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饂飩帳


饂飩 [>>sage] 2011/07/18(月) 01:18:16.94:RMaKkzH4
生きるもの全ては活動している
あの小鳥だって毎日食うものを探してる
俺にはそれが出来るだろうか
活動しない者は消えていけばいい
実世界でもそうであって欲しい
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 01:38:05.17:RMaKkzH4
蟻の地面

兼ねてからの願いだった あの星へ
近くの荒野より 近くの墓場より
随分探していたあのジーンズより 僕は憧れていたんだ

白い まだら模様の全貌は
どことなく懐かしさを帯びている
ここから眺めるこの星は まるでお菓子のよう

色は青色 木の葉色 僕は小屋の中
小さな虫が顔をかすめる
名前はいらない [sage] 2011/07/18(月) 02:22:35.95:oLYClmEr
「あの星」が「この星」になってる時点で言葉に対するお前の情熱の甘さに気づく
俺からすればお前が「活動しない者」だよ
それとも実は意味があるのか?
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 08:16:23.44:buyip9Rk

静かな音色は肉を叩く音 キャーシューキャーシュー
やがて虹色のお月様が
「通行券をお取りください」と
この僕に指図する

おっと 方向は常に南を向いてなくちゃならない
チャーシューチャーハン海鮮丼
僕はおもむろに月の頭をかち割った
あーいいかもー
この星に着地してからが本番だ

いいか 誰にも味を教えるな
砂糖で作られたと知ったらおしまいだ
この地は餓鬼しか生きてはいない
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 08:19:08.73:buyip9Rk

ありがとう
近くまでくれば「この星」だよ
そこまでの動きが見えないのは、俺が書かなかったからだけど
読み手に親切に書けないのは俺の悪い癖です。
名前はいらない [] 2011/07/18(月) 13:50:43.58:wVZvrDce
また糞スレ立ってるし。どうせ間もなく飽きて棄てちまうんだろうに
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 16:08:06.27:OAV/DM60
広場

高い壁に苛まれてる
短い脚のテーブルが置かれてる
見上げると小さな穴が空いている
息苦しいのはここが狭いからじゃない
手足を交互にバタつかせると 少し浮く

声を出すと体に激痛が走る
あらゆる血管に空気が入るみたいに
人が犇く音がする 次第に目が痛くなる

浮いたまま上がってこられない
そのまま上がれば出ることは出来る

しかしそれは出口なのか分からない
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 19:06:57.87:rTiPtjs+
想像と選択

うける!
君の笑う様と理由はは猿同然

泣ける!
君の涙は悲しいくらい安っぽい

癒される!
君の魂は永遠に解放されない

簡単な感情のファッションだ
服を着替えるように
香水をかけるように
恋人を変えるように

想像しよう
その中の
皮肉を
欲望を
経済を

それが流行の正体なんだから
何も見るな
何も聞くな
何も感じず
着せかえ人形のように踊れなんて
そんなこと君には出来ないのだから

君だけでも 探せる何かを選べばいい
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 20:01:13.44:rTiPtjs+
雑食の鳥

啄んでも舌を突き出しても
口の中には入らない物がある
それが木の実であっても
肉塊だとしても

僕らは 上を見ながら食べる
ボロボロと食べカスをこぼしながら
ここは臭い
ここで下なんか見ちゃ
嫌な気持ちになるだけさ

時間という広大な土地が広がっている
ここには
機嫌の悪い奴らばかり居座ってる

誰が何を話したとか
あれがこうなったとか
もういいんだ
僕も上を見てる

臭い
饂飩 [sage] 2011/07/18(月) 20:12:03.07:rTiPtjs+
ゆとり

とりあえずお前の話は分かった
後で裏口に来いよ
ビールとつまみをくれてやる
それからテレビとソファと
可愛い猫もやろう

壁はないが誰も見ちゃいない
お前だけの部屋だと思っていい
この世界はお前の部屋だ
周りを気にせず背伸びして
足を組んで懐には猫
扇風機はないが 北風は強い

そして凍える寒さの中
静かに息を引き取ってもいいし
そこのゴミ箱を漁って剃刀を取り出すも良し

俺にできることはこの程度だ
段ボール?
お前はさっき
俺に何て言った?
思い出せよ

お前の望むものは
すべて与えたんだから
饂飩 [sage] 2011/07/19(火) 09:38:40.88:65XoRwXx
野望と宿命に燃えてた時代は過ぎ
タイムリミット おしまいだ
歩くのを止め座り込んだ 俺はうつむき
痺れる足を固く縛る縄をほどいた

やり遂げられなかったことばかりが
散らかったまま 残されたまま
いつまでも汗はひかない
この胸の鉛の歯車はまだ微かに
回り続けている

俺の事を語る人はいない
みんないつだって何かに追われている
俺は後ろの景色になった
振り返ることはない それでいいんだ

陽が暮れるのをゆっくり待ちながら
ずっしりと重い歯車を
胸から取り出し 抱え込む
どこからか聴こえる悲しい歌声に
俺の心は少しだけ和んだ
饂飩 [sage] 2011/07/19(火) 10:05:26.15:65XoRwXx
おでかけ

今日は朝食に出かけましょう
素敵なカフェで卵のオムレツ
ジャムトーストとマキアート
君の眠たげな目が覚めるような
とっても美味しい朝食を
空っぽの籠と エプロン持って
さぁ出かけましょ

午後は買い物に出かけましょう
商店街でウインドウショッピング
君にも似合う服と帽子
ベルトに靴に携帯端末
わたしのおごりで構わない
ファッション雑誌とメモ持って
さぁ出かけましょ

