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波平さんがバトルロワイヤルを主催するスレ


磯野波平 [] 2007/08/06(月) 16:19:24:RKzmKgsu
         ζ
      / ̄ ̄ ̄ ̄\
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    |||||  (・)  (・)  |||||
    6|----◯⌒○----|9   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
    |/ _|||||||_\|  <   おまえたちに
      \  \_/  /     \  ころしあいをしてもらいます
       \____/        \ ________
     ______.ノ       (⌒)
    //::::::::|-、 ,-/::::::ノ ~.レ-r┐
   / /:::::::::::|  /:::::ノ__ | .| ト、
   | /:::::::::::::::| 〈 ̄   `-Lλ_レ′
   レ::::::::::::::::::|/::: ̄`ー‐---‐′
きみのためにできること [sage] 2011/05/15(日) 00:29:23.21:/MlOGPwy


ごめん、ただネタが浮かばなかっただけだったり……
心配かけて申し訳ない;
名乗る程の者ではござらん [sage] 2011/05/15(日) 00:37:01.69:dpOzBQEm
続きキタ
乙です
参加するカモさん [sage] 2011/05/17(火) 07:30:02.74:lBzzqnyB
作者さんの生存を確認!
作者の独り言 [sage] 2011/05/29(日) 19:06:48.38:A5hUwVuA
本編にジミーが久々に登場して正直ほっとしたw
名簿に入れて良かったかどうか不安だったので
(まあそれ言ったら全自動卵割り器とかどうなんだって話だが)
参加するカモさん [] 2011/06/15(水) 02:05:02.21:UT6qWXSt
久々に見たらスレ主来てたw
マターリと続き楽しみしてるよw
オレオレ!オレだよ、名無しだよ!! [] 2011/07/17(日) 17:39:14.52:IGYhpAsL
保守
参加するカモさん [] 2011/08/21(日) 23:47:04.81:Rjigln6k
ぬるぽ
参加するカモさん [sage] 2011/09/20(火) 03:14:33.02:sSUyzK4Q
保守
ゲーム好き名無しさん [sage] 2011/10/11(火) 01:40:05.22:r3Ov2iD/
ぬるぽ
参加するカモさん [] 2011/11/04(金) 01:25:31.72:LrC0KSjm
スレ主は元気かな
ゲーム好き名無しさん [sage] 2011/11/21(月) 22:41:02.41:3Ii+ZQww
生きてたらいいけどな
交差点 [sage] 2011/12/01(木) 00:25:05.49:2OsAZw2T
「まったく……おかしな客だったな」

店じまいを終えたがんこ亭店主は、店の椅子に腰を下ろしてため息をついた。
今日来た客は結局あの二人組だけ。まあこんな時にわざわざ外食をしたいと考える人間が少ないのは当然だが。
それにしてもあの二人組の様子は常軌を逸していた。
片や自分の娘に人目もはばからず欲情している下衆、もう片方は一見おとなしそうな少女に見えたが……
「ありゃあどうみても男だなあ」
本質を見抜く男、がんこ亭店主の目はごまかされ無かった。
あの二人が一体何を企んでいるのかは知る由も無いが、ロクなことでないのはおそらく間違いない。
「まあ、関わらなければどうってこともないだろうが」

がんこ亭店主は、殺し合いだのなんだのという話には何の興味も無かった。
ただ自分の役目はここでこの店を切り盛りしていくことだけ。
他の連中が何をしていようが、関心の及ぶところでは無い。

ただ、一人だけがんこ亭店主がわずかながらも気に留めている存在があった。
全くの偶然から出会った、全自動卵割器。
ただのなりゆきで家につれて帰った(とがんこ亭店主は思っている)が、何かが原因で心に深い傷を負っていると思われる彼に対して、出来ることが何もないわけでもないと思っている。

(まあ、色々考えるのは後にして、とりあえずは明日のための仕込みだな)

毎日の日課に戻ろうとしたがんこ亭店主だったが、その時に店のドアの外の人影に気がついた。
本日閉店の札は出しているはずだが、立ち去ろうとする気配がない。ただの客ではないらしかった。

「どうした、用か?」

声をかけると、外にいた人物は意を決したように店の中に入ってきた。
それは一疋の犬だった。
交差点 [sage] 2011/12/01(木) 00:26:05.71:2OsAZw2T

「もう店じまいは終わったそうだが……」
「ああ。だが、客じゃないなら入ってきても悪い道理はあるまい」
そう告げると、犬はやけに愉快そうに笑った。

「こんなナリだが、これでもこの殺し合いの参加者の一人でな。ちょっとした取引を持ちかけさせに貰いに来た。もっとも、正規の参加者ではないあんたには乗る義理なんかこれっぽっちも無いわけだが……」
「そうかどうか決めるのは、話を聞いてからだな」

そう言って、がんこ亭店主が店の椅子の一つに腰掛けたちょうどその時。
激しい地響き、雷鳴のような轟音、皮膚もつんざくような衝撃波、それらが一片に襲ってきた。
店のドアを突き破って、一台のバスが店内に突っ込んできたのだ。
瓦礫が舞い落ち、椅子や机の上の調味料が床の上に無残に散乱する。
そしてバスの運転席に座る男と機械は、冷徹な笑みを浮かべていた。
交差点 [sage] 2011/12/01(木) 00:27:25.11:2OsAZw2T
【六日目・午後十時】

【がんこ亭店主】(名簿外)
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・殺し合い中でも変わらず店を開ける
1:目の前の状況に対処。べ、別に店を守りたいだけなんだからね!!
2:全自動卵割り機を保護する。べ、別にただ怪我をしてるのに放っておけないだけなんだからね!!

【ハチ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・自分の家族を守る
1:不明
交差点 [sage] 2011/12/01(木) 00:27:55.17:2OsAZw2T
【アナゴ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:いつもは毎朝マスオや波平を乗せているバス
思考:
1・マスオ以外の参加者を皆殺しにする
2・今はグルグルダシトールと共闘
3・がんこ亭を制圧する


【グルグルダシトール】(名簿外)
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考: 基本・ノリスケの行方を捜しつつ、他の参加者を殺す
1・今はアナゴと共闘する
2・がんこ亭を制圧する
参加するカモさん [sage] 2011/12/02(金) 09:27:18.14:cUhnn4CY
待ってたよ!
参加するカモさん [] 2011/12/05(月) 20:33:00.61:F6M0NxzM
乙、続き楽しみにしてるよ
名無しさん@いい湯だな [sage] 2012/02/03(金) 03:55:09.92:M69jfLEJ
関係ないキャラ参加しすぎだろ。
参加するカモさん [] 2012/02/04(土) 18:27:08.75:UJJqppbZ
スレ主は元気にしてるかの〜
名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2012/03/03(土) 18:19:12.70:YwLxMVQ1
ほしゅ
参加するカモさん [] 2012/03/26(月) 22:36:39.63:pu2iPvhI
支援
可愛い奥様 [] 2012/03/31(土) 17:09:44.45:DXNmSoxR
あげ
地下世界の王 [sage] 2012/03/31(土) 17:14:59.44:dugtLwqo
腕時計を見ると、予想通り、もう六日目も終わりを迎えようとしていた。
地下道に潜伏してすでに数日が経っており、太陽がおがめないせいでさっぱりだった体内時計も少しずつ機能し始めたらしい。
ついでに、最初は閉口するばかりだった地下道の異臭も、ねばつくような湿気も、すっかり慣れてしまった。

(全く、住めば都とは良く言ったもんだなあ)

課長はため息をつく。

地上で集めた情報によれば、彼の部下のアナゴとマスオはまだ無事――かどうかはともかく命だけはあるようだが、すでにマスオの家族には犠牲が出ている。
おそらくは安全圏にいるであろう自分の妻子よりも、むしろ彼らのほうが今は気にかかった。

マスオとアナゴは、社内でも特に中のいい同期である。
控えめで人に付け入られやすいが、その分人あたりのいいマスオと、ずうずうしさが服を着たような食えない男ながらも行動力は人一倍のアナゴは彼から見てもいいコンビだ。

(なんとかして、もう一度彼らと働きたいものだが・・・・・・)

湿ったコンクリートの上に腰を下ろして、ここ最近の取引について回想する。
うっかりすると、家族と引き離されてはいない彼らのことが羨ましく思えてしまうことすらある。
殺し合いの場に家族がいるよりも、いないほうがずっと幸運であるはずなのに。
どうもこんなところに潜んでいると、考え方まで汚水の匂いに蝕まれてしまいそうになる。
おまけにここ数日、ほとんど誰ともまともに口を聞いていないときている。

(鉄仮面? 岩窟王? そんなガラでも無いか)

気を取り直して、今日の寝床――雨水が流れ込んできても濡れないであろう安全な場所を探そうと立ち上がった時だった。
頭上で、鉄球を激しくぶつけたかのような轟音と振動がした。
地下世界の王 [sage] 2012/03/31(土) 17:15:57.26:dugtLwqo
「殺し合い」などという異常事態にも関わらず律儀に明かりを灯し続けている街灯の間を、一人の少女が脇目も振らずに走り抜けていた。
その後からは、小山のような見慣れぬ物体が地響きを立てて迫ってくる。
それは、棟梁が五日の時間を費やして完成させた木造のロボット兵器だった。
しかしコックピットに座るのは棟梁ではなく、棟梁を射殺しロボットを奪ったホリカワである。
その挙動は遠目に見ても、行き当たりばったりの無計画なものだった。
家、電柱、街灯など手に触れた全てをとりあえず破壊し尽くしてはいるが、動作は無駄と隙だらけで真っ直ぐに進むことすらもままならない。
本当にリカを標的にしているのかどうかすらも判然としなかったが、しかしリカの目には、何よりもその巨体だけでそれは十分な脅威に映った。
それだけではない。このような騒ぎに、殺し合いの他の参加者たちが気付かないわけはない。
もし彼らがここに集まってきて、その中の誰かに見つかったら、戦力の無い自分などは圧倒的に不利だ。

