです。この日本とアメリカの間の違いは何なんでしょうか?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:40.05:BCbr4wcr
A11:
 僕は1941年生まれです。そして小学校に入るときは、アメリカに負けたという印象しか持っていない人です。
ですから、アメリカの文化、それからアメリカの技術は素晴らしいものだということが徹底的に刷り込まれて育った人間です。
ですから小学校の頃に、生まれて初めて総天然色のディズニー作品の白雪姫、ピーターパン、ダンボ、を見ました。
そして、その作品を見たときに、本当に素晴らしい技術だと思う瞬間に、もうひとつ別のことを気が付きました。
「なんでこんなに早く動かなくちゃいけないんだろうか?なんでキャラクターはこんなにもデフォルメーションされるんだろうか?」
せっかくこれだけ技術を持ってるのに、全部漫画にしすぎているということを、小学校4年生の時に、つまり9歳...8歳か9歳の時に感じました。
 つまり、技術の可能性は、ようするに見せました。しかし、だけど、なんでこうまで一つの趣向性で、気が済むだろうかということが、とても不思議でした。
そして、当面のアメリカのアニメーションの状況でいえば、ディズニーの真似をするような弱小プロも、いくつがあったわけです。
そして当時は、そういうものが、その当時は事業として、ようするに...ひょっとしたらまだ新興ビジネスとして、認知されていったり、も、したわけです。
 我々は現在CGのことに関して、これだけ仰るような可能性を、すべて見せられているわけです。
そこで、ハンナ・バーベラ(・プロダクション)になるか、そうでなくて、ネクストFFを作るか(注:次のFFになるか)というのは、
やはり自分が根本的に持っている感覚の中で、現状を是とする、全部全部を受け入れて、是とするだけのファンなのか、
いや、もっと何かがあるのではないかというふうに想像できるアーティストの違いが現れてくるのではないかと思ってます。
ハンナ・バーベラとか、FFのことはこれ以上説明しません。

(ほんの少しの聴衆が忍び笑う)

 そして、今の質問者にもうひとつ厳しい言い方をします。「じゃあ、その次のものは何ですか?」というまったく新しいもの。
僕には分かりません。そして、それを見つけることができる人は本当のクリエイターなんです。
だから、いま名刺にクリエイターとかを書いてる人はクリエイターじゃないです。そういうことです。

(聴衆、笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:50.71:BCbr4wcr
257 名前:(26)[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 00:07:37 ID:???
Q12:
 監督はアニメバブルについてどう思いますか?
また、アニメ制作志望者に対してアドバイスをして頂けないでしょうか?

A12:
 アドバイスをしているつもりですから、今日ここまでお話にしてました。あのー、嘘は付いてないつもりです。
 それから、アニメバブルに関しては知りません。ほとんどアニメを見ませんから。
そして、だけど実際自分がやる仕事はアニメの仕事やらざるを得ないということですから、もうこれだけで十分です。
だからこそ、むしろ付け入れる隙も出てくると思ってますので、アニメ漬けになってる才能、CG漬けになってる才能、
クリエイターになれないと思ってます。
そうでなくて、「オレはCG漬けになっていて、これだけのものをやってるよ」という人は、まさに特化された才能で、天才なんです。
僕は天才に勝てるわけがないから、一緒に仕事をするしかないということです。
 ですから、適当なところでアニメの専門家でいて、それでビジネスが出てくると思ったら、早くやめたほうがいいと思います。
つまり、10年後の制作環境はツライですよ。これは最大の忠告です。
ただ、僕はそれを30年間言い続けたんですが、また持ってますので、後20年くらい大丈夫かもしれませんね(笑)。
ご安心していただきたい。

(聴衆、笑う)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:21:58.41:BCbr4wcr
 そういう意味では、まさに映像の時代の、映像媒体が持っているおかげで、確かにチャンスはかなり広がっていることも事実です。
ですからこういう環境はありがたいというふうに関係者を持っていただいていいんですが、ともかくよそ者が入り込んで過ぎます。
つまり、金を儲けることしか考えないベンチャーの連中って作品のことなど考えてないからねってことはよく承知してます。
だから本当にモノを作りたいのは辛い、辛くなるのが分かります。が、さきほどの言ったとおりです。
む!!!かしからの話なんです!!!珍しいことではないです!!!ですから、
耐え忍んでしかありませんので、頑張ってください。

(拍手の後)

 あの、なによりも皆さん方がいらしたおかげで、こういうふうに台湾に...(失念)頂いて、
本当にありがとうございます。謝謝!