今夜は映画に出かけましょう
君が観たいって言ってたあの映画
今日がその最終日 こればっかりは一緒に
一緒に来てくれなきゃいけないの

ねぇお願い ドアを開けて
早くそこから出てきてよ
饂飩 [sage] 2011/07/19(火) 20:59:30.91:65XoRwXx
午後四時四十五分

遊んでる奴らばかりとは言わない
人間を道具のように「使えない」とは言わない
上が単純に無能だとは言わない 一番おかしいのは
無理して働く俺たちかもしれない

定時が来て ぞろぞろと帰り出す連中
俺には関係ない 俺は残業組だ
経費削減とか ワークシェアリングとか
そんな言葉聞いても 俺には関係ない

労働しても教育はされない
もはや金でどうにかなる話じゃない

救ってもらいたい?そうじゃない
逆に救ってやりたいよ
君たちは定時に縛られてるんだ

時間を感じないくらい必死になれよ
お役所諸君 その革靴を脱いでみろ
すーくー@kusoなんたら [sage なんだ忍法帳って‥] 2011/07/20(水) 00:05:00.73:xQ50Wyqq
読んだ!!
雑草 ◆je5cNlouiI [] 2011/07/20(水) 00:25:03.01:NSHxl10m
蟻の地面:かすかすの空間が良い感じだと思う
広場:出口か出口じゃないのか分からないところが、詩に重さを与えている。もう少し説明を加えても良いような
想像と選択:流行に対して、一度否定してその先を考えることで、否定感の上の肯定を感傷的に与えている
雑食の鳥:臭いというワードが、ハンパに効果的に使われている。メッセージ性の強い詩が多い感じだが、
言葉にもっとこだわっても良いと思う
雑草 ◆je5cNlouiI [] 2011/07/20(水) 00:26:46.10:NSHxl10m
ゆとり:ちょっと分かりづらいが、そこを読み取らなければいけないのだが、どうしても段ボールが分からない。ごめん
:夢について感傷的に語られていて読みやすいのがいい
おでかけ:朝食、買い物、映画と分かりやすいが、ドアを開けて出てきて欲しいという視点に立って、他者に呼びかけている
のが優しい
午後四時四十五分:役所に対する不満を、意見で批判している。決めぜりふがもっと効果的に決まればいいのに
饂飩 [sage] 2011/07/20(水) 00:43:42.50:gDAk1RF4
石の鐘

村から少し離れた高台に
石で出来た鐘が吊り下げられている
火事や川の氾濫などを知らせるために
随分前に高台と共に設置されたものだが
一度もその鐘の音を聴いた者はない

警鐘の代わりにこの村の見張り番は
いざという時 石の鐘をタタンと撞きながら
村中に聞こえるよう こう叫ぶのだ

「鳴らないぞー!!石だから鳴らないぞーっ!!!」
饂飩 [sage] 2011/07/20(水) 01:00:31.47:gDAk1RF4
>>すーくーん
ありがとう。また会えたね。お互い、おかえりー!だね。
忍法帳のせいか出鼻を挫かれたぜ

>>雑草さん
こんな見ず知らずの麺類に丁寧な感想つけて下さって感謝します。
色々と未熟かつ適当な奴なんで、完璧さを求められると謝るしかありません。
段ボールは、ここでは暖を取るためのものです。
布団とかのほうが ゆとりらしかったかもしれない。


ボキャブラリーや生々しさは昔書いていた頃に比べて衰えてるのは確かで、
叩かれつつ建国したのは己のイマジネーションを取り戻すためでもあるのです。
いや、皆さんには関係ないですがね。好き勝手していいですか?
饂飩 [sage] 2011/07/20(水) 01:18:08.52:gDAk1RF4
再婚

君と出会って
君と別れた

ままごとを始めた時は
このまま一緒に居られたらいいな
先のことは考えたくないなって
それはまだ子供の話

嫌になって別れたのは
君が嫌いになったからじゃない
思い通りにいかない事を
君にせいにした僕のせい

そして今日は再婚記念日
やり直そうなんて思わない
これからようやく始めよう

君と別れて
君と出会った

ままごとでも いいじゃないか
饂飩 [sage] 2011/07/20(水) 01:37:46.71:gDAk1RF4
あの日壊れた残像は
地面へと散らばった
それは水溜りのように
下へ下へと落ちていく

川の下流に何となく
石拾いなんてしてみる
苔生した石に足を滑らす
川に落ちて死んでしまう

呼吸しても空気が入らない
目を開けても暗くて見えない
ただ下へ下へと落ち続ける

死ぬ前に見えるものは
遠い昔のことなのか
直前川辺に映る水面なのか

最後に記憶してたイメージを
循環させてまどろみの中へ

何故最後があれだったのか
饂飩 [sage] 2011/07/20(水) 01:42:04.47:gDAk1RF4
とかとか題名付け忘れてました。
でも改めて付け足すのも偉そうだし我慢します。
饂飩 [sage] 2011/07/21(木) 00:28:37.41:O6/GLMOK
カンパン

パンはパンでも焼かなくても美味しい
でも決してパンの仲間には入らないパンなんだ?

なぞなぞにもならないよ カンパン♪

空いてる穴の使い道はこうだ
一つ パンだと思って手にした人への落とし穴
二つ 製造過程で焼いた時 膨れないための穴

ごめん二つ目普通だった カンパン♪


ふっくらしてないし 缶に入ってないタイプもある
トースターで焼こうなんてとんでもない
せめて袋入りにも氷砂糖も入れてほしい
子供が間違って買ってきて泣いてるんです
氷砂糖が入ってない!ってね 夜も眠れない

亀田の柿の種に通じるよカンパン
脇役を引き立たせる名人さ
僕も君みたいになりたいのさ

なろう!なろう!明日なろう!
明日は檜になろう!なろう!ぱんっ
饂飩 [sage] 2011/07/21(木) 21:06:15.44:OW18IkUw
君の瞳にカンパン♪
饂飩 [sage] 2011/07/22(金) 01:03:46.97:URgOUgsS
秘密

貴方のやっている事は薄々勘付いてはいましたが
それだけはやってはいけません
俺はやってはいけない事を停めたまでです
「何でもあり」は貴方が決められることではないでしょう
俺は孤独ですが 貴方の場合は孤立しています
事が明るみに出れば取り合えしが付かなくなってしまう

不器用な性格なのは知っています
俺の前で誤魔化さないでくれたのは
きっと俺の事を信頼してくれていたから
そこは素直に嬉しく思います
ありがとうございました

この事は誰にも言うことはありません
ただ これからもそんな事をするつもりなら
貴方はこの職場を去った方がいい
それは会社のためでもあるし
何より貴方のため
貴方にこの仕事は向いていない

饂飩 [sage] 2011/07/22(金) 01:07:21.31:URgOUgsS

俺は死ぬまでこの事を引きずるつもりです
貴方を仕事が出来る人だと信頼していたから
そして俺以上に貴方が幼かったから

多くの人はどうして自分勝手でいられるのだろう
何故目先の事に気を取られ 周りを見失ってしまうのだろう
出来るだけ これからも俺はそうなりたくない

自分の質を上げるも下げるも自分の心次第なんだ
心が乏しいのはそれだけで不幸せな事だ
俺は心を汚す代わりに いくらでも損をしてもいい

人間正しく生きる事が一番難しい
だから出来る事なら全てを乗り越えないといけない

貴方にも分かっていただきたい
そして貴方自身の心で
あの行為は間違いだと認めてもらいたい
致死呂 [sage] 2011/07/22(金) 19:25:03.12:MRS2OVc4
「あの音色は近くまでくれば」

みんな一斉に走っている
向こうから早鐘が聞こえる
どこでなっているのか見えないけれど
だんだん近づくのはわかる
お母さんが若かった時には
こんなにはっきり聞こえなかった
おばあちゃんが生きていた頃は
鐘があるとも思わなかったそうだ
音色の源はみたくない
鐘を避ける道に逃げ込みたい
みんなが口をそろえるけれど
そんな願いが届くとは
本当のところ信じていない
饂飩 [sage] 2011/07/23(土) 01:07:43.08:tIwBukiz
境界線に立つ