「こっち、こっちだ!!」

悪い予感が的中したのかと思い心臓が跳ね上がった。
振向くと、薄汚れた背広を着た中年の男性が手招きしていた。面識は無い男だ。
信用するか、しないか。
迷うのは命取りだと知りながらも、即座に決断できないのは幼さ故だった。
ロボットの足音がこちらに迫ってくる。
恐怖と逡巡により動けなくなっていたリカの体を、疾走してきた部長が抱き上げた。
ロボットはリカを見失ったのか、ピタリと動きを止めた。
その間に、部長はリカを抱えたままマンホールの中へと飛び込んだ。


【六日目・午後十一時】
【下水道】
地下世界の王 [sage] 2012/03/31(土) 17:16:56.04:dugtLwqo
【部長】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・しばらくは地下に潜伏して様子見
1・リカを保護する
2・部下のマスオとアナゴが心配

【リカ】
状態:健康
装備:無し
武装:無し
思考:基本・この殺し合いの「主役」になる

【町の南部】
【ホリカワ】
状態:手首に損傷
装備:支給品一式
武装:ワイヤー、拳銃、巨大ロボット
思考:
1・ワカメを守る
参加するカモさん [sage] 2012/03/31(土) 17:23:06.87:dugtLwqo
名簿外キャラも出したいキャラはほぼ出し尽くしたので(あとはヤカマシさんとフネの地元の住職、波平の幼馴染くらいだけど
この人たちは外部勢力向きかなと思うので)今後はどんどん削っていきます
名無しさん@お腹いっぱい。 [] 2012/04/01(日) 16:54:44.53:DarYC2MW
新作キテタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
投下乙
例えばトイレをどうするかという問題 [sage] 2012/04/03(火) 14:49:21.55:chA2EBJm
伊佐坂家の応接間は、本来であれば老いた作家と中年の編集者が向き合って座り、打ち合わせなどをするための空間である。
しかしこの夜、そこに座っていたのは普段とは随分と違う面子だった。
一人は丈の短い和服を着た少女。
もう一人は、どこで売っているのかもわからない、子供サイズのグレーのスーツを着たやはり少女である。
二人とも顔立ちは人目を惹くほどに整っているが、居住まいや仕草は明らかに子供のものではなく、歳を経た老人のそれである。
そしてその小さな口から出る言葉も、やはり見た目の印象を裏切るものであった。

「つまり、校長先生も私と同じような状況で、というわけですか?」

口を開いたのは和服姿の少女――の姿をした、伊佐坂難物その人である。声と顔は幼女でも抑揚は老人なのでとても違和感がある。
しかし対談相手はそんなことを気にしなかった。

「ええ、私はてっきり自分はもう死んだと思っていました。まさかこんなことになるとは・・・・・」

スーツ姿の少女がそれに応える。
やはり子供らしからぬ口調だが、同じ老人めいた口調でも、やや神経質そうな響きのある伊佐坂とは違って鷹揚さが垣間見える。
その正体はかもめ第三小学校の校長。全生徒の氏名と顔だけでなく、その父兄まで覚えているという模範的教育者である。
彼がいささかに語った内容を要約すると、彼は自分の学校の校長室で何者かにコーヒーに毒を入れられるか何かして死亡したらしい。
とにかく、コーヒーを一口含んだ瞬間に彼は気を失い、次に目が覚めた時は今の姿になっていたというのだ。
事切れた自分自身の肉体はその時すでに校長室から消えうせていた。おそらく波平側が手を回したのだろう。

(それにしても・・・・・・)
例えばトイレをどうするかという問題 [sage] 2012/04/03(火) 14:50:23.49:chA2EBJm
伊佐坂は考える。こうして第三者的な立場で聞いてみてもあまりにも荒唐無稽な話である。
もし自分自身がその当事者で無かったら到底信じることなど出来なかっただろう。
事実は小説より奇なり、か。しかし今の自分がその言葉を使うと、色々とシャレにならない。

「しかし、弱りましたねえ」

校長はため息をついてみせた。

「私と同じ目に遭ったと聞き、伊佐坂先生と話してみたら何かわかるのではないかと思ったのですが・・・・・・」

前の体の時についたクセなのだろうが、しきりにハンカチで額を拭いている。

「校長先生は、この後どうされるのですか?」

伊佐坂の問いに、校長は苦い顔で答える。

「私は何があってもわが校の教職員、および生徒を守る必要があります。
しかし、この姿で出て行って他の教職員に私が校長だとわかってもらうのは骨ですし、それに・・・・・・」
「自分を殺害しようとした誰かに、まだ自分が生きていることを知られてしまう」

校長はうなずいた。
それはもちろん、伊佐坂自身の問題でもある。

「幸い、明日明後日は土日です。その間にどうにかして学校へ潜り込む方法を考えますよ」
「校長先生、もし良かったら今日はうちに泊まっていきませんか? その・・・・・・女の子が一人というのは危険ですし」
「ありがとうございます。しかしその前に寄らないといけないところが・・・・・・」

その時、机の上に並んでいた二人分の湯のみが倒れた。
振動に伊佐坂は腰を抜かし、校長は立ち上がってカーテンを開いた。
窓の外、月の下、木製の巨大ロボットが街灯を揺らしながら歩いていた。
例えばトイレをどうするかという問題 [sage] 2012/04/03(火) 14:51:11.00:chA2EBJm
【六日目・午後十二時】
【伊佐坂家】

【伊佐坂難物】
状態:健康 体は10歳の少女のもの
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・ノリスケの仇を討つために波平を倒す(殺し合いには乗らない)
1・動揺

【校長】 (名簿外)
状態:健康 体は十歳の少女のもの
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・元の体に戻る、生徒と教職員を守る
1・ロボットの正体を探る

【磯野家周辺】
【ホリカワ】
状態:手首に損傷
装備:支給品一式
武装:ワイヤー、拳銃、巨大ロボット
思考:
1・ワカメを守る
僕たちは家族を守りたかった [sage] 2012/04/30(月) 15:30:18.00:J/L0O84y
今の磯野家の中には、日常と非日常が同居していた。
殺し合いが始まる前と全く同じ生活を送ろうとする、サザエ。
「父さんとタラちゃんは一体どこに行っちゃったのかしら、それにタイコさんに電話しても出ないし」
などと言いつつも家事や買い物をこなす。
彼女に自覚できる変化と言えば、カツオがイタズラをめっきりしなくなったことだった。

「なんか最近不気味なくらい大人しいわよねえ、逆に気味が悪いわ」
カツオの顔を見るたびに、そんなことを言う。
カツオは軽口を二、三言返すくらいで、そんな態度がサザエの疑念をますます膨らませるのだが、しかしそれ以上は追求されなかった。
そして六日目のこの日も、サザエは晩御飯の後片付けを機械的に済ませ、マスオに「タラちゃんをお風呂に入れて」と頼んだ。
自分が風呂から上がった後で、
「タラちゃん、どこなの?」
と家中を探し回る。しかしいつものように、マスオが
「僕が探しておくから、君は先に休みなよ」
と、サザエを寝かしつけた。

カツオは自分の無力さを一日経つごとに強く感じていた。
連日学校もほとんどサボりながら中島や花沢の行方を捜しているのだが、一向に手がかりも見つからない。
前回の波平の放送では名前を呼ばれなかったのだが、すでにあれから丸一日以上経っている。
その間に、どれだけの死者が出ているのかわかったものではない。
それに、中島や花沢と再会した所で果たして何が出来るものだろうか。中島を説得することが本当に可能だろうか。
守ると決めたはずなのに。
家族も、仲間も、みんな守ると決めたのに。
いっそ、食料を買い込んだ上で家族みんなで磯野家に篭城したほうがいいのかもしれない。
自分でも自分らしくないと思うような消極的な戦法が脳裏によぎる。
だが、他の家族たちは、それを許してくれそうに無かった。
僕たちは家族を守りたかった [sage] 2012/04/30(月) 15:31:08.65:J/L0O84y
カツオと同様、一日中家を忙しそうに出入りしているワカメ。殺人と死体処理も身についてきた。
幼児や同級生など、自分の力でも難なく殺せそうな者は一人でも多く殺した。
大人であっても、油断していたりする者は機会を得ればすぐ殺した。イクラとタイコも、先に死ななければ自分が殺していた。
この六日間で十数人はすでに処理している。
問題は、波平の名簿の中にいるメンバーをさほど削れていないということだ。
名簿の中でも最も殺しやすそうなリカは、行方をつかめない。
ハチは住んでいるのが隣家だ。家族に気付かれるリスクの高さから、流石に手を出しにくい。
同様の理由で裏の老夫婦もだ。もっとも、裏のおじいちゃんはしばらく姿が見えないようだが。
それに、あの目撃者探しもある。いつまでも先延ばしにするわけにはいかない。
幸い、夜になるとサザエ、カツオ、フネは完全に眠り込んでしまう。彼女の深夜の外出を咎める者はいない。
怖い父親も、もういない。
いつものように、深夜になってから布団を抜け出す。隣で眠っているカツオを起こさないように、足音を殺してそっと襖を開ける。
しかし玄関の扉を開けようとした時、思わぬ声に呼び止められた。