(講演会終わったあと、御大とアア子さんは空港に直行、日本に帰る)
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:22:21.45:BCbr4wcr
258 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 00:08:37 ID:???
  これで全部です 皆さんお疲れ様ー

259 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 00:10:31 ID:???
  お疲れ様です

260 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 00:13:41 ID:???
  おつ!

261 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 00:58:10 ID:???
  お疲れ様

262 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:04:53 ID:???
  やっぱり富野は真実一路なハゲだなあ

263 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:09:14 ID:???
  村上のアレはさすがにヤバくない?

264 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:21:48 ID:???
  富野が業界で孤立している理由がそこにある

265 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/02/24(日) 01:32:24 ID:???
  村上隆なんて方々でボコボコに叩かれてんじゃん
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:22:32.41:BCbr4wcr
【斧谷稔】大富野教信者の会part69【井荻麟】
ttp://anime3.2ch.net/test/read.cgi/x3/1206247720/

11 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/03/23(日) 15:51:16 ID:???
  >10年くらい前からうすうす感じてはいたんですが、僕の作品を観てくれた人が、文芸や芸能、
  >それに産業や科学技術に至る分野で、僕には全然かなわない仕事をやっている現実がある。
  >こうした事情に関してアニメメディアは実に鈍感です。
  >以前、ある雑誌で「富野の後継者」という特集があったのですが、
  >その中でアニメの関係者の名前が並べられていました。これを読んで本当にムカッときました。
  >アニメを職業としているからといって、そこにしか富野の後継者がいないわけはない。
  あのう、ここで言及した雑誌とは何か?知ってますか?
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:22:41.45:BCbr4wcr
184 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/03/27(木) 00:25:44 ID:???
  そのスレのターンAの癒しの引用をコピペ

  >上井草の駅前からサンライズの
  >抗議のビラを貼る。これはいいアイデアだと思えた。
  >どのような物を書くか考え、当たり前の物ではインパクトがないから、
  >スキャンダラスなものがいいだろうと深夜、塾考する。
  >猥褻な物がいい!それも僕が得意なSM物だ!

  これ実行してたら像は建ってなかったなw
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:22:53.17:BCbr4wcr
705 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 14:52:47 ID:???
  台湾版ダムエーの今月号のTaipei Game Showダムエー独占富野インタビューを見て、
  しばらく放心状態になっていた......

750 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 23:49:17 ID:???
  >705
  おーい、これに興味ある人いる?
  一応未出だけど、かなり 工エェェ(´д` )ェェエ工 の発言だよ...

751 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/03(木) 23:51:51 ID:???
  うぷ

758 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 00:28:21 ID:???
  >751-755
  了解 ちょいお待ち
  でも漢文しかないから、再現度は前回とは比べられないよ

759 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 00:28:43 ID:???
  やめて>750!その人は私達の・・・

760 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 01:47:40 ID:???
  とりあえず半分
  かなりいい加減の翻訳なので、ご注意

761 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 01:54:17 ID:???
  たしかにね、ついさっき見たマクロスFの戦闘なんか
  物凄いディティールでTVアニメと
  思えないような素晴らしいクオリティではあるんだよ。
  ただ、最新技術の見本市を見せられてる感じで
  へー凄いと感心はするけどいまひとつ胸に響かない。
  富野作品のような時代を超越する情念は感じられないんだよな。
  だから、新作の音沙汰がないとは言え富野作品をこうして待望するわけで。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:23:05.96:BCbr4wcr
762 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 01:55:34 ID:???
  まさか政界へ参戦………!?