世の中は理解できない事が多すぎる
善と悪の線引きができない俺は
このまま神と悪魔に両腕をもぎられていくのだろう
そんな俺こそが善悪の基準になってやろうなんて
思っていた事もあったさ

どうすれば誰にも迷惑をかけずに死ねるだろう
俺はずっと考えている
そんなこと出来るだろうか
生まれて来てしまった以上は
人に迷惑をかけないよう暮らしてる
こんな俺は矛盾の塊 グレーゾーンってやつだ

葛藤し 悩み続けることが生きる答えだ
常日頃 善と悪の二つのドアに前を行ったり来たりする
迷って決めた結果というものが大事なんだ
考え過ぎとか気を使いすぎだとか言っている奴
お前は真剣に悩んだ事あるのか
無いなら大きなお世話だ お前が嫌いだ
饂飩 [sage] 2011/07/23(土) 01:36:25.84:tIwBukiz

書いてくれてありがとう
情緒的で危機迫ってますね。もうすぐでしょうよ
おばあちゃん、お母さんって下りは伝わりやすい表現ですね。
やや圧縮気味のような気がしますが、俺も人の事言えません。

12行目。ドアの前を行ったり来たりする に変換してください。
饂飩 [sage] 2011/07/25(月) 22:50:01.50:wTWpx6Ku
護身銃

君は何も持っていなかった
足元には千切れた足
目の前にはほどけた綱
己自身に手を下す銃は必要か?

傷が無いのは幸いだ
痛みが無いなら尚のこと
歩けば つまずくから
転がる屍骸を踏み続けた
靴が擦り切れるくらい

その
黄ばんだ肌を捲ってみろよ
それは腐っている
それは諦めている
それは呼吸をしていない

糸瓜が垂れ茂るあの大門をくぐる
空の流れが速い
綺麗な星が黒いなんて
空が白ければ良いのになんて
突然

後ろから
鳥に話し掛けられる

君のこと好きだっていう物好きな男
あっちに行ったぜ

銃は必要かい?
饂飩 [sage] 2011/07/25(月) 22:51:19.09:wTWpx6Ku
怪我

死ぬ時なら大きな怪我をしていい
なんて思うかな
きっとそんなことをした瞬間って
口の中がとても生臭くなるような気がするんだ

生き物の最後ってそうやって
最後は自分自身の確認をして終わるんだろうって

それで 僕の口は臭ったかい?
寝てたものだから分からなかったよ
饂飩 [sage] 2011/07/28(木) 23:58:14.88:8KCGcSbn
とある例え話

蛇とカナヅチを同じ箱の中に入れます
この蛇には眼がありません
カナヅチには細工がしてありまして
人感センサーといいますか
何かが近づくと小刻みに振動します

蛇は震えるカナヅチを獲物だと思って
よせばいいのに呑み込み始めます
やがて蛇の体はカナヅチになります
食べられない物だと気がついた蛇は
慌てて吐き出そうとしますが
この箱は時間が経つと
徐々にしぼんでいく仕掛けになっており
カナヅチを呑み込んだ蛇しか空間が無いため
蛇は吐き出すことが出来ないまま
死んでしまいました

箱はしぼみ続け
蛇とカナヅチにピッタリと貼り付き
やがてカナヅチの形になりました
その中に生き絶えた蛇が入ってるなんて
誰が想像出来るでしょうか
饂飩 [sage] 2011/08/02(火) 00:20:13.49:WYcDboj6
みみずのねどこ

じめじめわらわら
じめじめじゃりじゃり

ころころころん
こちこちこちん

みゅるん みゅるん
もりっ もちちち

こいん わらやら
どかどか どいん

じゃり じゃり
じゃり じゃり

わさ
饂飩 [sage] 2011/08/02(火) 00:54:06.77:WYcDboj6
耳のないうさぎ

生まれつき 耳のないうさぎ
疑心暗鬼の時代 何も知らない

数えることはできても
教えられたりはしない
与えられることはあっても
分かち合うことはなかった

光回線を頭に差し込むうさぎ
埋め立てられた海が割れる

反射的に穴を掘る
穴を掘る 穴を掘る 穴を掘る
眠ることはあっても
目覚めることはない
時に立ち止まるが
決して振り返らない

映し出された言葉と偶像に憧れ
やがて気がついてみれば
誰も彼もが三月うさぎ
兎死すれば狐これを悲しむと
誰が言ったか言わないか

耳のないうさぎ
眠ることはあっても
目覚めることはない

耳のないうさぎ
答えることはあっても
救うことはない
饂飩 [sage] 2011/08/02(火) 01:13:18.64:WYcDboj6
End and End

死んだらそれまで
それまでのことって
一体何をした

残せるものって
なかなかないな
何も残せないなら
子供を作れっていうのか

あいつらは近所の公園で
顔の付いたマネキンと踊ってる
踊ってる ひたすら踊ってる

最後は何が見たいって
今まで見たものは
一体何だろう

何故忘れる
忘れたくない物でも
覚えておけない
今だってほら

あいつらは近所の公園で
火の付いた札束と踊ってる
踊ってる ひたすら踊ってる

この終わりが終わる日は
いつになったらやってくるんだ
饂飩 [sage] 2011/08/05(金) 00:13:07.79:OoNebsmf
ビセラルジア

満ち足りている だけど今だけ
今だけが続けばなんて 痴呆に平和ボケ
そして時にドラマのようにシリアス
幸せという名の不幸は死ぬまで続く
気分だけで萎む心 と欲望だけで膨らむ心
ぐちゅぐちゅとか みっちみっちとかさ
ペニスと同じじゃないか

毎日毎日 身体を無理矢理起こしてまで
やらなければいけない事があるなんて
10年前では想像もしなくない日々を送る
誰かせいに出来るなら
内心いつでも死んでもいいと思ってる
あちこち痛んでる 死ぬために生きてる
意味がわからない 生きるために死ねれば

ブツブツブツブツ……

泣くことが公共オナニーのような時代
人はひたすら演出している
子供から老人 男から女まで
歯が生えて毛が抜けて
出すも入れるもやれたらな
一人でやれれば 何もいらない

そうだ
一人でならな

これもまた自己演出
全ては自分の欲望のため
これで食えれば才能だ
みっちみっち
名前はいらない [sage] 2011/08/05(金) 21:24:12.05:MwqAgL4Z
!ninja
饂飩 [sage] 2011/08/06(土) 12:56:03.00:HO4osZIb
普遍

あがりはないし
ふりだしもない
さいころは転がり続け
盤上に駒はない

錆び茶けた空と
鮮やかな色の海岸線
毎日乱数の嵐に見舞われる

風は一時 西に吹くが
盤上に駒はない
名前はいらない [sage] 2011/08/06(土) 15:43:38.99:1HW1WSdX
雷が鳴ってる
饂飩 [sage] 2011/08/07(日) 20:54:39.66:rtSZTHPa
一弦