「ワカメちゃん」

驚いて振向くと、マスオがどこか悲しげな顔で立っていた。
しまった、どういい逃れよう。だがワカメが口を開くより前に、マスオが言葉を続けた。

「もう、いいんだ」

最初は何を言っているのかわからなかった。

「もう、いいんだよワカメちゃん。君はそんなことをしなくていいんだ」

はっとして体ごと向き直るワカメの目をまっすぐに見て、優しく微笑んで言った。

「そんなことは全部、僕がやる。みんなを守るために、僕が全部やるから」

しかしワカメが何かを応えるよりも前に、二人は、何か巨大なものが地を揺らしながら歩み寄ってくるのに気がついた。
僕たちは家族を守りたかった [sage] 2012/04/30(月) 15:32:31.99:J/L0O84y
【六日目・午後十二時】
【磯野家】

【フグ田マスオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・何が何でも家族を生き延びさせる。そのためには他人を利用することも厭わない
1・サブを利用する。切り捨てることも覚悟の上
2・サブに代わる手駒を探す

【磯野ワカメ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:ワイヤー、文化包丁
思考:
1・家族以外の人間を皆殺しにする
2・目撃者をどうにか始末する
僕たちは家族を守りたかった [sage] 2012/04/30(月) 15:33:31.26:J/L0O84y
【フグ田サザエ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:……

【磯野カツオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・中島、西原、花沢、ハヤカワの捜索
2・中島の目を覚ませる
3・絶対に殺し合いを終わらせる
さようなら。 [sage] 2012/05/01(火) 15:02:23.08:OUMbDxKO
「ハチー、どこに行ったの?」

街灯と僅かな家の明かり、それに月しか光源のない深夜、伊佐坂家の庭に若い女の姿があった。
この家の娘、ウキエである。
彼女は犬小屋の前で何度も何度も愛犬の名前を呼んだ。しかし返事は無い。
すぐそばにいるのだろうか。怖いと思いつつも、門のほうまで歩いていく。
一人ではもはや家の敷地から出るどころか、屋外に出ることすらも躊躇われたが、あんな状態の家族に同伴を頼むわけにはいかない。

「ハチ……まさか、もう……」

思えば、あんなに賑やかだった隣家から、子供たちの笑い声もカミナリ親父の怒鳴り声も聞こえなくなってからどれだけ経っただろう。
彼女の家庭も、負けず劣らず……などという言い方はどうかとも思うが、とにかくめちゃくちゃになってしまった。
兄、甚六は、気の毒によほど外で怖い思いでもしたのだろう、部屋に引きこもって出てこようともしない。
父、難物は少女の姿に変えられてしまった。どれだけ不安、どれだけ屈辱であろうか。
我が家では最も熱心にこの殺し合いからの脱出方法を探っていたようだが、もはや外を出歩かせるわけにはいかない。
母、オカルは数々の心労が祟って寝込んでしまった。
こうしてみると自分はおそらく一番運がいい。まだ本格的に怖い思いをせずにすんでいる。
だがなかなかハチが見つからないことが不安となり、その不安はウキエの中でどんどん膨張していった。

その時、ウキエの耳にも聞こえた。
巨人がのし歩く足音のような、大きな音と激しい地面の揺れ。

「な、何今の?」

家の中に逃げ帰ろうとしたが、その前にまずは状況を確認しようと思った。
ウキエは十分に用心しながら、門の外にそっと顔を出した。
胸に刃物が突き刺さった。
さようなら。 [sage] 2012/05/01(火) 15:03:15.24:OUMbDxKO
「はあ、あああああ、あなたあああああ、どこにいるのおおおおおおお、あなたああああああああああ……」

ついさっきまで若い娘が立っていた伊佐坂家の庭に、今は別の女が立っていた。
返り血で真っ赤に染まったエプロンで、血がまとわりついた鉈を拭っている。
伊佐坂家の家人たちはみな迫り来るロボットに気を取られ、庭への侵入者には気がつかない。
もっとも侵入者自身、自分が何をしでかしているのかもわかってはいなかった。

「おかしい、おかしい、おかしいいい……こんなにいっぱい、こんなにいっぱい殺したのに、なんで、なんで、あの人はまだ、
なんで、なんで、なんで……帰ってこないのおおおおおお、あなたあああああああ」

そのうめき声も、ロボットの足音にかき消されて、伊佐坂家の人々の耳には届かない。
一方アナゴ婦人は、その足音にすら気付いていない。
それよりも、流石に疲れて眠くなってきた。
ついさっきも、たまたま道に飛び出してきた若い女を殺してバラバラにしたところだ。疲労も限界である。

寝床を求めて、彼女はあまり深く考えもせずに、鍵の開いた出窓から伊佐坂家の中に入っていった。幸い、今にはもう誰もいなかった。

【六日目・午後十二時】
【伊佐坂家】

【アナゴ婦人】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:鉈
思考:
基本・アナゴ以外の参加者を皆殺しにする
1・少し休む
2・甚六を殺す

【伊佐坂ウキエ 死亡確認】
残り35人
side C [sage] 2012/05/02(水) 17:21:55.50:qXsnPcKg
殺し合いとかなんとか言われても俺にはとんとわかんなかったが、だがここまで町の連中がバタバタしているとなると俺にも少しは事情が飲み込めてくるってえもんだ。
だれそれが死んだとか、だれだれがどこのだれに殺されたとか、そんなこたあ、俺にとっちゃあ正直たいしたことじゃあねえ。

随分な冷血漢じゃねえかってえ? まあそうさね、あんたらにはそう思われても、まあしょうがねえってとこだな。
だけど、ちょっと考えて見てくんねえか。
例えばあんたは道端で虫が死んでても、悲しく思ったりするかい?
あるいは川の中で魚がいっぱい死んでても、取り乱したりはしねえだろ?
こんなこと言ってる俺だってもちろん、魚を食うときに罪悪感なんざ感じたりはしねえ。

生きものってのはそういうもんじゃねえか。同情できるのはあくまでも自分と同格な相手だけよ。
もっともこないだ死んだ俺の仲間の一人は、そういう考えじゃなかったみてえだけどな。まあそりゃそいつの勝手ってもんだ。

俺にとってそれよりも危急的な問題は、もうここ何日もその魚を食ってねえってことだ。
今までは魚が食いたくなったらあの家に行けばよかったんだが、流石にこうなっちゃあそういうわけにもいかねえ。
俺だってその程度の空気くらいは読めるってもんだからな。
もっともメシには苦労していねえ。奇特な奴がいて、この殺し合いのドタバタの中でずっと宿無しだった俺を家に招きいれてくれた。もちろんメシと昼寝つき。
こいつが何を考えてんだかはさっぱりわかんねえが、まあどうでもいいさ。
それに俺にはこいつらの考えなんかさっぱりわかんねえからな。あんたが虫の考えを理解できないのと同じことだな。

今俺は、この家の主人であるそいつの隣でいつものようにウトウトしている。
周りにはそいつの娘だという女の子と、もう一人別の帽子を被った女の子、それに中年くらいの男がいる。
いかにも神経質そうな中年男は、隣に座った帽子を被った女の子の胸やら尻やらに手を伸ばそうとしてはひっぱたかれている。いつものことだ。
どうもこの男はこのくらいの歳の女が好みのようだな。もっとも、同い年くらいのもう一人の娘には目もくれてないが。
side C [sage] 2012/05/02(水) 17:22:29.80:qXsnPcKg
その時、主人の机の上の電話が鳴った。
主人はすぐに受話器を取って、なにやら話し込んでいた。声のトーンからしたら随分深刻な話みてえだな。内容はわかんねえが。
受話器を置いた後、即座に男は言った。

「岡島さん、中島くん、ちょっと頼みたいことがある」

おーおー精が出ますなあ。でも俺まで巻き込まれるのはゴメンだから、俺は「にゃあ」とあくびをすると、机の上から飛び降りてさっさと退散した。


【六日目・午後十二時】
【駅前・がんこ亭店内】

【花沢花之丞】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:毒薬
思考: 基本・ 殺し合いの中で不動産を売りさばいて利益を上げる
1・中島と岡島を動かす
2・花子の命は最優先で守る

【中島】
状態:健康 女装
装備:支給品一式
武装:ナタ
思考:基本・カツオ以外を皆殺しにし、カツオを優勝させる
1:岡島を体で操って人殺しをさせる

【岡島さん】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:中島タンハアハア
side C [sage] 2012/05/02(水) 17:23:31.80:qXsnPcKg
【花沢花子】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:毒薬
思考:
基本・恋敵は殺す。他の人間は未定

【お魚咥えたドラ猫】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:なし
思考:花沢父の傘下で大人しくしておく
※花沢陣営の一員です
参加するカモさん [] 2012/05/03(木) 21:02:25.00:Ek3Ki0QF
て、新作来てたw
読んでみるかw
参加するカモさん [] 2012/05/15(火) 10:44:31.25:Ob29jpqk
新作キター!乙です
偶然 [sage] 2012/06/28(木) 17:21:12.54:YQnI+kkn
「結局、また一足遅かったみてえっすね……」

割られた窓、荒らされた部屋、そして畳の上に横たわる、血に染まった男の亡骸。
男を殺した者の姿はすでに無かった。
泥棒は、胸を切り裂かれて生涯を終えた男の傍らに座ると静かに手を合わせた。