763 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:05:48 ID:???
(引用者註:このインタビューの翻訳者は台湾人の富野ファンなので、日本語が少し怪しい)
Q:台湾に対する印象は?
A:デジタルフォーラムのスタッフにしか接触しなかったので、真面目で忙しい人たちだなとしか言えません。

Q:日常生活はどう過ごしますか?
A:基本的は仕事しか知らない人なので、普段も仕事のことを考えてます。

Q:学生時代の勉強はアニメ制作に役に立ったんですか?
A:あまり役に立てません。大学時代は実際制作のコース、
  つまり技術論に属してる範囲のコースはほとんどなかったので、
  その部分は圧倒的に足りなかった。

  それでも、監督というのは、技術論だけではなりません。素質と才能と経験も必要です。
  僕の場合でいえば、60過ぎてからそれが気づいたのはツライなのですが(笑)、
  やはり学生自治執行部の書記長と副委員長をやった経験が、
  話作りにとても役に立ったと思います。

  監督論(演出論?)の部分なら、それはもう職場に入って、
  何十作も作ってから身に付けたものとしか言えません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:23:14.71:BCbr4wcr
Q:学生自治部というのは?
A:ですから学生自治の執行部。政治をやってるのではなくて、ただの学生自治なんです。
  僕はその部門の中ではあまり仕事した覚えはないけど(笑)、
  やったのは大体学生の管理監督とか、学校との付き合いくらいかな。
  当時...といっても40年前なんですけど、
  産業と大学と学生をもっと連携してくれとか、大学は何をするべきとか、
  基本的は学生の自治権を得るために色々喚いたんですけど、実際一切成果もありませんでした。
  でも、組織としての執行部にいたおかげで、運動部や文化部、
  あるいはサークルの色んなエリートたちに接触し、共に理想や目標を目指して、
  一緒に努力していたことができて、ガンダムの時の軍隊や国家に対する思考もできたわけです。
  最初そんなにはっきり意識したことはないのですが、
  最近となって、やはり学生時代の経験は、作品に一番反応すると思います。
  単にアニメを作る技術や映画を撮る技術があっても、話作りには役に立てません。
  これは大学一番の経験です。

Q:安彦や湖川さんと組むきっかけは?その絵柄に触発されたところはありますか?
A:人のめぐり合わせです。自分は自発的スタッフを選ぶこと一度もありません。
  大事なのは、他人と一緒に仕事にいられるかどうかという素質です。
  でも両氏の絵を見て、作品作りとキャラ作りという面に対して、かなりプラスに働いてたことも事実です。
  ぶっちゃけて言うと、下手なキャラ絵は、刺激にならないのです。
  ああいう劣悪なのを見ても、我慢し続けるしかない制作というのは、とてもツライことです。
  この意味でいえば、安彦と湖川はとても優れた人たちです。

Q:彼らの絵はキャラ作りに影響与えたことはありますか?
A:もちろんあります。そういう意味では、最近のアニメスタッフは
  キャラに縛られすぎて、かえって話作りを放棄してるような気がします。
  つまり、ただ絵に執着してて、キャラを動かすことこそ
  キャラの個性を作ることさえ忘れて...そうならないのこそクリエイターなのです。
  この部分も実は才能のひとつなのですが。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:23:42.72:BCbr4wcr
764 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:10:12 ID:???
  うpありがとう。
  前半部分にそれらしい発言は入ってないのかな?
  とりあえずインタビューがいつもの通りで安心したw

765 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:11:03 ID:???
Q:自分の作品の中、一番好きなのは?
A:そんな質問、僕は答えると思うの(笑)?絶対言いません(笑)。

Q:アニメと小説を作る時の気持ちは違いますか?
A:根本的に違います。媒体が違うから。小説は文字で表現するために、
  もっと厳しいものですが、かなりの人は混同します。

Q:それはガンダムの小説とアニメの展開が違う原因なんですか?
A:区別化する必要がある場合もあれば、かならず同じにしなければならないケースもあります。
  ですが、一部の読者や編集は同じタイトルにとらわれ過ぎて、
  文字作品と映像作品の内容を同じするならば、同じような面白さが作れると思いますが、
  それは媒体に対する理解力の不足です。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:23:50.91:BCbr4wcr
Q:アニメと小説、どっちが自分の気持ちをより伝えると思います?
A:僕は文学が好きです。かつてそのようなマネもしたことがありますが、
  やはりアニメは自分の能力を拡大してくれることもできれば、
  自分の不足も補ってくれる媒体なので、とてもありがたいと思ってます。