一つの心が揺れる
己への焦りと苛立ちが
静かな夜にひとりでに
端から端へと揺れ動く

押さえ込む感情を
解き放つのは光か闇か
明暗を決めるこの指が
今も定まらずに行ったり来たり

今夜も歌えず黙ってる
揺れる心をなぞりながら
饂飩 [sage] 2011/08/09(火) 12:44:01.46:2Hapmhjx
ワイアレス

穴の空いていない身体
呼吸する音は聞こえず
冠羽を立てる鳥のように
常に何かを警戒している

今日も空から人が降り続け
外では誰かの口と眼が飛んでいる
それを某然と眺めながら
手首にはめた吊り革を
無意識に弄くる私に頭はない

瞬時に手に入る世界
地上波の中で暮らしてる
切り落とした部分は紙に包まれ
自宅の押し入れや物置に
死ぬまで開けられることはない

穴だらけの顔と切り取られた手足は
もう宙を舞っている
それは死ぬまで落ちてこない

常に何かを警戒している
それを感じる感覚だけが
辛うじて束ねている

饂飩 [sage] 2011/08/11(木) 00:02:48.37:7e3iRhDP
モラル

両成敗とは言わせない
世の中をナメてる奴ほど
必死に自分を正当化しやがる
俺をまるで裁判官か誰かと間違えていて
言ってる事が恥ずかしいくらい幼稚だ

あんたはどこで間違えたんだろうな
許せないが同時にやるせない
あらゆる責任から逃げている事に
自分でも気が付いているだろ?

ところで あんた今どこで喋ってるんだ
ほら子供が見てる
あんたの子供が見てるんだぞ

これで子供があんたの肩を持つようなら
親として子供と一緒に死んでやってくれ
饂飩 [sage] 2011/08/11(木) 00:37:40.38:7e3iRhDP
優しさ

例えば 母の胎に入っていた時の様に
或いは 親に抱き締められた時の様に
或いは 初恋の人を前にした時の様に
或いは 恋人を初めて抱いた時の様に

或いは 自分の為に
背中を押してくれた人
笑顔を見せてくれた人
手を握ってくれた人
叱ってくれた人

そんな
誰かの優しさに気が付いた時
誰かの為の優しさは生まれる
名前はいらない [sage] 2011/08/15(月) 05:06:28.72:JNz32OoI
蝉が夜明けを知らせてくれる
饂飩 [sage] 2011/08/17(水) 00:56:55.83:pmHocuT4
鉛筆削り

指の間に沈み込む
飴色に溶けた太陽が
汗で濡れた地面を染める
ガシガシガシガシと
辺り一帯に削り取る音が響く

歯を削る 指を削る
爪を削る 皮を削る
鉛筆を舐める
そう生え変わる物は多くない
付け替える場所は少なくない

いつも出来ない事が
瞼を閉じるだけで
饂飩 [sage] 2011/08/19(金) 01:06:43.68:+TheCOz5
しばえ

しばえしばえお さぐらえぼ
こふとえむじに ゆげりばみ
なっとこやえばに じゅじまんじ
ほみみちえんびじ あらおりちんじ

ととこみしをうん とろあちふきふ
をへにどがとんず いっぱまいたら

しばえ しばえ
しばえ しばえ

こちこち
ここここっ

ちゃ
饂飩 [sage] 2011/08/19(金) 01:12:54.39:+TheCOz5
計算のない言葉

軽い軽い そうだね
でもね あのね
できれば
うん

正直 やっぱり
愛だね
変な

おはようございます
お疲れ様です
気を付けて
うふふ


誰にでも同じ様に接したい
そして誰にでも同じ様な印象を持たせたい
様々な事実を無視した立場で在り方で

人の心に居候したい それは
おこがましいことに違いない
饂飩 [sage] 2011/08/21(日) 23:35:24.97:jGUFX9sw
回髄魍魎の節

一つ 痛みを説き伏せ
二つ 宙に飛び出るわ
三つ 腱を切り切り早急ぎ

奥から飛び出したるは
織神の背骨 金色に輝きて
飛ぶ鳥を堕とすように宙を劈く

四つ 最北峰の風が吹く
五つ 三文役者がのたうち回り
六つ どんがらがらがん鳴る小堤

切り潰したるは夜毎小見神
やいのやいのと烏合の衆
下がるぞ上がるぞ闇の中

柔手あまん 釜の灯を
さじめ都の 煙とな
これし日予後の波削り
差し出で取らせぬ 津無楽除け
饂飩 [sage] 2011/08/21(日) 23:51:27.24:jGUFX9sw
黄色いちょうちょ

鮮やかな青色草原の
風は少し苦い味がする
君の持ってる網とムシ箱
僕に貸してくれないか

冷んやりした小川を越えて
しばらく歩いた雑木林の森の中
ここなら
好きなの獲っても言われない
そうさ全てが生きている

色のある世界は偶然じゃない
決められた色に塗られた世界は
毒を帯びているそれを
強く欲してはいけない
そんな手を思い切り伸ばすとー

君の親には知らせてあるよ
もうじき君を迎えにくる
防護服とマスクを付けて
鮮やかな青色草原の
君の頭に乗ったまま
動かない黄色のちょうちょ

今度僕は君へ
本物の黄色いちょうちょをあげるよ
名前はいらない [sage] 2011/08/22(月) 05:48:15.40:o6cgAkDu
道ばたで乾いていた君を連れて帰ろう
植え木鉢の肥やしにちょうどいい
気まぐれに種をまいては失敗したり
ケチくさく青ネギの根元を植えて収穫を期待したり

ひと鉢の土の中で君はずっと
笑ったり呆れたりねたふりをしながら俺と暮らしてくれ

こそとも音をたてなくても君の声はアレだ、すごくよく知ってる
みーん みんみんみんみんみーん
忍法帖【Lv=7,xxxP】 [] 2011/09/02(金) 09:58:13.26:6cMe0wh5
a
饂飩 [sage] 2011/09/03(土) 11:31:28.96:4Q5pYPd7
席の間

君の隣に僕がいる
僕の隣に君がいる
僕と君の間に何がある
椅子の間 両岸の間
繋がらないもの
渡れないこと
溶接できない
埋立地 埋立地
埋立地 埋立地
饂飩 [sage] 2011/09/06(火) 01:17:25.30:Sa+9V+ag
つまらないもの