「まだ数時間と経っていないな……本官たちがもっと早く、ここに来ていれば……」
「おまわりさん……」

泥棒と警官、本来なら決して相容れない立場である二人の男は互いに目配せをして、どちらからともなくよろよろと座り込んだ。
もう何度、こんなことを繰り返しているのだろう。
住人の中で誰が殺し合いに乗っているのかがわからない、いや、今は乗っていない住人でも誰がいつ乗るかわからない以上、地道に町中を回って殺し合いが起きないように目を光らせるしかない。
だが、警官と泥棒が目にするのは、すでに殺された犠牲者の姿ばかりだった。
目にした殺人現場の状況や位置から推測し、次に殺人が起きそうな場所に先回りしたこともあった。
だが、それも無駄に終わった。彼らが到着する時には、例外なくすでに殺人が行われた後なのだ。

「おまわりさん……もう限界じゃねえすか?」

泥棒は腰を下ろしたまま、弱々しく声を吐く。

「やり方を変えませんか? こんなことをいつまでも続けるわけにもいきやせんぜ」

「いや……他にアテがあるわけでもない。しばらくはこのまま続けるしかない」

そう応えながらも、それが無意味な行為に終わるであろうことは警官にもわかっていた。松葉杖の表面を意味も無く撫でる。

「俺たち、あのまま先生と一緒に死んでいたほうが良かったかもしれねえっすね……」

「そんなことを言うものでは無い」

自分たちを救ってくれた麻雀医師を見殺しにしたのみならず、他の人も、誰一人救えていない。何度も続く不運を嘆くことしかできない。
偶然 [sage] 2012/06/28(木) 17:22:03.69:YQnI+kkn
いや、本当に「不運」なのだろうか?

(おかしい。いくらなんでも、ここまで何度も続けて逃げられるものか?
あるいは、こちらの行動が読まれているのか? それとも……)

警官は、職務上の勘から、何かがおかしいということに気付き始めていた。
だが断定するには、根拠が少なすぎる。
それに、心身共に疲弊した今では頭もロクに回らなかった。
もとより、松葉杖とギプスが不要になるまでは本調子は出ない。

「……今日はここまでだな」

警官の宣言に、泥棒は黙ってうなずいた。すでに深夜だ。
いくら町民を守りたいとはいえ、二人だって食事と睡眠は取らないといけない。
今夜の寝床を探そうと、重い体を立ち上がらせた時だった。

二人のいる家の傍らを、一台のバスが走りぬけた。
警官は顔を強張らせた。自らの経験で判ったのだ。
ああいう走らせ方をする運転手は、高い確率で事故を起こす。
その直後、響き渡る衝突音。二人は家を飛び出した。
表の道に出ると、一軒の飲食店にバスが突入しているのが見えた。
その店の看板には、「がんこ亭」と書かれていた。
偶然 [sage] 2012/06/28(木) 17:22:43.84:YQnI+kkn
【六日目・午後十時】
【駅前・がんこ亭近くの路上】

【警官】
状態:健康
装備:支給品一式、不明支給品
武装:警棒
思考:基本・あくまでも警官としての職務に従い、住人たちを守る
1・状況を把握

【泥棒】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・警官に従う
参加するカモさん [sage] 2012/07/31(火) 19:15:01.11:PF+OPWtk
    _
   /  \    
  |  ^o^ |      
   \_   ̄\
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  |    \_/
      _| |_
     |     |

ttp://takes★hi3017.chu.jp/
★を抜いてね
創る名無しに見る名無し [sage] 2012/09/25(火) 00:34:00.62:u8eYRVaq
初めまして、そうでない人はお久しぶりです。
現在、投票で決めた各パロロワ企画をラジオして回る「ロワラジオツアー3rd」というものを進行しています。
そこで来る9/30(日)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?

ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。

詳しくは
ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
をご参照ください。
参加するカモさん [sage] 2012/09/26(水) 18:13:42.11:6gzUkAGO
ついに波平ロワがロワラジオにw
楽しみにしてます。
R-0109 ◆eVB8arcato [sage] 2012/09/30(日) 20:51:57.96:LoE7h1iT
ロワラジオツアー3rd 開始の時間が近づいてきました。。
実況スレッド:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/5008/1349003896/
ラジオアドレス:ttp://ustre.am/Oq2M
概要ページ:ttp://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html
よろしくおねがいします
ユーアンドミーふたり [sage] 2012/09/30(日) 21:03:01.27:H+9zBoWO
町内のその一角は、磯野家周辺の喧騒とも、駅前商店街の騒動とも無縁の深夜に相応しい静けさを保っていた。
もちろんどの家の住人も、六日目を無事に乗り越えられたこと以上に、明日が最期になるかもしれないという不安に苛まれながら、眠れぬ夜を迎えている。
だが、その中で一軒だけ、異質な雰囲気を放つ家があった。

その家の居間では、一人の少年がテレビをつけて見入っていた。
ニュースでは相変わらず、この殺し合いのことなど報じられていない。波平の情報統制は完璧に近い。
(やっぱり磯野のお父さんをどうこうするのは無理だな。磯野と中島を生き残らせるためには、俺が頑張って他の人を殺さないと)
この六日間で果たして何人の人間を殺したのか、彼にはもうわからなかった。

「西原が死んだぶん、俺が頑張るんだ。俺が……」

そううわ言のようにつぶやきながら、少年――西原は、静かにテレビを消した。

ここは彼の家ではない。彼の友人である橋本の家である。
だが橋本家の人間は、殺し合い四日目にして全滅した。本来なら、この家に帰ってくる者などいるわけがない。
だが、自分のことを橋本だと信じる西原は、さしたる苦もなくこの家に帰還し、戸惑うことも無く家の中の道具を使って食事をし、橋本のものだった布団の上で寝ている。
それも当然のことなのだ。彼にとっては、自分自身こそが「橋本」なのだから。

「さて、そろそろ……寝るか」

彼は立ち上がって子供部屋へと向かった。
もうすでに「自分の部屋」としか思えなくなった部屋のドアを開け、間違いなく自分のものである机や野球道具を見やる。
もはや「西原」という人間であった頃の名残など、彼の頭の中には微塵も無かった。

だが……この部屋の中に一つだけ、彼の心にひっかかりを覚えさせるものがあった。
それは机の上に置かれている一枚の写真だ。

その中には四人の少年が写っている。
ユーアンドミーふたり [sage] 2012/09/30(日) 21:04:22.85:H+9zBoWO
中央にいる帽子を被った坊主頭の少年と眼鏡の少年は、彼の親友である磯野と中島。
その両隣にいるのが、言うまでも無くこの自分である橋本と、今はもういない大切な友人、西原だった。

だが、この写真をじっと見れば見るほど、彼の中に疑問が浮かび上がってくる。
この二人の少年のうち、果たしてどちらが自分で、どちらが西原なのか。

自分の顔を忘れることなどあるわけも無い、とわかってはいても、考えれば考えるほど、心の中の焦点がぼやけてくるように、どちらがどちらだったのかが判らなくなる。
無論、今すぐ洗面所に行って鏡を見れば疑問は氷解するだろう。
しかしなぜか、それだけは、してはいけないことであるような気がした。

西原は写真から目を背けると、すでに使い慣れたベッドの上に身を投げた。
わからないことをいつまでも考えていたって仕方あるまい。
それに、大して重要なことでもあるまい。そんな気がした。

【6日目 午前11時】
【橋本家】
【西原】
状態:健康
装備:支給品一式、橋本の服
武装:小型爆弾×4
思考:基本・カツオ、中島を生き残らせるために他の参加者を殺す
※錯乱の末、自分のことを橋本だと思い込んでいます
その背中だけ追いかけてここまで来たんだ [sage] 2012/09/30(日) 21:10:32.24:H+9zBoWO
ジミーの職業は大工である。
だがまだ見習いであり、独立にはほど遠い。
しかし、いくら怒鳴られ、しごかれながらも棟梁の下を離れる気にはならないのは、棟梁の中に自分が欲していたものの存在を見ているからである。
それは、強い父親だった。
ジミーにとって、何よりも欲しかったものはそれだった。
厳しく叱りながらも、行くべき道を指し示してくれる、大きな背中をした父親。
棟梁が目の前に現れたその時から、ジミーにとって棟梁が世界の中心であり、世界の全てだった。

だが一度だけ、あまりの厳しさに音を上げ、棟梁の下を離れようとしたことがある。
その時自分の軽率さを諌めてくれたのが波平だった。
誤った道を行こうとした自分を正しく導いてくれた。
それ以来、波平もまた、彼にとって棟梁と並ぶ父親代わりとなった。


