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マルティン・ハイデガー6


考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:39:20.330
前スレ
マルティン・ハイデガー5 [無断転載禁止]©2ch.net
ttps://lavender.5ch.net/test/read.cgi/philo/1468060350/
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:47:50.430
ハイデッガー全集

Martin Heidegger Gesamtausgabe, Frankfurt, Vittorio Klostermann, 1976-
ttp://http://de.wikipedia.org/wiki/Gesamtausgabe_%28Heidegger%29
・ハイデッガー全集の独、日、英版リスト

『ハイデッガー全集』辻村公一ほか編、創文社、1985-
ttp://http://ambos.h■atenablog.com/entry/2015/01/03/220709
・邦訳状況一覧

下記『ハイデガー読本』には、全集全巻のサマリーがある
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:48:45.540

ハイデガー読本(秋富克哉、安部浩、古荘真敬、森一郎、法政大学出版局)

『ハイデガー読本』(2014) 
・ハイデガーの主要な概念や思索を個々の論文で追ったもの
・巻末に全集全巻のサマリーあり

『続・ハイデガー読本』(2016)
・古代ギリシャからポスト構造主義〜プラグマティズムまで
・ハイデガーが読んだ哲学者や、ハイデガーを読んだ哲学者など、哲学史を通して描かれるハイデガー
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:49:03.860
ハイデガー哲学の主要概念

現存在、実存、存在了解、基礎存在論、事実性の解釈学、
時間性、テンポラリテート、世界内存在、存在論的差異、
本来性/非本来性、形而上学、言葉(ロゴス)、真理(アレーティア)
自然(フュシス)、存在史、性起、転回、存在忘却、故郷喪失、放下

『ハイデガー:知の攻略 思想読本』 木田元編、作品社 (2001) 用語集より
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:49:24.420
最小限の時間でハイデガーを始められる3冊

・ハイデガー 『存在と時間』 細谷貞雄訳、筑摩書房 (1994)
・ハイデガー 『現象学の根本問題』 木田元訳、作品社 (2010)
・木田元 『ハイデガー「存在と時間」の構築』 岩波書店 (2000) (※ケーレと上記2冊の解説を含む)
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:49:57.750
『Sein und Zeit』の主な訳本 (英:Being and Time、仏:Être et Temps)

『存在と時間』 筑摩書房 (細谷貞雄訳) 全2巻
『存在と時間』 中央公論新社 (原佑、渡辺二郎訳) 全2巻
『存在と時間』 作品社 (高田珠樹訳)
『存在と時間』 岩波書店 (熊野純彦訳) 全4巻
『存在と時間』 光文社 (中山元訳)<...刊行中> 全8巻
『存在と時間』 岩波書店 (桑木務訳)
『存在と時間』 勁草書房 (松尾啓吉訳) 全2巻
『存在と時間』 三笠書房 (寺島実仁訳)
『存在と時間』 理想社 (細谷貞雄、亀井裕、船橋弘訳)<ハイデッガー選集>
『有と時』 創文社 (辻村公一、ハルトムート・ブフナー訳)<ハイデッガー全集>


「Destruktion」の訳語

「解体」=細谷、桑木、高田、中山、辻村(構造解体)
「破壊」=原&渡辺、熊野、松尾、寺島
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:50:28.340

ハイデガー 『存在と時間 <上>』 序論2章6節、細谷貞雄訳、筑摩書房 (1994) p68

“それ自身の歴史に透明な見通しをつけることが
 われわれの課題なのであるから、
 固定化した伝統を解きほごして、
 その伝統が生みだしてきた蔽塞状態を解消することが必要となる。
 この課題をわれわれは、存在問題を手びきとして、
 古代的存在論の伝承的形態を解体し、
 かつて存在の最初の ―そしてそれ以来主導的となった― 諸規定が
 そこで得られた根源的諸経験へひきもどす
 解体作業(Destruktion)という意味でうけとる。”
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:51:01.700
デリダの脱構築(déconstruction) → ハイデガーの解体(Destruktion) → ルターの解体(destructio)

という経緯については、以下が詳しい。

・宮ア裕助 「プロト脱構築について――ルター、ハイデガー、デリダ」
 『現代思想 2018年2月臨時増刊号 総特集=ハイデガー -黒ノート・存在と時間・技術への問い-』

・茂牧人 「なぜ日本にキリスト教哲学が必要なのか」 (2009) ※ハイデガーとルター ttp://https://serve.repo.nii.ac.jp/index.php?active_action=repository_view_main_item_detail&page_id=49&block_id=42&item_id=1245&item_no=1
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:52:10.110

デリダの脱構築(déconstruction) → ハイデガーの解体(Destruktion)