生け捕られて用意された餌を食っては
排泄を繰り返すのみの幸せな動物は
嫌悪感を捨て 歩きながら死んで行くのを約束に
自由と自己責任という言葉で解放された

用意された道具で 檻と鎖は焼き切った
切った鎖をどこに隠そうか
歪んだ檻をどう誤魔化そう

最初の課題だ
正常に見つかるな
守備良くやらねば殺されるぞ
後に鎖で首を吊られる

守りながら隠し続けろ
饂飩 [sage] 2011/09/08(木) 00:47:23.82:7K7J6fCV
宝の骨

肘から肩くらいまで隠れる
鉄の柵に寄り掛かり
黙って下を向く

遠くから肉の焼ける匂い
そう遠くない場所から
水の流れる音

もう3日経った

俺の細い足では歩けない
毎日呪文が聞こえる
もう決まっている

それは止まない
いつまでも鳴り響く
すでに体は限界なんだ

力を振り絞り
背中の柵にまたがる
足の骨がブラブラしてる

ああ水が飲みたい
もう一度肉が食べたい
白い手から欠けた砂が落ちる

一瞬全身に強い衝撃が走り
途端に視界が大きくブレる

カラカラコロン………… ....,,,o

握りしめた手があんなに遠くに
饂飩 [sage] 2011/09/12(月) 00:27:19.19:7gs1gSKl
意識の無さ

捻りのない会話で夜が明けるなら
この世界はすでに限界なんだ
痛みを感じないとして

顔の皮を掻き毟って
未来の広告チラシを引き剥がせるのか?
目ん玉の中に入った
金属製のボタンを取り出せるのか?

色々腐った頭の中では
誰でも芋虫を飼ってるんだ
こいつのお陰で不思議とよく眠れるんだ
脇から砂が飛んでくる
饂飩 [sage] 2011/09/16(金) 22:22:50.95:w1MpanSn
教育

それなら俺の手を引っ張ればいい
肩から思い切り外れるから
そのまま持って行けばいい
変わった形でもないから
不信がられる事もない
焼け付いた道路にへばり付いた
軍手の方が目を惹くくらいだ

俺の手を持って
手を上げろ
って役所で叫んでみろよ
窓口の姉ちゃんがさりげなく
保育所を紹介してくれるだろうさ
先生の言う事を理解出来ないふりをして
馬が合わない奴の髪の毛を引っ張ればいい

まぁ あっちには
大きな椅子なんてないけどな
饂飩 [sage] 2011/09/20(火) 00:39:56.66:ZyxvVk3b
藁酒

みんな可笑しな顔をしてやがる
狂ったようにひん曲がった口してさ
太郎は仕事してるのか?とか
花子はもうそんな年か?とか
煎餅だって齧りたくもなるよ

足に蜘蛛の死骸くっ付けてさー
豚肉を生なのに食っちまう
そんであんな重い石を軽々とよ
持っちまうのは夢だと思ってんだろな

ああ百姓には用はねぇんだよ
だって酒をケツに隠すクズにはな
てめえは起きずに夢で死に続けろ
東寄りの風がてめえにはお似合いだ

ととよい よととい
ことんと よよよい

醒めずにいられっか
饂飩 [sage] 2011/09/24(土) 22:23:00.45:mC5vE/z5
金色

知らずのうち横道に入って 気がつけば
狭っこい壁の中にめり込んでる
金色の電線が天を貫くように立ち立ち

きちんとしたドアの前で襟を立て
袖の中には水を入れた紙コップ
こじんまりしたスーツの中に納まる身体
街の景色は空虚の一点張り罵詈

今夜楊貴妃を抱く
駆けずり回る目は尻しか見ない
酔いしれた女の目は何もしていない
傷の深みまで差し入れて
やがて心の真ん中に突き立てる
そして空虚

街の真ん中で金色の電線を見上げてる
饂飩 [sage] 2011/09/24(土) 22:31:36.10:mC5vE/z5
落とした指

自意識過剰な切断面
見栄の張った言訳を
話したかったのか ひっそりと
離したかったのか 静かに静かに
かりそめの感情が 零れ落ちる

絆創膏なんて邪魔なだけ
傷は毟ればいい
最後の顔は骨格だけなんだから

指の断面は熱くほとばしる
赤く燃えた鉄のように
消え消えになって
いずれ消えていく切断面が
小さい声で軋むのを
鼓膜が覚えていればそれで良い
饂飩 [sage] 2011/09/26(月) 12:40:36.59:LJbH5eu2


舌を千切れるくらい引っ張って
鉄板の上でぶん殴る時って
使うのはハンマーかそれとも

感情が食べられる物であるなら
クシャミに失敗した時や
煙草が吸えない時の気持ち
それもだし
退屈な雨の日の休日や
行列に並んでいる時など
それと言う物は
一皿にのるくらいの大きさだろうか
それとも人の感情なんて
小瓶に入るような調味料だったりして

いずれにせよ
ハンマーなんかじゃ取り分けられないな
饂飩 [sage] 2011/09/26(月) 12:51:44.06:LJbH5eu2
灰色の空が地平線へ流れ落ちていく
単純で大きな力に捻り潰されたビル
奥の方へ 奥の方へと揃わね足音達
時々ここはガラスの破れる音がする
一方向へひたすら地面が動いている
その先には穴はないが段差がある
段差は高い かさぶた位の
ほんの少しだけある

全てはそこへ吸い込まれるように
饂飩 [sage] 2011/09/28(水) 00:10:08.48:erMgatiX
愛想笑い

今に見てろ
お前と入れ替わってやる
単なる小生意気な奴だと思ってろ
お前より良い仕事をしてみせる
お前より人の信頼を集めてやるよ

俺は勝てない勝負しかしない
自分勝手ってのはお互い同じ事だ
今の時代どっちが生き残れるか
先急ぐ奴に同情なんてないね
魂胆が違う 魂胆が鼻っから違うんだ

悩む事を美としない奴なんて
嘘っぱちだ お前はペテン師だ
あんたが捨てた吸殻
俺が拾っといてやるよ

今に見てろよ
お前と入れ替わってやる
これからお前の出番は減る一方だぜ
今のうちに俺をバカにしておけ
それがあんたの最後の仕事さ

笑っとけ 笑っとけよ
名前はいらない [sage] 2011/10/04(火) 15:49:40.03:JzXeJCOo
>61
勝ち負けを決めるのは慢心と折れた心であって、どちらもあまり感心しない。
より善いものへ、より明るい方へ、手を携えて進むのが人の道だと、経済の真ん中に飛び込んでみて思ったよ。
そこに熱意こそあれ、敵意は不要なんだよ、きっと。

新しく生まれてきた娘のために詩を書きたくて、柔らかい言葉を取り戻すために戻ってきたよ。
たくさん吸収させてもらう。
再会も楽しみにしてるよ〜
饂飩 [sage] 2011/10/06(木) 00:35:30.44:1NFFfNOV

ありがとう遠い今の人。
俺は弱い人間だから、このくらい思わないと潰れちまうんだ。
例えヘタレだろうが身の程知らずだろうが
自分で決めた道で、いずれ誰にでも認められる仕事がしたいんだよ。
俺も平和でいたいけど、胸では野心を燃やさずにはいられない。

俺の見ても参考にならないだろ、すいません。
誰かのために書こうって、人も変わるんだなぁ
饂飩 [sage] 2011/10/06(木) 00:50:53.61:1NFFfNOV
耳のない目