「ん……ここは……」

ジミーが目を覚ましたのは見知らぬ部屋だった。自分の家でもなければ、磯野家でもない。
「おー、気がついたか」
だがそう言って顔を覗き込んでくる男には見覚えがあった。
この町内における重要な食糧供給拠点の一つ、三河屋の店主。
「道の真ん中でぶっ倒れてたからよお、サブにバイクでここまで運ばせたのさ。
何しろほら、ここんとこ物騒だしよお」
思い出した。確か自分はリカの荷物を盗んだはいいものの、その中身が……いや、思い出すのはよそう。
その背中だけ追いかけてここまで来たんだ [sage] 2012/09/30(日) 21:11:57.37:H+9zBoWO
「どうもすんません、お世話になっちまって」
「お前、磯野さんとことかに出入りしてる大工の見習いだろう?」
三河屋の店主はジミーに水を薦めながら言った。
「最初は正直、チャラチャラした気にいらん奴だと思ってたんだがよお。大工仕事はしっかりしてる様だし、なかなかしっかりした若者じゃねえか。
少なくとも、うちのサブなんあよりはなあ」
そういう三河屋の横顔は、なぜかとても寂しそうに見えた。
しかしそれよりもジミーが意外に思ったのは、主人がいつもと同じ、三河屋の店頭に出る時の服装をしていたことだ。
「あの……こんな時でも、お店やってるんですか?」
「ったりめえよ! 俺が店を開かなけりゃ、みんな食うもんに困るじゃねえか」
ジミーは少し感心した。自分なら、その食料を独り占めして篭城しようとでも思っただろう。
水を飲み終えたジミーは、少しためらった後、三河屋にこう質問した。

「三河屋さんはどう思ってるんです? この、磯野さんがはじめたことについて」

三河屋は渋い顔になった。
「そりゃ、磯野さんには日ごろから世話になってるさ。けど、今回のことは許せねえ。
こんなに大勢の人を死なせて、それでたとえ盆栽が戻ってきたとしたって、何になるってんだ」
怒りというよりも、当惑に近い感情を圧縮して吐き出したかのようだった。

「じゃあ……磯野さんのやったこと、間違いだったと思いますか?」
「おお。こんなことはなんとしてでも止めさせなきゃいけねえ。
俺は普段の磯野さんのことを知ってるからこそ許せねえんだ。
あんな今時珍しいくれえまっすぐで正しかった人が、盆栽一つでこうも変わっちまうのかってな」

三河屋は、これ以上はもう話したくないとでも言うかのように、立ち上がってジミーに背を向けた。店番に戻るのだろう。

ジミーは素早く跳ね起きた。そして、いつも首に巻いているヘッドホンのコードを三河屋の首に巻きつけた。
三河屋の抵抗は一瞬の間だけだった。油断しきっていたからか、あるいは、「もう、これでいいさ」とでも思ったのか。
ジミーが力を抜くと、三河屋の亡骸は床の上に崩れ落ちた。
その背中だけ追いかけてここまで来たんだ [sage] 2012/09/30(日) 21:14:11.79:H+9zBoWO
ジミーは知っていた。
波平はいつだって。自分に正しい道を教えてくれることに。
だから波平が言ったことは、いつだって、絶対に、正しい。
そう信じていた。
三河屋の死体を後に残して、ジミーは部屋を後にする。
後悔も、逡巡も無かった。
波平は、絶対に、正しいのだから。

【6日目 午後11時】
【三河屋】

【大工のジミー】
状態:健康
装備:支給品一式×2(リカの分含む)
武装:大工道具一式(カンナ・金槌・釘・ノコギリ) 、斧、出刃包丁
思考:波平に従い、殺し合いを行う

【三河屋店主  死亡確認】
残り34人

君が大人になってくその季節が [sage] 2012/09/30(日) 22:04:05.12:H+9zBoWO
ハヤカワの初恋は、周囲と比べてやや遅かった。
だが、その炎の燃え方は、クラスメートの誰よりも激しかった。

カツオや中島のような同級生には、ハヤカワは全く興味が無かった。
カツオに熱を上げる花沢には、ある種の軽蔑すらも感じていた。
ハヤカワが恋に落ちた相手は、自分の何倍もの年月を生きてきた、初老の異性。
そして、彼女の担任の教師。
そんな相手と逢瀬を重ねることがどんな結果をもたらすのか、生徒であるハヤカワにもわかっていた。
しかし、彼女の情熱は、そんな幼い理性を吹き飛ばした。

「ん……」
殺し合いが始まってから何度目かの逢瀬の後、衣服を身に着けていないハヤカワは、同じく生まれたままの姿の先生の前で目を覚ました。
先生は既に起きていた。が、いつものように甘い声で彼女の頭を撫でようとはしなかった。
優しそうな、それでいて寂しそうな目でハヤカワを見つめている。
「先生、どうかしましたか?」
彼は黙って首を振った。
今日、外出先から戻ってというもの、ずっとこの調子だった。
「先生」
ハヤカワは先生の首に手を回す。
「私に、隠し事をする必要があるんですか?」
先生は答えない。ただ優しい目で彼女を見る。
……彼が他の生徒たちを見るのと、全く同じ目で。

それが、ハヤカワには許せなかった。
「せん――」
しかし彼女が気持ちを吐き出すよりも先に、先生の目から涙が零れ落ちた。
「私は……守れなかったんだ」
それはおそらく、目の前にいる少女に向けての言葉では無かった。
「みんな、みんな、守ってやると誓ったのに……私は……私は……」
「それは先生のせいじゃありません! みんなが死んだのは、磯野君のお父さんが……」
君が大人になってくその季節が [sage] 2012/09/30(日) 22:05:37.72:H+9zBoWO
「違う!!」

ハヤカワの前で初めて、先生は感情を曝け出した。

「命だけじゃない、私は、私は、心も守れなかったんだ!!
死んでいった橋本たちも……生き残った、西原すらも!!
なのに、なのに、なんでこれ以上お前を抱くことが出来る!!」

先生は崩れ落ちるように枕に顔を埋めた。

「……もう、帰るんだ」

ハヤカワは耳を疑った。

「私には、もう、お前を抱く資格は無い」

それ以上の説明は不要だと、その背中が言っていた。
許せなかった。

「……私は、」
だが、ハヤカワの言葉は玄関先から聞こえた声で遮られた。


「ちわーす!! 三河屋でーす!!」
君が大人になってくその季節が [sage] 2012/09/30(日) 22:07:02.64:H+9zBoWO
【6日目 午前10時】
【先生の家】
【先生】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・絶望
1・ハヤカワとはもう別れる

【ハヤカワ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・先生とずっと一緒にいる

【サブちゃん】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:不明
町の外にて [sage] 2012/09/30(日) 23:46:17.94:H+9zBoWO
海平とマスオの母はとりあえず空いていたビジネスホテルの部屋を取った。
一日中歩き回って、手に入った情報はほとんどない。
今家族たちの身に何が起きているのか、彼らが無事に生きているのかすらも、全くわからない。
「とにかく明日も続けましょう。もしかしたら、何かを知っている人に会えるかもしれません」
海平はマスオの母にそういい残すと、足取りも重く自分の部屋へと入っていった。
マスオの母の部屋は一階上である。
荷物を床に降ろし、着物の帯を緩めてベッドの上に腰を下ろす。
思うことは一つだけだった。

(マスオ……サザエさん……タラちゃん……どこにいてはるんや……今、何をしてはるんや……)

着替える気にも、風呂に入る気にもならない。
そう言えば、午後になってからは水しか飲んでいない。ルームサービスでも頼むべきだろうか。
そう思っていたちょうどその時、部屋のインターホンが鳴った。おそらく海平だろう。
マスオの母は急いで扉を開けた。
そして、来訪者の顔を確認するよりも先に気を失った。


「気がつきましたか!?」
目を覚ましたマスオの母の前には、彼女と同じく着物を着た女性が立っている。
マスオの母は手を後ろ手に縛られている。
だが闖入者は、強盗というにはどこか様子がおかしかった。
「あなた、マスオさんのお母様らしいですな」
「ど、どうしてそれを……」
「ある人に教えてもらいましてん」
どこか余裕のあるように見えるのは、その協力者の存在のせいだろうか。
町の外にて [sage] 2012/09/30(日) 23:47:07.70:H+9zBoWO
「わ、私をどうする気ですん?」
「安心してください、あなたを殺すとか、どうこうする気はありません。
あなたは大事な人質です」
「人質? そ、そもそもあんたは……」
「申し送れました。私は波野というものです。お会いするのは初めてでしたな?」
「あ……」
言われてみれば、ノリスケに似ている部分がある気がする。
「あなたも息子さんを心配して上京したんでしょう? 私も同じです」
「せ、せやったらなんでこんなマネを?」
ノリスケの母は自信ありげに含み笑いをして言った。
「私はあなたたちとは違います。あくまでも、うちの息子だけ助けたいんですわ。
他の人たちなんかどうなってもいい。マスオさんたちだけやない、あんたも、海平さんも、みんなどうでもいい。
やから私は、あなたたちみたいな悠長な真似はしませんわ。悪の親玉と戦います」
悪と戦う? 一体何を言い出すのか、この女は。

しかし次の彼女のセリフは、それ以上の驚きをマスオの母に与えた。

「私はあんたを人質に取って、このホテルに立て篭もります。
そして、日本政府を相手に交渉します。ノリスケの生きてる町で何が起きてるのか明らかにして、
私の息子だけでも保護するように!!」
町の外にて [sage] 2012/09/30(日) 23:48:42.51:H+9zBoWO
【五日目 午後3時】
【会場外】

【磯野海平】
状態:健康
装備:なし
武装:なし
思考:
1・波平たちの行方を捜す
※殺し合いに参加していません

【マスオの母】
状態:健康
装備:なし
武装:なし
思考:
1・波平たちの行方を捜す
※殺し合いに参加していません

【ノリスケの母】
状態:健康
装備:なし
武装:なし
思考:
1・マスオの母を人質にホテル立て篭もる
※殺し合いに参加していません
名無しさん@天国に一番近い島 [sage] 2012/09/30(日) 23:53:51.65:SWWIdZ4k
投下乙です。
やはり何年経っても親子の絆は切れないものなのですね。
でも自分の息子だけはちょっとひどいwwwwww

ともかく投下乙です!!
参加するカモさん [sage] 2012/10/01(月) 00:14:30.26:vdZoA30d
四連投下乙です!
橋本を誤殺しちゃった西原の心の中がツラい……
そして逆らえないと思ったジミーも何か深みが出てくるキャラに!
三河や店主がかっこいいなあ
とおもったら次の話ではサブちゃんがシリアスブレイカーしてるしw
ロリペド先生は悩む方向が違うような……?
ハヤカワにマーダーフラグも有るし、外部では大変なことが起こってるし!