  文字媒体は個人ワークなのです。一人ですべてが作れるのは才能が要ります。
  僕はそれができないので、作家とは言えません。
  僕は僕自身一人モノを作れると、作品が閉鎖的になると自覚してるので、
  やはりアニメというスタッフワークが必要という媒体を選らざるを得ません。
  こういうチームワークによって制作することは、実をいうと、
  かなり存在価値があるので、関係者たちにもこのことを理解してほしい。
  つまり、こういう制作体系の下でしか作れない媒体が存在してるのですが、
  関係者たちは無理解なために、無意味な作品が次々出てくるわけです。

Q:今年はガンダム30周年なんですが、愛されて続ける訳は何だと思います?
A:その話の構造や概念...ぶっちゃけ言うと、かなり当たり前なものなんです。
  でも、その当たり前の部分が当たり前の表現で世に出てくるこそ、今の人気があるのです。
  大事なのは、この3、40年以来、つまり第2次世界大戦終わった後の
  技術革新という時代性を、人型ロボットという象徴と共に、話に組み合わせたことなのです。
  この二つの要素はあってこそ、ガンダムは30年も続けるわけです。
  ひとつも欠けると、今のガンダムはいません。

Q:一言で「ガンダム」という作品を表現してください。
A:二つの答えを用意しているのですが、やはりコレにしようかな、人に嫌われたくないから(笑)
  えー、「ガンダムは新世代の人に対するあるメッセージ」、これはどう思う(笑)?
  ......じゃ、やっぱり「自己能力を開く作品」(笑)。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:07.02:BCbr4wcr
766 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:19:23 ID:???
Q:未だに続くガンダム新作について。
A:それは答えられません。全然見てませんから。
  自分の作品は仕事の都合でやはり見返しますが、
  他人の作品は基本的に見ません。だから答えられません。
  もちろん、これにはもうひとつ理由があります。
  「自分が作ったもの以外にもガンダムがあるということを意識したくないから」、あえて見ません。

Q:新ガンダムを作りたいですか?
A:個人的は作りたいですが、でも新ガンダムとしてではなくて、
  あくまで新作品として作りたいです。
  これはもう安彦や湖川と一緒に仕事したころと同じように、
  アニメというのは、個人の思いだけでは作れません。
  だから提案があれば、やります。逆に提案がなければ、
  こっちから願うこともないし、口に出すこともありません。
  その訳は聴きたくない(笑)?
  (↑何故かそのままスルーされる)

Q:アニメ以外のガンダム作品、たとえば「ユニコーン」とかは見ます?
A:一行も読んでません。作者は企画書に送ったこともありますが、
  僕自身のガンダムじゃありませんから、見てません。

Q:一応UCの話なのに...見たくない理由は?
A:ガンダムは基本的僕の作品なんですが、勝手に他人に作らせて続けるものでもあります。
  こういう状態の産物を僕が見たいという人のほうがよっぽどおかしいです。
  僕はそんな無神経な人じゃないですから。

Q:つまり、アニメ、小説の新ガンダムは、監督にとって、
  自分のガンダム作品じゃないことということですか?
A:そりゃ他人の作品でしょう。違うか?他人のガンダムに興味はありません、その出来はどうあれ......
  逆にいえば、例えばいい出来であっても、もう僕のガンダムじゃないですから。
  僕にとって、自分のガンダム作品の中はもう色んな色が付いてますから、
  何故わざわざ他人のガンダムを見る必要はあるのですか?
  そんな見なければならない任務と義務に僕はありません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:14.25:BCbr4wcr
767 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:20:53 ID:???
  とりあえずここまで

768 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:25:06 ID:???
  おお、ありがたいな
  ところでショッキングな話ってのはまだだよね?