トスをする振りをして
後ろを振り向いた すでに
みんな違う試合をしていた
僕は向こうに行こうと
走るため少しだけ頭を下げたら
鉄柱が顎にぶつかった
カチンと妙な音がした
顎の事が心配になったから
大きく口をパクパクした

向こうのみんながこっちを見てる
みんなが慌てた様子で僕の方へ
駆け寄ってくる みんなが僕のいる
檻の前で今の僕みたいに
口を大きくパクパクしてる
何も聞こえない
ただパクパクしてるだけ
何も聞こえない
みんなに近付こうと一歩踏み出したら
鉄柱が膝にぶつかった 痛がる僕をみて
みんな笑っているようだった

何も聞こえないけど
きっと笑っているんだ
名前はいらない [sage] 2011/10/06(木) 09:23:07.35:eajyXMRY
>63
勝利よりも達成のほうが美酒だと思うのだ

人は変わるよね
明るい方向を向く事ができているのは人生に善い出会いがたくさんあったからで、みんなに、勿論饂飩っちにも感謝してるよ


>64
疎外感と焦燥感と無力感
真っ黒な革袋に詰め込まれたような気分
悪い夢をみたような感覚がした
饂飩 [sage] 2011/10/17(月) 00:47:46.82:+2p7O5VD
会話

こっちに来るな それは
俺にとっての劇薬だ
その瓶に入ってるそれだよ
食えるんだろ
お前はそれを舐めちまいな
そんで空っぽの瓶だけ渡すんだ

俺の頭の中では
マッサラ色のグリスを作ってる
それは影の色のようで
空気みたいな色だ
こいつを見えないところで吐き出す
内緒話みたいに

俺の爪先に塗料が付いてるって?
いや ぞれはお前のアイデンティティだよ
1/2 [sage] 2011/10/17(月) 18:51:13.22:NBGVCJVn
奈落のように貪婪に何もかも呑み込みたい
何時も何時も腹が減って仕方がない

光輝く小さな愛娘も
皮を剥がれたメキシコの生首も
雲の中の莫大な記憶すべて
便所の壁にのたうつ文字の塗料でさえも

空中に楼閣を成す鮮やかな音の連なり
銀幕幻灯
脚を縮めた虫ケラの乾いた亡骸
太陽光の巨大な質量

人間の意志の閃光だ
無関心な虚空だ
無理強いして開かれる白い女の足も
廃墟に置かれた一脚の骨董椅子もだ
2/2 [sage] 2011/10/17(月) 19:05:12.33:NBGVCJVn
粗い歯の間から噛み砕いた万象を撒き散らし
極めて下品に食い散らかすのだ

それでいて
無色透明で湧き出る清水のような笑みを浮かべるのだ

そうして最期の日まで過ごすのだ
それが生きる事であるからには
名前はいらない [sage] 2011/10/18(火) 10:39:01.42:GztZYTGo
溶けて消えそうな微温の光に倒れ伏し
その儚さに泣いている自らを
透明な空と一体化して
遥かな高度から見下ろしている
そういった心模様に秋を覚え
饂飩 [sage] 2011/10/19(水) 01:00:23.37:BzLTprbt

貴方とはいつか、無言でいいから一緒に海でも眺めに行きたいものです。


欲求が暴走しているようで、それを楽しんでいる。
混沌としてるんだけど、どこか幸せみたいなのを感じる。


世界と自分とが一体なった瞬間。
この世界が愛しくなってしまったら、もう逃げ出せない。
饂飩 [sage] 2011/10/19(水) 01:09:27.65:BzLTprbt
シューター

空中で暴れているあいつ
かりそめの欲情ってやつか
俺は石でも投げつけてやりたいね
そしたらあいつはどういう顔で
俺に向かってくるだろうな
それを思うとやっぱりやめておこうか
なんてゆっくりと面倒臭そうに砂埃が舞う

突然死したようにあいつは
バッタリと倒れたかと思いきや
地面を掘り出した まるで削岩機だ
あぁその下は土砂降りだ

俺は本気で砂でもかけてやろうかと思った
饂飩 [sage] 2011/10/19(水) 01:24:11.52:BzLTprbt
シンジケート

近寄られても背中を向けろ
尋ねられても返事をするな
尻込みして女々しくなって
恥部を見せたら
やつらは永遠にお前を笑う

嫌なら自分の手首を切って
病院に運ばれた方がいい
牢獄なのか天国なのか
それはお前が決めればいい
やつらから避け続けるには一番だ
[精神なんちゃら]ってのは
人間の特権さ

そんでお前は自分の血溜まりを
丁寧にスポイトで吸い取って
点々と数えて生きればいい
饂飩 [sage] 2011/10/19(水) 01:35:19.33:BzLTprbt
傷と舐め合う

愛が枯渇なら適当に
何でもいいから吐き出せばい
一時しのぎで生きて生きて
仕事もすれば情なんて薄れていく
毎日はそんなもの

孤独が死だと言えるなら
誰が貴方を引き止めるだろうか
意識の中で誰かを待ってる
それとも誰かのせいにしたいだけ
生きる術は己の中
死する術は誰かのせい

ひたすら落ち続けて 落ちて落ちて
地面ではない何かに当たった時
人は何故だか救われた気がしてしまうもの
それが誰かの心の断面だとしても
幸せは一瞬
不幸は一生もの


名前はいらない [sage] 2011/10/19(水) 11:12:16.08:9mj7/5bt
Re:シューター

俊敏なエイミングでヘッドショットを決め
倒れゆく陰を視野の隅に捉えたらもうかえりみない
最速で前線を押し上げるポイントマンだぜ俺は
名誉や栄光ではなくスリルと鍛錬した獰猛性の解放のために
相互にフェアな武装さえあれば殺人も合法なフィールドを駆けるのさ
名前はいらない [sage] 2011/10/19(水) 11:18:20.86:9mj7/5bt
愛が泡沫とは誠に言い得ており
石鹸を水に溶くようなこまめな少しの手間さえ惜しまなければ
虹色の愛情は絶えず沢山浮かべ続ける事ができるわけだ
要は原理の積極的応用なのだね
名前はいらない [sage] 2011/10/19(水) 11:23:42.69:9mj7/5bt
その発見には注意深さが必要だが
流転する万物にはシンジケートのように隠された繋がりの網がある
気分が優れている日には
あらゆるものから前進の糸口を見出すことができる気がするものだろう?
名前はいらない [sage] 2011/10/19(水) 11:34:29.18:9mj7/5bt

前みたいにかい?
幕張の浜から東京湾を見なかったっけ
近頃は潮騒から遠のいた生活だけどね
饂飩 [sage] 2011/10/19(水) 23:56:07.02:BzLTprbt
強迫観念

いきなりだけどあなたは
死んでしまう昨夜の
私の言葉があなたを襲う
見たことのない
夜景があなたには毒みたい
静かな風がヨットを
沈没させるかのように
部屋の奥の窓の中
街の街路樹が突然突き立って
あなたの大事な棚を破壊する

私は自由です だから
あなたを守ります
でも私の世界が
あなたを殺し続けるのが
とても苦痛なのです
饂飩 [sage] 2011/10/20(木) 00:06:11.81:9epHHGBv

軽やかに繋げますね、さすがです。
饂飩帳なんて、調子付いて名付けなければ良かった!