ラジオから来た勢ですが、本当に面白いです!
応援してます!
名無しさん@お腹いっぱい。 [sage] 2012/10/01(月) 00:16:27.42:q5bXoKlr
乙!
先生、ついに生徒と決別するんだな……
ジミーは波平盲信しすぎや、怖っ、近づかんでおこ
そしてゲーム外で行われる不穏なやり取り
これからも見離せないぜ!
参加するカモさん [sage] 2012/10/01(月) 00:46:07.78:pNSad0TJ
投下乙です
日本政府と交渉wwwww
なんだか凄いことになっちゃったぞ無論良い意味で
作者です [sage] 2012/10/01(月) 12:04:15.24:jprsATbG
皆様、多くの感想本当にありがとうございます
これからも波平ロワをどうか宜しくお願い致します
可愛い奥様 [] 2012/10/13(土) 13:29:01.28:A4tlI0Kn
投下来てたw
参加するカモさん [sage] 2012/11/15(木) 02:04:19.42:54R1En6E
波平 47話(+ 4)  28/39 (- 1)  71.8(- 2.6)
笑顔を見せたかった [sage] 2012/11/17(土) 17:13:27.59:M8ouu0X8
いつからだろう。
人の前で、上手に笑えなくなってしまったのは。

いつからだろう。
自分の料理を食べてくれる人たちに、素直に感謝の気持ちを伝えられなくなったのは。

いつからだろう。
そんなことを、寂しいとすらも思えなくなってしまったのは。


がんこ亭の店内は惨状を極めていた。
几帳面に並べられていた椅子や机はひっくり返り、店主が心を込めて準備した調味料や箸の入れ物が砕けて中身を散乱させていた。
ガラスの破片が床一面に散らばっている。
そして、一台のバスが厨房の真ん前に停車していた。

「……何のつもりだ?」

店をめちゃくちゃにされたがんこ亭店主が、怒りを隠さない口調でバスに乗った二人組に問いかける。
ハンドルを握る唇の厚い男と、鉛筆削りのような奇妙な機械。
殺意を持っているのは明白だった。が、答えようとしない。

「おい大将!!」

テーブルの下に逃げ込んで難を逃れたハチが甲高い声で叫ぶ。

「相手にするな!! この隙に逃げるぞ!!」
笑顔を見せたかった [sage] 2012/11/17(土) 17:14:19.99:M8ouu0X8
戦って勝ち目があるとは限らない、そう判断しての発言である。
そしてそれは、がんこ亭店主にとっても同様だった。バスの力になど敵うわけは無い。
例え悔しくても、ここはバスが追いかけてこれないルートで逃げるのが得策なのは判りきっていた。
相手はバスを降りて追ってくるかもしれないが、そうなればバスの中から引きずり出したも同然、互角以上に持ち込める。
少しの沈黙を挟んでがんこ亭店主は言った。

「店の奥にもう一人いる。そいつは怪我をしてて動けねえ」
「わかった。じゃあ俺がなんとか時間を稼ぐ。あんたはそいつを連れて、裏口からでも逃げてくれ」
「なんでお前が……」

ここには自分が残る、と言おうとして気がついた。
ハチの体格では他の参加者を連れて逃げることは出来ない。ハチがここに残り、自分は全自動卵割り機を連れて逃げるというのが得策なのだ。

(なんで俺はこう、助けられてばかりなんだろうな)

だがそんな悲痛は顔には出さず、店主はハチに目配せだけをして、店の奥へと入っていった。
笑顔を見せたかった [sage] 2012/11/17(土) 17:15:52.84:M8ouu0X8
一方、バスの中の二人、アナゴとグルグルダシトールもまた、相手の出方を窺っていた。
バスを店に突入させるという大胆な行動に出たにも関わらず、店内を荒らしたのみで店内の戦力を削れなかったのは想定外だった。

「どうする、グルグルダシトール」
「知れた事。こうなった以上は打って出るしかあるまい」

彼らがここを標的にしたのは、ここが名簿に記された参加者の溜まり場になるのを恐れてのことだった。
マスオはアナゴと一緒にこの店に来たことがあるし、サザエやタイコらも来たことがあるはずだ。
営業が不可能になるまで店内を破壊することは出来た以上、当初の目的は達成したとも言える。
しかし、

「ノリスケ様の命を奪った者が奴らである可能性がある以上……そうでなくても、奴らが誰がノリスケ様を殺めたかを知っている可能性がある以上、手ぶらでは帰れぬ」
「同感だあ。俺も、目の前に獲物がいるのにおちおち逃げるのは気が引ける」

ノリスケの敵を討つことだけを考えるグルグルダシトールと、マスオを生かすため彼以外を全員始末したいアナゴとの思惑は、利害以外の見解で一致した。

「だけど、車外に打って出るのは賭けになるな。向こうにもどんな武器があるかわかったもんじゃない」

グルグルダシトールもそれには同意する。迂闊に動くことが出来ず、車内でじっとチャンスを窺う二人。
その時、店内に居た店主とハチのうち、店主が厨房の奥へと引っ込んでいった。
残ったのはハチのみ。またと無いチャンスと言っていい。

「殺さず、捕らえて欲しい。ノリスケ様を殺害したのが誰なのか、拷問してでも聞き出したい」
「わかってるさぁ〜」

アナゴはグルグルダシトールを抱えると、バスのドアを開けて車外へと飛び出した。
笑顔を見せたかった [sage] 2012/11/17(土) 17:33:29.51:M8ouu0X8
厨房の奥に戻ったがんこ亭店主は、布団に寝かせていた全自動卵割り機をゆすって起こした。

「おい、逃げるぞ」

細かい説明は後で、という意味も込めた簡潔な言葉だった。
だが帰ってきた返事は、

「もう……ボクなんかほっといてよ。ここで死んだほうが、ずっといい」

「何を言っている?」
「だって、死ねばタラチャンに会える。生きていたって、一人ぼっちになるだけじゃないか。
僕はタラチャンさえ居てくれればいいよ。だから、タラチャンのところに行かせてよ、ねえ、お願いだからさ」

店主は無言で、全自動卵割り機の体を抱き上げ走りだした。

(ったく、俺って奴は。なんだってこんな時に……)


どうして、人と本音で話すことを避けて生きてきたんだろう。
どうして、笑えなくなってしまったんだろう。
どうして、要らぬ意地ばかり張ってきたんだろう。

(こんな時に、気の利いた言葉の一つも言えなくてどうするってんだよ……俺は……俺は……!!)

一人ぼっちはイヤだって?
バカやろう、その歳で俺みたいなことを言うんじゃねえ。

全自動卵割り機を抱えて、がんこ亭店主はただただ走った。
笑顔を見せたかった [sage] 2012/11/17(土) 17:35:37.36:M8ouu0X8
【六日目・午後十時】
【がんこ亭店内】

【がんこ亭店主】(名簿外)
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1:全自動卵割り機を連れて逃げる。べ、別にただ怪我をしてるのに放っておけないだけなんだからね!!

【全自動卵割り機】
状態:破損(命に別状なし)
装備:なし(支給品焼失)
武装:なし
思考:
1・………

【ハチ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・自分の家族を守る
1:アナゴとグルグルダシトールを足止めする
参加するカモさん [sage] 2012/11/19(月) 23:31:51.16:0DLycEgf
投下乙!
がんこ亭亭主イケメンすぎ。
でもやっぱり普通に喋ってる全自動卵割り機がシュールすぎるwwww
参加するカモさん [sage] 2012/11/21(水) 19:13:54.87:ZYwBXspK
投下乙!
がんこ亭亭主かっこよすぎだろう・・・・・・
いつからだろうな、素直に笑えなくなってしまったのは
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:13:24.48:KJftay7R
家の門の外に出た伊佐坂と校長、およびマスオとワカメは、こちらに迫り来るものを見て絶句した。
それはざっと三十メートルはあるかという巨大な木製のロボットだった。
さらにカツオとフネ、オカルも遅れて家から出てきた。

(棟梁、か!?)

その場にいた全員が思った。こんなものを作れるのはこの町では棟梁しかいない。

「おいおい、反則だろう、こんなの……」

マスオが途方に暮れたような声を出す。こっちは磯野家と伊佐坂家を合計しても大人が四人、子どもが二人に子どもの姿をした大人が二人。こんなロボットとどう戦えというのか。

(いや、待て、サザエは!?)