769 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:25:46 ID:???
  >761
  甲殻はまさにそうだな
  つまり、技術は時代と共に消化されたあと、何が残る…ってこと

770 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:27:51 ID:???
  何のことはない
  いつもどおりの禿で安心した

771 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:30:40 ID:???
  >768
  皆さん乙 時間も遅いので、残りの部分はまた明日にします すみません、皆さんおやすみー

  もし前回と比べて、翻訳レベルが落ちたと思う方がいるなら、正しいのです
  正直これは文句なのですが、今回のインタビューの後半にあたる内容には
  かなりフラストレーションを覚えたので、
  あまり集中できない(というより集中したくない)のです ごめんなさい

772 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:32:54 ID:???
  >一応UCの話なのに
  それ言ったら08や0083だってUCやがな

773 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 02:34:14 ID:???
  >770
  ちょっと補足しますと、これは1/24の15時からのインタビュー(記者会?)で、
  前回レポートした質問会(1/24の16時)や講演(1/25の10時)より早かったので、
  一番最初のものとなってます
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:31.51:BCbr4wcr
831 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 11:48:43 ID:???
  お待たせ、後半の投下です
  わかり辛いところはどうかおっしゃってください

832 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 11:55:28 ID:???
Q:では、どうしてZを新訳3部作としてリメイクしたんですか?
A:それはもう明確な意図があったからです。
  一般の製作者ならば、一旦作れた作品を使って、
  完全新しい話しをすることなんて出来るか!と思うのかもしれないですが、
  僕はあえてその固有概念を壊したいのです。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:36.41:BCbr4wcr
  ガンダムという作品はいくら作っても、所詮フィクションです。作りものです。
  一作家の頭の中で考えたもので、実在のものではありません。
  それに、僕にとって、前のZガンダムの話をアニメの作りでいえば、
  そんなに理想的なものではありませんし...
  特にZガンダムを作る時の状態を考えると、
  僕自身はアニメ業界にかなり強烈な不信感やフラストレーションを持っていた。
  だからこそ、そのアンパイなロボットアニメを強要していた大人たちに対して、
  僕は「僕はこんな怖いものも作れるぞ」という考えで作ったわけです。
  今となって、やはりそれは創作のタブーを犯したと思いますので、
  その当時のZガンダムをこのまま全肯定してはならないと思って、新訳を作ったのです。