あの頃は言葉も見つからず気まずかったけど。
今ならお互いの視線が見るものは、海でもなく
遥か遠い他のモノなんでしょう。それはそれとも、
互いのすぐそばに居るのかもしれない。
時間を共有できる他人というものも貴重でしょう。

いや、別に俺たちできてないですよ?皆さん
饂飩 [sage] 2011/10/20(木) 00:07:48.31:9epHHGBv
あと、表現の中だけで別に海にいかなくてもいいんですよ?
饂飩 [sage] 2011/10/20(木) 00:19:13.40:9epHHGBv
ダビング

目に飛び付いた小さな破片のように
瞬きはしても擦ってはいけない
感じとしてはビデオテープだ
噛んで動かなくなったらお釈迦さ
真っ黒い塊がずっと目に焼き付く

巻戻したら必ず失敗するんだ
だからといって早送りはご法度だ
これは磁気テープじゃない
真っ赤に今にも溶けそうな
鎖なんだから

ヘッドを下げろ
先ずはそこからだ
ゆっくりとゆっくりだ
再生をと停止を繰り返せ


饂飩 [sage] 2011/10/24(月) 00:47:16.74:t08B205h
テクノブレイクと急性アルコール中毒を間違えた医師がいる
饂飩 [sage] 2011/10/25(火) 00:33:19.97:2vE1r1aq
イミテーション

規則的に群がった蟻が
砂糖と腐肉で出来た岩盤を
囓り取っていくように
私の本物と信じ込んだ
この胸に宿る原石は
冷たく燃えていく
だらしなく無規則に
えぐれていく

灰に塗れた掌
砕けた泥の塊が
罠に掛かった獣のように
のたうち回る手の平で

誰にも気付かれぬよう
手を広げ落としたらそれは
音もせず影のように沈んでいった
地面と空は何も答えてくれない

そして私は
己に流れる血液すら
疑うようになってしまったのだ

饂飩 [sage] 2011/10/25(火) 00:56:08.91:2vE1r1aq
アルファベット

非常に簡単なことだ
記憶を寸分違わず
覚えておけばいいだけ
ただそれだけの事なのに
何故間違えて覚えてしまったんだ
どこで間違えたんだろう

僕が話すと 誰かが笑う
僕が考えると 誰かが笑う
非常に簡単なことなんだ
それはもしかしたら
箸の使い方に似ているのかも

規則的に並んでいるのに
僕は何故か迷ってしまう
知恵の輪の迷路の推理小説だ
僕は楽しんでいる
僕は自分を笑っている

間違って覚えてしまったら
相手にされなくなるだけ
無口な労働者?要らないよ
饂飩 [sage] 2011/11/02(水) 00:01:02.39:uuHvKW0j
声を掛けられる

やぁ!やぁやぁ忘れてないよね?
え?箸の使い方がイマイチ分かってないって?
それってーのは俺だって分からないまま使い続けてるぜ?
そんなんいいーじゃん!死ぬまで誤魔化せよーっ
君だって駄菓子屋のばぁちゃん騙してたんだろ?
バレなきゃ誰が何やってたって分からんよ
日本人なんて皆優しいんだからさーっ
そんなことよりさ、これからをさ、走り抜けたいよね?
ほらほら?そんな泳いだ目だと迷っちゃうぜ?
行く?行く?シリコンバレー行っちゃう?

おいーっす!
饂飩 [sage] 2011/11/02(水) 00:07:15.00:uuHvKW0j


こんな寒いのにさっきから
ジャーマンポテトが茹だるのを待ってる
震えながら待てるのは ジャーマンポテトだからか
それとも ジャーマンだからなのか
それとポテトってさ 芋の事?だっけ?

「あっきれた。あなた、芋男ね」
「うるせー!芋女!」

こんにゃろ!こんにゃろめ!
今夜は帰さないぞ!ふぅふぅ。
こんにゃろー!こん…ナハハハハ!

おっと今日は蒟蒻芋の日か
饂飩 [sage] 2011/11/10(木) 00:42:38.98:9s9cfOzR
カンニング

視界の九割を瞼に裏で見ている
信用出来ないのはそこじゃない
煙草を辞めたのに隠れて吸いたくなる
そんな心が気に食わないんだ
俺の机の横から覗こうとする奴
そんなのはとっくに居ない
それは俺が何も知らないから

他の奴らのした事を邪悪に感じるのは
頑なに守り続ける俺が居るから
邪魔なら消してくれ
俺の存在を消してくれ
目障りなんだ
俺が不正をしないだろうかと
俺を俺が瞼の裏で見張ってる
饂飩 [sage] 2011/11/10(木) 01:02:11.47:9s9cfOzR
徘徊する放浪者

今もおっかなびっくり歩いてる
あの小高い丘を目指して
その先は険しい山だろうか
あるいは谷だろうか
段差の連続を経験し続ける
一人きりで歩いてる
道中肩を叩いてくれないのが
一番困る 僕は歩くのが遅い
間違えに気が付かないで
そして僕の事に気がついた時
ほら ずっと向こうに行っちまってる
そう言って呼び止めもしてくれない

轍のような僕の影だけが背後を染める
それもやがて風に飛ばされて
再び つい最近までの僕を見失う
コンパスはどこかに無くしてきたらしい
遥か数日前の向こうから
誰かの声が聞こえた気がした

忘れてしまったが それは
さっきまで一緒に居た人かもしれない
饂飩 [sage] 2011/11/11(金) 21:45:46.05:ejRRP7zV
重傷患者

傷もないのに身体中が痛み出す
汗を流すたび痛みが増してくる
やがて気が付く
全身の毛穴が無数の刺傷だってことに
指は手足からパックリ割れた切傷で
眼はすでにえぐられている
鏡を見ると
血で赤く覆われた
重傷患者が写っていた

助けを呼ばないのは痛みで
声が出ないからじゃない
大きく開いた傷を
閉じたきり立ち伏してる
饂飩 [sage] 2011/11/11(金) 22:00:07.22:ejRRP7zV
役立たずが立つ

難しいことなんてないさ
百も数える間に万事解決
悲しむこともないさ
百日も寝れば忘れてる
いいかい
全ては誰かが(もしくは時間が)解決してくれる
それで解決できないことなんてない
誰かが代わりにやってくるし
誰かが代わりに忘れてくれる