マスオはそこに集った面々の中に、妻の姿が無いことに気付いた。
何かあったのかと思ったが、貴重な戦力である自分が今この場を離れるわけにはいかない。

「カツオくん、ワカメちゃん、サザエを探してきてくれないか!!」

だがその声に、カツオは首を横に振ることで答えた。

「マスオ兄さんたちは家に戻って、姉さんを連れて裏口から逃げて!! 細い路地に逃げ込めば、こんなでかい奴は手を出せないはずだよ!!」
「お兄ちゃんはどうするの?」
「僕は出来る限り、こいつをうちから遠ざけてみるよ。足だってそう速いとは思えないし、まず逃げ切れると思う」

マスオは慌ててカツオの肩をつかむ。

「ダメだ、その役目は僕がやろう」
「大人よりも子どものほうが撹乱には向いているさ!! ここは僕に任せて、みんなは早く!!」
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:14:29.40:KJftay7R
ロボットの上が電柱をなぎ倒し、大きな振動が皆を襲った。
その弾みでマスオの力が少し緩んだのを見逃さず、カツオは彼の手を振り払ってロボットに向かって走りだした。

「待ってくれ、カツオく……」
「カツオ、やめなさい!!」

悲痛ささえも含んだフネの声が響き渡ったが、カツオは足を止めることなくロボットに向かっていった。
ロボットの操縦者もそれに気付いたのか、その巨大な腕をカツオに伸ばす。
それは軽々とかわしたカツオだったが、反対方向から伸びてきたもう一本の腕は、彼からは完全に刺客になっていた。

「カ、カツオくん!!」

思わず駆け寄ろうとしたマスオだったが、彼よりも先に足が動いていた者がいた。
少女の姿をした伊佐坂難物である。
伊佐坂はすんでのところでカツオを突き飛ばし、彼の身を守った。
だがカツオを捉え損ねたロボットの腕は、伊佐坂の右腕をしっかりと握った。
骨が砕ける音がカツオの耳にまで聞こえてくる。あの木製の太い指で掴まれたら一たまりもあるまい。
ましてや、製作者はあの棟梁なのだ。
ロボットは少女の腕を絞り上げるように握ったまま、その体を高く持ち上げた。
腕に走る激痛に顔をしかめながら、伊佐坂はコックピットの中を覗き見、そして驚愕した。
彼も操縦者は棟梁に違いないと思っていた。なので、操縦桿を握るホリカワの姿には、

「ど、どうして君が……」

と言うしか無かった。ホリカワは答える代わりに、人形の腕を持って振り回すように伊佐坂を振り回した。
伊佐坂の右腕は千切れ、血を噴出しながらその少女の体はゴミステーションのゴミの山の上に落とされた。
もちろん深夜にゴミを棄てるのは非常識だが、今回はそのゴミがクッションとなって伊佐坂を即死から救った。
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:15:35.65:KJftay7R
「あ、あ、あ、……」

真っ赤に迫るゴミ袋の山を見て、血相を変えたのはオカルだった。

「いやあああああああ、あなたああああああああああ!!」

今まで家族の誰も見たことのないほどに取り乱し、血の海に横たわる夫のもとへと走る。

「あなた、あなた、どうか、どうかしっかりして!! お願いだから生きていて!!
姿なんかどうなったってかまわないから、今の姿のままで構わないから、どうか生きていて!!」

わめきちらしながら駆け寄るオカル。しかしその腕が愛する夫の体に触れるよりも先に、再び歩みを進めだしたロボットが、彼女の体をいともたやすく踏み潰した。


【七日目 午前零時】

【磯野家と伊佐坂家前の路上】

【フグ田マスオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・何が何でも家族を生き延びさせる。そのためには他人を利用することも厭わない
1・ロボットに対処
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:16:36.48:KJftay7R
【磯野ワカメ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:ワイヤー、文化包丁
思考:
基本・家族以外の人間を全員殺害する
1・ロボットに対処

【磯野カツオ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・絶対に殺し合いを終わらせる
1・呆然
2・中島、西原、花沢、ハヤカワの捜索
3・中島の目を覚ませる

【磯野フネ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
1・家族を守る
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:17:14.28:KJftay7R
【伊佐坂難物】
状態:健康 体は10歳の少女のもの 右腕切断 瀕死
装備:支給品一式
武装:不明
思考:
基本・ノリスケの仇を討つために波平を倒す(殺し合いには乗らない)
1・不明

【校長】 (名簿外)
状態:健康 体は十歳の少女のもの
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・元の体に戻る、生徒と教職員を守る
1・呆然

【ホリカワ】
状態:手首に損傷
装備:支給品一式
武装:ワイヤー、拳銃、巨大ロボット
思考:
1・ワカメ以外の人間は皆殺し

【伊佐坂オカル  死亡確認】
命を救ったマナー違反 [sage] 2012/12/24(月) 17:18:12.41:KJftay7R
それでは皆様、よいクリスマスを。
参加するカモさん [sage] 2012/12/26(水) 21:30:47.81:WC0o5qfX
投下乙
一気に事態が動いてきたような……
因縁と思惑が交差していくなあ
参加するカモさん [sage] 2013/01/15(火) 13:25:02.51:m/Z/soWi
波平 49話(+ 2)  27/39 (- 1)  69.2(- 2.6)
参加するカモさん [] 2013/02/11(月) 00:21:32.50:Cz8cPFll
久しぶりに来たのでまとめ読み
参加するカモさん [] 2013/02/13(水) 16:07:21.10:B9UPPiUj
ssだったのか
点と線 [sage] 2013/02/14(木) 09:49:25.63:d565NVGL
花沢不動産社長は、携帯電話の画面を見て舌打ちした。

「棟梁のロボットと磯野さんちがついに衝突したか……中島くんたちはまだ現場に着いていないようだな。しかし、今から行っても何が出来るか……」

磯野家と駅前で起きている二つの戦闘についての情報は、町中にいる協力者たちから次々に寄せられてくる。
こんな大きく戦局が動く局面を見逃すわけには行かなかったが、大っぴらに出て行くわけにも行かない。
現場については中島たち一味の者に任せて、自分はあくまで「不動産屋」としての仕事をしなくてはいけない。

夜闇と混乱に紛れて花之丞がやってきたのは、ちょっとした知り合い関係にあるリカの家だった。
目的はリカの家族の状況を探ること。
母親は放送で死亡を確認したが、父親とリカについては情報が少なかった。
リカは今日の夕方までは目撃情報があるが、子どもゆえに不確定要素が大きい。

「ここいらで確定させとかないと、今後ちょっと動きにくいからなあ……」

知り合いという者は、味方にもしやすいが一歩間違えば足を掬われかねない存在である。
花之丞は不動産屋社長の特権として手にしている合鍵でリカの家へと侵入した。

足を忍ばせて部屋の中を一つ一つ見て回る。
最初に目にしたのは、リビングルームの中央に横たわる女性の死体。
リカの母親のものに相違なかった。
花之丞は顔色一つ変えずにその死体を検分する。死因は背中からの刺殺だった。
家の中で事切れているところからすると、犯人はもしかしたら……

さらに台所の生ゴミの腐敗具合や埃の量から、丸一日はこの家に誰も帰っていないことを確信した。
そもそも死体をそのまま放置しているくらいなのだから、ここへ戻るつもりもないのだろう。
点と線 [sage] 2013/02/14(木) 09:50:15.42:d565NVGL
リカと父親の向かった先を突き止めようと、さらに家の中を渉猟する。
特に目を引くようなものはなく、花之丞はただ、この家をこの状況下で誰かに貸すとしたらどれくらいの家賃が妥当だろう、ということのみを考えていた。

ある扉の前で、花之丞は立ち止まった。
五感が何かを感じ取ったのか、あるいは単なる勘か。
答えを出すのは後回しにして、その風呂場のドアを開いた。

中にあった二人分の死体を眼にして、花之丞は初めて驚愕した。
人が死んでいたから、ではもちろんない。
そこにあったのは服装からしても体格からしても、リカとその父親のものに相違なかった。

ただ一つだけ不可解なこと――それはその二人分の遺体、殊にリカのものが、どう見ても死後数日以上経っていたことである。
点と線 [sage] 2013/02/14(木) 09:50:51.28:d565NVGL
「花沢さんのお父さんが第一発見者になったか……しかし、果たして真実に気がつくかどうか、見ものだのう」

主催本部にて、椅子の上でモニターでリカの家の様子を見ていた波平は愉しそうに笑った。
その傍らには波平の片腕、磯野藻屑が実体化して経っている。
「雪室先生の世界のデータを用いてリカの偽者を再現するのはなかなか骨の折れる作業だったのだぞ。雪室先生を間違ってこっちの世界につれてきてしまうというオマケまであったしのう。それなりに愉しい結果になってくれんと困るわい」
「わかっていますよご先祖様、ようやくそうなりそうじゃないですか」
波平は藻屑の愚痴に、自信満々な様子で答えた。

そう、「リカ」などという少女は、この世にはもういないのだ。
本物のリカは殺し合いが始まった直後、気のふれた母親によって殺害された。父親も一緒にだ。
今殺し合いに参加しているのは、雪室先生の脳内の情報から再現した、不完全な偽者にすぎなかった。
あまりに早く知り合いが死んだことに気落ちした波平のために、藻屑が急ごしらえで用意したのである。
こんなこともあろうかと、雪室先生を最初に倉庫に集まった参加者の間に混ぜておいたのが結果的には吉と出た。

「しかし、あまり花沢さんばかりを注視しているわけにもいかんのが残念ですなあ」
「左様、今夜は山場になりそうだ」

波平と藻屑は、磯野家前とがんこ亭内部に設置したカメラの映像へと目を移した。


【七日目 午前零時】

【リカの家】
点と線 [sage] 2013/02/14(木) 09:52:09.50:d565NVGL
【花沢花之丞】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:毒薬
思考: 基本・ 殺し合いの中で不動産を売りさばいて利益を上げる
1・リカの家を探索
2・中島と岡島を動かす
3・花子の命は最優先で守る