  それでも、旧フィルムのツギハギで新作を作る企画を受けたのです。
  そのときは、すでに20年経って、大人になって、
  当時のものをそのまま商売にしたい成人たちがいるわけですが、
  映画そのものの方向性は議論はないものの、内容について、
  やはり「昔のZみたい暗いものにしたくない」という声も出てきて、
  僕はその話に受けて、「じゃあ、明るいZにしよう」と言ったのです。
  で、「そんなのおまえできるのか」と問われたとき、そんなに確信持ってないのですが、
  半分嘘、半分「なら、つくって見せる!」という意気で、制作を始めたのです。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:44.56:BCbr4wcr
  それで、僕はこういう話の構造を全然変わないのに、
  思想をどんでん返ししたような作品を作ったのです。
  アニメというフィクションは実をいうと、便利なんです。
  せりふを変えても、違和感が感じさせないものなんです。
  実写でこういうことをしようとすると、たちまち洋画の吹き替えになっちゃうけど、
  アニメの場合、アフレコを採用するために、台詞を変えてもいいという絶対有利な条件が持っている。
  だからこそ、僕は台詞と画面をちょっとずついじって、暗い話を明るくする挑戦もできたわけです。
  こういうどんでん返しの作業は、まさにいままで世界中誰もやったことないことで、
  極めてアーティスティックな仕事なんです。そんな自信があります。
  しかし、これに関してあまり評価する人がいませんけど。
  つまり......観客はこれを当たり前として見ているかもしれません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:51.11:BCbr4wcr
833 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 11:59:04 ID:???
Q:個人の意見ですが、テレビ版のカミーユに結構共感あるのですが...
A:こういう意見があること十分承知してます。だからこそ明るいZとしてリメイクしたいのです。
  繰り返しますが、これはまさにフィクションだからできることなんです。
  それで、この仕事は実をいうと、とても面倒なんです。
  でも、やっぱりこういう現実的な仕事をするこそ、
  何時までも同じような話を作るような人だけに落ちないで済むのです。
  だからZは僕にとって、ひょっとしたら今回の映画版で終わったものかもしれません。
  これを考えれば、こういう仕事をする人は他にいませんと思うし、
  まさにZこそできたことなんです。
  だから、はっきり言うと、制作期間ではいつも
  「こんな明るい話を作ってるのに、ストレスが溜まる仕事はしたくないなー」と思うのですが、
  たかがロボットアニメ、たかが漫画なんだから、
  やはりこの程度のチャレンジはすべきこそ、大人の責任だと思います。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:24:58.09:BCbr4wcr
Q:ですから、監督は明るいZを作ったことに対してよかったと思ったんですか?
A:はい。この仕事があるこそ、自分が仕事し続けると感じてますし、
  自分にこの仕事を終わらせるモチベーションもくれたから、
  本当にありがたいと思ってます。
  Zをこれ以上暗くするのは、実を言うと、とても簡単なことです。
  そういう人も自分も病気にするような作品を作る自信はありますが、
  みんなを病気にしてどうする(笑)?どうにもならないでしょう。
  こういうみんなをみんな自分の心の病むところの承認を強要するような作品、
  ことさら映画にもなれば、かなり世間に影響を与えます。
  こういうものを容認する世間に対して反動したいですし、
  こういう作品は21世紀に残したくはありません。
  だからアニメ監督としての腕を使って、試してみたんです。
  で、台詞は簡単に変えられるとは言え、
  フィルムの長さはそう簡単に変えられるものではありませんから、
  こういうかなりの制約の中でやらざるを得ない新作というのは、実を言うと大変なんです。
  だからこそ、このような大変な仕事を終わって、
  かなり達成感を感じました。こういう挑戦をやってよかったな、と。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:25:17.97:BCbr4wcr
834 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:01:21 ID:???
Q:Zも含めて、かなりのCG作品が増えています。
  CGについてどう思います?ご自分のこれからの作品には、CGを使うつもりはあるのですか?
A:昔は使いたくないなあと思ったんです、
  逆に、今はこれがないと、作品を使えない......というのは現在のアニメ業界の制作なんです。
  CGとはいえ、所詮アニメなんです。普通の映画でさえ、
  CGが当たり前になった今、もうこのような技術に縛られたんです。
  もっと簡単に言うと、CGというのは便利で省エネの一方、
  同等かそれ以上の時間と人力を費やすもので、本当に不思議なんです。
  これをどう使うかの思考は、ホント面白い仕事なので、これからも使い続けると思います。

Q:キャラも含めてですか?
A:はい。ただこれに関して、CGを使うとはいえ、キャラはやはり手書きなものです。
  手書きですが、果たして2Dか、3Dか、あるいは3Dを使って2Dの絵柄を使うかどうか、
  それはもう作品によって異なるので、そういう技術論に関して、答えられません。
  作品のテーマや色......つまり表現の手法、
  どうキャラを作るか、それは作品と合えば採用するしかないのですが、
  ディテールに関しては、個別の作品論に関わるので、やはり一概とはいえません。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:25:28.94:BCbr4wcr
835 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:03:51 ID:???
Q:日本以外でも大人気のガンダムなんですが、その訳は何だと思います?
A:僕の立場でいえば、そんなに人気あるとは思いません。
  少なくとも「スターウォーズ」には勝てません(笑)。

Q:そうですか?ロボットアニメといえばガンダムなんですが...
A:これに関して不思議にならないのですが...というより、そんな自信はありません。
  ただ、人気があることを意識してないこそ、作り続けるモチベーションが保ったのです。
  ルーカスみたいなプロになるように努力しているこそ、
  この作品が人気があることを認めることができません。
  だって、もしそれを容認した瞬間、気が緩むのです。

  さらに言うと、ガンダムは「スターウォーズ」と違って、一般人の間には知名度がないんです。
  観客というのは、「アニメファン」ではなくて、「一般人」なのです。
  アニメが持っている映画的なフィーリングは、もともと一般層にも受けるはずなのに、
  今はただアニメファン志向のビジネスでしかないのです。僕はそれと戦いたいのです。
  アニメファンが受けるものだけでは、一般人に受けるはずがないのです。
  だから一般人にも受ける要素を入れなければなりません。