“親愛なる井筒教授(…)私たちが会ったとき、私はあなたに「脱構築」という語について―図式的で予備的なものではありますが―いくつかの省察をお約束しました。[略]
 なかんずく私が望んでいたのは、ハイデガーのDestruktion〔破壊〕もしくはAbbau〔解体〕という語を私の意図へ翻訳し翻案することでした。このハイデガーの二つの言葉がこのコンテクストで意味していたのは、西洋存在論もしくは西洋形而上学の根本諸概念の伝統的な構造ないし建築にかかわる操作でした。
 けれどもフランス語では「破壊〔destruction〕」という語は、ハイデガー的な解釈もしくは私が提案していたタイプの読みよりも、おそらくはむしろニーチェ的な「粉砕」に近い無化、否定的還元という含意があまりに際立っていました。
 そこで私はこの「破壊」という語をしりぞけたのです。私はこの「脱構築」という語(一見きわめて自然と思われる仕方で私に到来したこの語)が、たしかにフランス語であるかどうか、探ってみた記憶があります。”


・ジャック・デリダ 「日本の友への手紙」 『プシュケー:他なるものの発明Ⅱ』 (2019/03/27) p2-3 ttp://https://www.iwanami.co.jp/moreinfo/tachiyomi/0246900.pdf
※デリダの最重要概念である"脱構築"の説明を収録した『プシュケー』は、これまで邦訳されていなかった
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:52:50.800

ハイデガーの解体(Destruktion) → ルターの解体(destructio)

ルター「ハイデルベルク討論」の「十字架の神学」部分

> (19)神の「見えない本質が」「造られたものによって理解されると認める」者は、神学者と呼ばれるにふさわしくない[ローマ 1:20]。
> (20)だが神の見える本質と神のうしろ(Posteriora Dei)[出エジプト 33:23]とが、受難と十字架によって認められると理解する者は、神学者と呼ばれるにふさわしい。

ハイデガーが掘り起こした古代ギリシャの「真理(アレーテイア)」概念(『ハイデッガー全集 75』)

> “既にこの太古の神性Ἀφαία(アパイア)
>  - 現われざるもの、現われることから身を引くもの、逃れつつ現われ出でるもの -
>  それがアレーテイアの謂うところを名指している。”

このどちらもが、「現れるもの」と「現れざるもの」を問題にしている。


・『ルター著作集 第1集 第1巻』「ハイデルベルクにおける討論」 ルター著作集委員会 編、聖文舎 (1964)p109-110
・D. Martin Luthers Werke : kritische Gesamtausgabe (Weimarer Ausgabe) Bd1, Weimar, H. Bohlaus Nachfolger, 1964-1997, p354
 Disputatio Heidelbergae habita. 1518
 "19. Non ille digne Theologus dicitur, qui invisibilia Dei per ea, quae facta sunt, intellecta conspicit,
 20. Sed qui visibilia et posteriora Dei per passiones et crucem conspecta intelligit."
・『ハイデッガー全集 75 ヘルダーリンに寄せて』 p279
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:53:33.560
真理(アレーテイア)について

“「真理」という語は、ギリシア人のもとでは或る否定を伴っている、
 すなわちア-レーテイア<ἀ-λήθεια>――
 非-覆蔵性、覆蔵されて-いないこと、である。”
― 『ハイデッガー全集 55 ヘラクレイトス』 p110

“既にこの太古の神性Ἀφαία(アパイア)
 - 現われざるもの、現われることから身を引くもの、逃れつつ現われ出でるもの -
 それがアレーテイアの謂うところを名指している。”
― 『ハイデッガー全集 75 ヘルダーリンに寄せて』 p279

“自然(ピュシス)は隠れることを好む”
― ヘラクレイトス 断片123(『ハイデッガー全集 55 ヘラクレイトス』 p141参照)

ピュシス [physis]
〔哲〕 〔自然の意〕 単に物質的な自然でなく、生ける霊にみちた能動的・有機的なもの。ギリシャ哲学の最初の主題となった。(大辞林 第三版)
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:55:38.850

『存在と時間』の前後とケーレ(Kehre 転回)

『アリストテレスの現象学的解釈』(1921/22年)(「ナトルプ報告」、『存在と時間』の原型)
『カッセル講演』(1925年)(『存在と時間』の原型)

『存在と時間』(1927年)
『現象学の根本問題』(1927年)(『存在と時間』の仕上げ的内容)

『真理の本質について』(1931/32年) <----- 思索のケーレ(転回) -----
『形而上学入門』(1935年)(2段階目のケーレ)

『哲学への寄与論考』(1936年)(『存在と時間』からの到達点)

『「ヒューマニズム」について』(1946年)(ケーレについての回顧)


2段階のケーレ

ハイデガーは1930年代の前半に、思索のケーレを経験する。
それは現存在から存在へ、つまり人間よりも存在を重視する存在論的転回だった。

更に、その存在については、存在了解(存在理解)から存在の生起へというケーレを重ねている。(“有の了解から有の生起へ”『形而上学入門(全集版:補説)』)
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:56:21.830
四方界 <Geviert>について

“元有の真理を、われわれは、世界が世界するはたらきにおいて思索し、
 天空と大地、死すべきものどもと神的なものどもからなる四方界の反照-遊戯、ととらえた。”