【主催本部】

【磯野波平】
状態:健康
思考:
1・殺し合いの完遂

【磯野藻屑】
状態:健康
思考:
1・波平をサポートする
※主催側の人物です
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:23:55.04:vS3ThgTw
俺は悪人だ。
いくら泥棒にしては人がいいとか、根は悪い人間じゃないとか言われたって、俺は人の物を盗むことで生計を立てていた以上、何の言い逃れの余地も無く完全な悪人だ。

そんな自分を情けないと思ったことはあっても、後ろめたく思ったことは無かったし後悔だって一度もしなかった。
だがある日、自分を逮捕した警官に言われた一言だけはずっと耳に残った。

「お前は人当たりだっていい。そんな何度も同じ家に入るほどの執念と度胸があれば、まともな仕事にだっていくらでも就けるだろう。なのになんでいつまでもこんなくだらないことをやっている?」

生活のために必ずしも悪事を働く必要は無い。
ならば自分は一体何のために、盗みという悪事を続けるのか。

答えを探していたのかどうかは、自分でも良くわからないが、とにかくまだ答えの出ないうちに思いがけなく命のやり取りなどをする羽目になった。


駅前の店に突っ込んだトラックの後を追って店内に入った俺と警官が見たものは、何もかもが粉々に壊れた店内で向かい合う、一匹の犬とたらこ唇の男と機械のコンビだった。
警官は間髪も入れず言った。

「皆さん、私は警官です。まずは事情を説明してくれませんか? くれぐれも短絡的な行動はしないように!!」

さすがというか、呆れるばかりの公僕魂だ。俺はここまで自分の仕事に誇りを持つことなど、おそらく一生、無いに違いない。

「これはこれは……まともな人が入ってきたと思ったら、案外そうでもなかったな」

口を開いたのは犬だった。

「警官? そんなのが今更この町に何の用だよ。見ての通り、ここは人を殺すことに何の躊躇も無いクズ野郎どもの巣窟さ。あんたの持っている国家権力の権威はなんの意味もないぜ」
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:24:31.17:vS3ThgTw
「そんなことは判っている!!」

警官はやはり、何のためらいもなくそう言った。

「だが本官は国家の権威などと関係なく、あくまで一警官として職務を全うしたい所存であるのみ!!
本官の前で犯罪行為を行うというのなら、直ちに厳正に対処する!!」

誰もが言葉を失い、警官をいぶかしむような目で見る。呆れているとしてもおかしくはない。俺だって呆れている。

まず動いたのはたらこ唇の男だった。機械を抱えると、警官に向かって走り出す。
それと同時に、鉛筆削りを回すような耳障りな音が聞こえた。
次の瞬間、目を疑った。離れて立っていたはずの警官の右耳が、血しぶきと共に千切れた。

さしもの警官もうめき声を上げて耳を押さえる。俺にもわかった。これがおそらく、あの機械の能力なのだ。

「警官だろうが誰だろうが関係ない。ノリスケ様の仇を討つため、全ての敵は滅ぼさねばならん」

機械の声を聞きながら、俺と犬は互いに目配せした。こんな反則的な技を持っている相手だ、こっちも迂闊には動けない。
機械を持っている男のほうをどうにかできればまだ勝機はあるだろう。俺も犬も、それと悟られないように男たちの死角を狙う。

だが、肝心の警官の取った行動はまたしても予想外のものだった。
警官は右耳から流れ落ちる血をそのままに、血のついた手で腰につけた警棒を抜いた。
そして、

「ここは本官が食い止める!! お前たちは逃げろ!!」

と、またしてもバカなことを抜かしやがった。
今度と言う今度は俺もガマンの限界ってもんだっ
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:25:50.12:vS3ThgTw
「お巡りさん、いい加減にしてくださいよ!! いっつもいっつもそうやって一人で戦おうとして……」

だがもちろん、是非を議論している暇など無かった。
機械が風の渦を巻き起こす音が再び響き渡る。次の狙いは警棒を握る警官の腕だった。
冗談のような音がして、警官の右腕から大量の血が吹き出る。しかし、警棒を離しはしなかった。

犬と俺は、機械を持つ男の前後からほぼ同時に走り始めた。当然男の目はまず俺に向けられた。
ほとんど間髪も入れず、左の足首に激痛が走る。機械の起こす風の刃の傷みは想像以上だった。
俺は情けのない悲鳴を上げてその場に倒れこむ。だがそのお陰で、犬のほうは男の背後に接近できた。
今度は男の悲鳴が店内に響き渡る。
犬は男の右足に噛み付いて離れなかった。
男は思わず機械を手から落とした。地面の上に無造作に転がる機械に、俺と警官が同時に手を伸ばす。
こいつを無力化できればこの場は勝ったも同然なのだ。

だが、機械に触れる寸前、風の刃によって俺の指は一本ずつ千切れ飛んでいった。
続けて下腹部に走る激痛。右目も抉られた。

「そこまでだ!!」

警官の棍棒が機械の上に振り下ろされようとしたが、その寸前に空中へと弾き返された。
目に見えない旋風は、想像も付かないほどの威力で俺たちの体を切り刻んでいった。
警官は床に叩きつけられるように頭から倒れこんだ。あの様子ではしばらく動けまい。
犬はまだ、たらこ唇の男の足を咥えたまま離さない。そのことだけが、俺たちに僅かな勝機を残していた。

そして俺はこの時確信していた。なぜ俺が今まで盗みを続け、悪人であり続けたのか。

機械の口から巻き起こる旋風は、店内のあらゆるものを容赦なく破壊していく。
その混沌の中、俺は必死の力を振り絞って、床の上に伸びていた。警官の手から血で濡れた警棒を奪い取った。

「お、おい、何のマネだ!!」
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:27:16.49:vS3ThgTw
息も絶え絶えな警官の声を背中に、俺は機械に向き直る。
チャンスはほんの一瞬しか無いのだ。
そう、機械の起こす風の狙いが、床の上に倒れていた警官から、立ち上がった俺へと移る、その一瞬しか。
俺はとにかく夢中で、警棒を振り下ろした。

手ごたえだけは、あった。
それを自分の目で確認することはできなかった。俺はその時すでに両目を風に潰されていたからだ。
それにもう立ち上がることも、喋ることも出来ないことはわかっていた。
だが、もう風の音は聞こえなかった。
その代わりに、警官が今までとはまるで違う調子の声で叫んでいるのが微かに聞こえた。

「貴様……こんな所で、本官の身代わりになどなったつもりで死ぬなど許さんぞ!!
本官に協力すると言っておきながら途中で放棄するというなら、公務執行妨害で逮捕する!!
それに、いかに本官たちを守る理由があったといえども、貴様のしたことは立派な器物破損だ!!
よって、本官の許可なくこの世を去るなど絶対に許さん!!」

へえ、すいませんねお巡りさん。だけど、今度ばかりは勘弁してくださいよ。
あっしは今、最高に幸せな気分なんですから。今までに働いてきた盗みも、この瞬間のためだと思えば納得できやす。

散々悪事を働きながら、最後は人を庇うといういい事をして死ぬ。
これほどいい気分になれることは、他に無いですよ。
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:31:28.37:vS3ThgTw
【六日目・午後十一時】
【がんこ亭店内】

【泥棒  死亡確認】
【グルグルダシトール  死亡確認】

【警官】
状態:満身創痍
装備:支給品一式、不明支給品
武装:警棒
思考:基本・あくまでも警官としての職務に従い、住人たちを守る
1・絶望

【ハチ】
状態:健康
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・自分の家族を守る
1:アナゴを足止めする

【アナゴ】
状態:軽い負傷
装備:支給品一式
武装:不明
思考:基本・マスオ以外は皆殺し
1:この場から逃げる
あなたとワルツを [sage] 2013/03/11(月) 18:32:58.62:vS3ThgTw
今日は以上になります

最後に、宣伝になってしまいますが某所で古生物ロワというのを始めました。
興味のある方は是非参加してください。よろしくお願いします。
参加するカモさん [sage] 2013/03/15(金) 16:15:19.16:MnXs8/3/
月報集計お疲れ様です。
波平 51話(+ 2)  26/39 (- 1)  66.7(- 2.5)
参加するカモさん [] 2013/05/03(金) 15:13:45.18:BX/HTSpE
久々に来たが投下来てたのか
参加するカモさん [] 2013/08/14(水) NY:AN:NY.AN:Bv2LwPvs
久々に来た。スレ主元気かの〜
参加するカモさん [sage] 2014/01/27(月) 17:58:49.07:nnhUMJso
波平の声優さんが……
参加するカモさん [] 2014/05/18(日) 12:21:20.32:eNljuZlB
茶風林か…
参加するカモさん [sage] 2014/08/14(木) 21:17:37.62:z2/10V91
追いついた 続き待ってるよ〜
省略可 [] 2014/08/15(金) 20:52:16.90:Mr4fdCPQ
: 北大村上祐章教授完璧な段取り神奈川県川西市議相模原市. 名前:積極的な心構え
を手にする方法 日付:2010/4/3(土) 14:21. 1.否定的な言葉を口にださない (面倒、
大変、だるい、嫌…など) 2.陰の部分を紙に書き出し、陽な考え方に ...

: 北大村上祐章教授完璧な段取り神奈川県川西市議相模原市. 名前:積極的な心構え
を手にする方法 日付:2010/4/3(土) 14:21. 1.否定的な言葉を口にださない (面倒、
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