  ただ、アニメはアニメ自体だけで「売り」になることはできません。
  それが出来たのはおそらくピクサーくらいしかありません。
  アニメ自体だけでは勝てないこそ、ガンダムという名でピクサーを勝ちたいなら、
  ピクサーよりより多くの要素を作品に置かない限り、
  絶対に勝てません。だから今でも、ガンダムがそんなに人気があるとは思いません。

Q:ガンダムを制作する時、一番印象深かったのは?
A:安彦が倒れたこと。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:25:53.81:BCbr4wcr
836 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:06:32 ID:???
Q:Zの準備稿階段のタイトルはもともと「逆襲のシャア」なのですが、
  Zの時からすでに映画「逆シャア」の構想はあったんですか?
A:それは話を考える上の方便でしかありません。タイトルが最終的「Z」になったのは、
  Z原案の「逆襲のシャア」の話を考えるときに、カミーユというキャラに絡んだ時に、
  やはりカミーユを主人公にするほうがいいと思いました。
  それと、業界的にいえば、そのほう(カミーユを主人公にすること)が
  より暗くする、より人を不快させる話をしやすいと思ったからです。
  だから最初の「逆襲のシャア」からシャアを主人公にするつもりはありません。
  それで、Zというタイトルを付けた時、
  Z原案の「逆襲のシャア」のコンセプトを全部捨てたわけです。
  だから少なくともZの時点では、後の「逆襲のシャア」の構想は一切ありません。
  でも、Zが終わった後、また新しい話を考えたときに、
  まったくZと関係なく新しい話にしようと思ったんので、
  今思えば、Zとまったく関係ないこそ、逆シャアをよりわかり易くしたのではないかだと思います。

Q:リーンの翼以降、新作の予定は?
A:僕の立場でいえば、まったくありません。
  僕の立場でいえば、企画があれば試すものなんだから、基本的は作りたいけど、
  今の段階ではまったく予定はありませんから、制作するつもりはないと等しいです。

Q:新ガンダムやバイストン・ウェルシリーズを作るつもりはあります?
A:まったくないでしょうね。世間ではどうしでもやらざるを得ない、
  あるいは死ぬまで精力を保って作品を作り続けたい状況もあるのですが、
  僕の立場で言えば、自分が作家性格がないために、
  作りたいままで作らせるつもりはまったくありません。
  それで、自分はクリエイターとしてのプライドもあるのですが、
  創造の動力が足りませんので、同時に自分を惨めなクリエイターだと思ってます。

Q:最後はガンダムエース台湾版の読者に一言お願いします。
A:アニメを離れて、デジタルコンテンツを開拓しろ!異種格闘技を学べ!アニメばっかを見るな!
  というのは、Zガンダムから伝え続けるメッセージです(笑)。
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:26:01.82:BCbr4wcr
837 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:10:06 ID:???
  これで終わりです 皆さんオツカレー

  それと、コレを読んで、どうして僕がフラストレーションを受けることがわかるでしょうか?
  まあ、こうも簡単に台湾でリークしてくれるとは思いませんけど、ショックといえばショックです...

838 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:13:10 ID:???
  おつかれ様でした。
  しかし、ショックがでかいな。

839 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:13:43 ID:???
  >837
  長文お疲れ様です
  貴方のような方がいて本当によかったと思います

  >Q:ガンダムを制作する時、一番印象深かったのは?
  A:安彦が倒れたこと。

  不謹慎だがなんかワロタ

  新作は無しかあ・・・
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 21:26:08.94:BCbr4wcr
840 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:16:24 ID:???
  明日から、シウバに弟子入りするわ

841 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:23:37 ID:???
  この時期で話も来てないってか
  今年も核の冬だな

842 名前:通常の名無しさんの3倍[sage] 投稿日:2008/04/04(金) 12:28:52 ID:???
  >839
  ありがとう まあ、せっかくの一大イベントだし、
  このスレに浸してる身(というより富野信者)として、
  やっぱり何かを貢献したいし
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2020/09/30(水) 22:06:30.63:BCbr4wcr
次スレ
富野由悠季の名言 その2
ttps://egg.5ch.net/test/read.cgi/rongo/1601469924/
名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2020/10/07(水) 12:51:56.02:8JUExXME
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