― 『ハイデッガー全集 第79巻 ブレーメン講演とフライブルク講演』 p93
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:57:29.590

天空、大地、人間、神々

   \ (1)  /
    \  /
 (2)   X   (3)
    /  \
   / (4)  \

(1)空 SKY
(2)人間 MORTALS
(3)神々 DIVINITIES
(4)大地 EARTH
― 『ハイデガー(FOR BEGINNERSシリーズ)』 p147の図


     人間

      ↑
大地 ← E → 世界
      ↓

      神々

Eは
Ereignis(性起)または
Erklüftung(裂き開き)
― 『ハイデッガー全集 65 哲学への寄与論稿』 p335の図
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:58:15.540

<Geviert> 四方界(四方域)の解説

・『現代思想 2018年2月臨時増刊号 特集=ハイデガー-黒ノート・存在と時間・技術への問い-』
(1)グレアム・ハーマン「大陸系実在論の未来:ハイデガーの四方界」“四方界こそハイデガーの最高の発見”
(2)村井則夫「自性態と四方域:後期ハイデガーにおける概念的思考と像論」
・神尾和寿「ハイデッガーにおける「四方界(Geviert)」の思想の可能性と限界を巡って」(2001)
・試論:四方域[Geviert]の範疇論的解釈に至るための準備 ttp://http://trounoir.ohitashi.com/geviert.html
・鈴木哲「四方域の思惟への道 ハイデッガーの新たなる世界思惟」(1995) ttp://https://www.jstage.jst.go.jp/article/philosophy1952/1995/45/1995_45_252/_article/-char/ja/
・秋富克哉「技術時代に死すべき者たちとしてこの大地の上に住む : ハイデッガーの技術論再考」(2013) ttp://https://www.jstage.jst.go.jp/article/rsjars/87/2/87_KJ00008912632/_article/-char/ja/
・辻村公一 『ハイデッガーの思索』「八 或る一つの東アジア的見地から見たハイデッガーの世界の問 ―集-立と四方界―」 (1991)
・グレアム・ハーマン 『四方対象: オブジェクト指向存在論入門』 (2017)


四方界関連

・『ハイデッガー全集 79 ブレーメン講演とフライブルク講演』〈1949、1957〉
・『ハイデッガー全集 65 哲学への寄与論稿-性起から(性起について)-』〈1936-38〉
・『ハイデッガー全集 4 ヘルダーリンの詩作の解明』〈1936-68〉  
・『ハイデッガー全集 39 ヘルダーリンの讃歌』〈1934-35〉  
・『ハイデッガー全集 52 ヘルダーリンの讃歌『回想』』〈1941-42〉  
・『ハイデッガー全集 53 ヘルダーリンの讃歌『イスター』』〈1942〉   
・『ハイデッガー全集 75 ヘルダーリンに寄せて』〈1942-43〉
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:59:30.600
ハイデガーとナチズム関連

(1)『ヒトラーと哲学者 哲学はナチズムとどう関わったか』 イヴォンヌ・シェラット (2015)
(2)『ハイデガー哲学は反ユダヤ主義か 「黒ノート」をめぐる討議』 ペーター・トラヴニー (2015)
(3)『ハイデガーとナチス』 ジェフ・コリンズ (2004)
(4)『ハイデガーとナチズム』 ヴィクトル・ファリアス (1990)
(5)『ハイデガー哲学とナチズム』 トム・ロックモア (1999)
(6)『ハイデガーと「ユダヤ人」』 ジャン‐フランソワ・リオタール (1992)
(7)『アーレントとハイデガー』 エルジビェータ・エティンガー (1996)
(8)『哲学とナショナリズム ハイデガー結審』 中田光雄 (2014)
(9)『他者なき思想 ハイデガー問題と日本』 浅利誠 (1996)
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 21:59:51.750
以上
考える名無しさん [] 2019/09/18(水) 22:09:51.200
ドイツのハイデガー専門家の多くに物が壊れる色々な
映像を見せて判定させれば、日本語側での解体と
破壊どちらが原語のイメージに近いかある程度
客観的に判定できるだろうね
考える名無しさん [] 2019/09/19(木) 00:42:10.600
ハイデガーの優れた部分というのは、『存在と時間』という代表作以外の著作群のなかに
あるのかもしれない。

Sein und Zeit (1927)『存在と時間』
H&ouml;lderlins Hymne &raquo;Der Ister&laquo;(1942)『ヘルダーリンの讃歌「イスター」』
Nietzsche (1961)『ニーチェ』

『存在と時間』が書かれたのは37歳の時。
『ヘルダーリンの讃歌「イスター」』が書かれたのは53歳。
『ニーチェ』が書かれたのは72歳。

哲学史で注目されている『存在と時間』は、まぎれもなくハイデガー初期の作品。
円熟期の著作こそ、すべての哲学者の中核的・根本思想であるから、『存在と時間』の根
本テーマがどれほど優れたものであるにしても、それはハイデガー初期の思想過程に過
ぎないということでしょうか。

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