僕の代わりは幾らでもいるわけだから
僕が死んだら誰かが代わりに生きてくれる
好きなように嫌いなことを嫌えばいい
歌でも歌えば今日もご機嫌さ

君のこと?
さぁね
饂飩 [sage] 2011/11/22(火) 01:50:08.78:q3uYoy+4
インメロディ

公に並ぶことのない商品を買うように
千差万別に独占欲を満たしていく
時には断食みたいなことをして
コンビニのパンの角だけ食べながら
写真しか目に写らない新聞でも広げて
「衰退期だってさ」 なんて呟いてる
仕事の話と家族の話はテレビで見ました
ステレオタイプの人生
今日も美味しい水を飲んで暮らしている

流れる音楽 歌ってる顔
そこには耳なんていらない
フィクションを 演じる顔
触れない想像をし続ける
そう触れない想像なんだよ
フィクションはファッションなんだ
命の大きさは比べられない
大きく見せているのは広告の仕業だから

メロディだけ覚えてる
ひたすらメロディだけ流れてる
言葉も知らない洋楽の
メロディだけを口ずさむ


饂飩 [sage] 2011/11/23(水) 01:52:21.52:7umWF/Fl
昨日からの客

一言でもいいから その口を減らせよ
昨日から聞きっぱなしなんだぜ
上には社長と、専務と、アルバイト一人っきりだ
味噌汁飲むか?朝から何も食ってないんだろ?
それとこの なんだ 名前が分からねぇ これさ
カウンターの上にもう一週間も置いてある
要るかい?誰かの忘れ物だ
余計な事は言うなよ 好きに持っていけ
今は窓から見る限り夕方だ 雨が降ってる
水でいいのか?勝手に飲んで来いよ
暴れたりするなよ 社長らが降りてくるぞ
第一 いい加減帰ったらどうだ?
名前?知らないね
カウンターの上のから探してみたらどうだ?
OK 水は俺が持ってきてやるよ

味噌汁、そうか要らないか
饂飩 [sage] 2011/11/28(月) 13:27:36.29:IaJxucYi
寿命を縮められたらいいのに
饂飩 [sage] 2011/12/07(水) 01:04:02.98:tOZrM9xZ
やり直し

嫌な言葉が負の連想の架け橋になって
向こう岸からいくつもやって来る
その様子を僕は呆然と見てるだけで
やがて僕の居る窓にぶつかって来て
勢いよく開いた拍子に僕は小脇に抱えていた
小さくて甘いお菓子を落としてしまった
床に散らばるとあっという間に腐って
拾う気にもなれない

その腐ったお菓子のせいで部屋は
物凄く臭くなるし今まで僕が食べたのまで
腐り出して
やがて腐敗したガスで僕の身体が膨らむ

部屋の周りの森をあいつらが綺麗に整備し始める
僕は溜まったガスを抜こうとお尻に力を入れる
でも上手くいかない 周りで工事をする音が聞こえる
断続して継続して計画的で機械的なリズム
お尻に力を入れる
断続して継続的で無計画で非建設的なリズム
出すものを出して すぐに部屋から飛び出した
やはり何もない
騒がしい音が聞こえなくなってくるばかり

近くの川の流れが鬱陶しい程静かだ
饂飩 [sage] 2011/12/07(水) 01:21:17.63:tOZrM9xZ
リユース

所々飛び出してくるバネを押さえてる
どうやら頭の配線を間違えたみたいだ
僕はいつまでこうしていればいいんだろう
二十歳を過ぎて恥ずかしいけど 歯が痛い
いい加減 汚い場所にも慣れたよ

抑え切れない何かを僕は使えない
それは目の前で時間を掛けて静かに萎んでいく
関係の無い物が不要だって誰が決めた?
僕は望まずに集めようとしていただけ
そろそろ諦めないといけないな
何も残らない人生も悪くないだろう

死んで行くまで時間が勿体無いなら
誰かに差し上げたい
饂飩 [sage] 2011/12/13(火) 01:19:49.43:gLJQy7OK
生クリーム

白くってねっとりしてて
甘くってまた食べたくなる

舌を突き出して欲しがる私
顔中が真っ白になって
所々には自分の肌
埋れていく胸の方まで
怪我も流血も白く染めて
残りの命を数えるまでも無い

ずっとそのまま
そのままでいい
溢れ続けて欲しい
この顔が露出しないよう
永遠に体の中に送り込めるように
黒くなる身体を忘れ続けることに

白く染めて
繰り返すだけ
饂飩 [sage] 2011/12/20(火) 02:14:59.11:sucF7XiK
キャンベル

パパだよ ママだよ
あははは お前って可愛いな
なんだ いたずら電話かい?
冗談さ そんなに正直になるな
どうした 泣いてるのか?
今どこにいるんだ?
分かった もういいよ

あのな キャンベル
お前は誰に似たのか 優しすぎるんだ
どんな誠実に生きようが
成果を上げなきゃ認めないよ

いいかい キャンベル
人から何でもいいからさ
盗って来いよ 畜生だったら尚更だ
人より良い暮らしをするために
それがお前に教える全てだ

そうだ キャンベル
やったらやり返される
だから必死に守るんだ
自分の物を人になんてくれてやるな
誰しも牙を隠してる 誰も信じちゃいけない
お前に恋人が出来たら
すぐに子供を作れ
その理由はそのうち分かる
ただ 我々は因果な生き物という事


キャンベル?
聞こえてるかキャンベル?
お前には幸せになってもらいたいだけだ
パパもママも願ってる
キャンベル?
今どこにいるの?
自分が傷付く事だけは止めなさい
何か喋って
ねぇキャンベル?キャンベル……

饂飩 [sage] 2011/12/22(木) 02:09:28.77:xu2wm+xo
籠の中の鳥

こっちに来て
小さな声で鳴いてるの
そっと手を差し伸べて
触れ合う指にキスすれば
私はきっと出られるの

ここには何もない
水の張ったプールに
映る音も影もない
私はきっとこれが最後
広げた翼 すでに羽根は無い
饂飩 [sage] 2011/12/26(月) 01:59:21.83:zES8tLe7
いつも二時

俺の頭には鎖が巻かれていて
鎖なら始めと終わりが
あるはずなのにそれがない
一日一日生き続ける度に鎖は重くなる
どうやら外に出るたびに俺は
鎖の輪を増やして帰ってくるみたいだ
俺は楽になり 走りたい
俺は宙に浮き 死んでやりたい
無防備な首から下は全身
金属疲労を起こした針金のように
一触即発だ 頭だけが重い
縫い目を探る間に眠くなる それが
決まっていつも二時だ
饂飩 [sage] 2011/12/26(月) 02:03:02.19:zES8tLe7
甘えん坊

俺が何をした
俺が何をしたって言うんだ
俺は誰も傷付けたくない事を
誰にそれを気付いてもらいたい
庇った奴が俺に言うんだ

苦労は買ってでもしろってね
もし俺が神の力を手に入れたなら
黙って皆殺しだ

あんたもやるだろ?
おいそれは笑ってるのか?

そうかい

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